チャンピオン争いの激化、バトン&ホンダの優勝、慌しくなってきたストーブリーグと
華やかな話題に混じってひっそりとリリースされたのがエンジンホモロゲーション案の文章。
それは今後のF1を大きく左右する重要な決定です。
エンジンホモロゲーションとはメディアによってはエンジン開発凍結案とも言われ其の名の通り
エンジンの開発を数年間に渡って行わない!というルールです。
これはモータースポーツの統括団体であるFIA(マックス・モズレー)が今年の3月に発表した08年以降のレギュレーション案に突然盛り込んできた項目です。
これまでにもFIAはエンジンに関して多くの規制をしてきました。
04年からグランプリウィーク中にドライバーは1基のエンジンだけしか使用出来なくなり
更に05年からは2グランプリで1基のエンジンに制限されました。更に今年V10からV8へと気筒数を制限してます。
しかしこのエンジン開発凍結案には当然、F1に参戦している自動車メーカーの団体GPMAは強く反対。これまで幾度とこの二つの組織間で話し合いが行われてきました。
FIAの言い分はこうです。
チームやメーカーの参戦資金の高騰を抑える事によってチームの格差を少なくなり、よってオーバーテイクの機会が増えるだろう。F1はドライバーの技量だけで充分ではないか。メーカーが大金を投じなくても昔はドライバーの戦いだけで面白かったではないか。
開発をしなければコストもかからず、性能も上がらないので安全ではないか。
しかしもしエンジンの開発が凍結されても他の部分に、つまりシャシーの開発に大金を注ぐ事になり
もしシャシーの開発も制限されたなら、ドライバーの年俸が高騰するだけで今とコストは何ら変わらないでしょう。ましてそれはもはやF1とは呼べるものではないです。何の魅力もないカテゴリーです。
メーカー側も自分達のエンジンやシャシーが他のメーカーよりも優れてる事を実証する場のF1ですから、これでは参戦する意味さえ無くなってしまいます。しかしルールを決めるのはFIAです。
そして多くの話合いの結果、
今年の中国GPのエンジンの形式と同じものを09年まで使用する
という事になりました。08年からは19000回転のリミッターを装着してエンジンパワーを抑えます。
つまり鈴鹿名物だったホンダ(無限ホンダ)が毎年鈴鹿の為に設計、開発した鈴鹿スペシャルエンジンはもう作れません。
妥協案として今後新たな技術(ハイブリットエンジン?)導入について話し合いを続ける事になっています。
しかし実際、エンジンの開発費用は莫大でエンジン1基の値段は3000万円!?といわれています。
04年から使えるエンジンの数が減っても信頼性、耐久性の大幅な開発をしなくてはならないのでFIAが唱えていたコスト削減には程遠い結果となりました。
そして今後中国GPまでに各メーカーは今まで以上に必死でエンジン開発に凌ぎを削る事になります。パワー、耐久性はもちろん燃費に至るまでこれまでに無い開発競争が繰り広げられるでしょう。
それはF1最後のエンジン開発競争になるかもしれません。
というよりこれでは開発狂騒ですネ・・・(^ ^;
しかし深読みするなら(またかよ)マックスの本当の狙いはミシュランの様に今後メーカー側が撤退する事にあるのかもしれません。
というか・・・中国GPではマシンの半数近くがエンジン交換でグリット降格なんて事になりそーです( ̄▽ ̄;)