鍼灸医学における花粉症対策 その12
同シリーズその6で述べた5.呼吸器系統の機能低下のある人に対する養生法について述べる。呼吸器機能の低下傾向のある人は、皮膚を鍛(きた)えるのも一つの方法だ。呼吸器と皮膚は密接な関係があるからだ。呼吸器系と皮膚のかかわりを幾つかの例で示すと、喘息とアトピー性皮膚炎の関係のように。原因は同じでも呼吸器の方に症状が出たものが喘息、皮膚の方に出たものがアトピー性皮膚炎。 呼吸器系に問題のある人は、背中の肩甲骨の間の毛穴が開いていたり肌がくすんだりしている。昔、「結核美人」という言葉があり、結核をわずらっている女性は、肌が白く透き通るように美しいという意味で使われていた。「美人」というと何だか聞こえがいいが、医学的にいうと実は、結核によって肺がダメージを受けて肌が弱くなっている姿なのである。このように皮膚と呼吸器は密接な関わりを持つので、乾布摩擦や冷水風呂などにより皮膚を刺激し鍛えることにより、呼吸器系統の機能を良くしたり高めることが出来るというわけである。