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2012年06月01日
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カテゴリ:心に残る言葉


ずいぶん昔のことですが、アメリカのとある病院の病室に7人の患者がいました。

死の宣告を受けた結核患者たちで、自力では歩けない末期症状の者たちばかりでした。

 (当時のアメリカでは、結核といえば死に至る病だったのです)

その病室は細長い形の病室で、横の壁の一番奥の方に、小さな窓がありました。

そして、一番奥の窓際のベッドからだけ、窓の外が見えるのでした。

窓際のベッドに寝ていたのは、ジミーという男でした。

ジミーは毎日、窓から見える外の光景を、他の患者たちに明るく語って聞かせるのでした。

「おーい、みんな!公園のチューリップの花が咲き始めたぞ。チョウチョウも嬉しそうに飛んでるよ!」

「おーい、みんな!今日は子ども達が遠足だよ!みんな楽しそうだなー。
あっ、手をつないでる子もいるよ。かわいいなあ。。」

死を待つばかりの患者たちにとって、ジミーが教えてくれ外の様子だけが、唯一の楽しみでした。

そんな中、一人だけ心がすさんでいた男がいました。
入口から2番目のベッドに寝ているトムという男です。

「ジミーのやつ、いつも外の景色を独り占めしやがって!」


ある朝、みんなが目覚めてみると、窓際に寝ていたはずのジミーがいません。

実は夜中のうちに、ジミーは亡くなっていたのです。

トムは「しめた」とばかりにほくそ笑み、

「俺を窓際のベッドに移してくれ!」 と看護師たちに頼みました。

しかし、看護師たちが顔を曇らせて頼みを聞いてくれないので、トムは声を荒げて怒鳴りました。


そこで、看護師たちは、仕方なくトムを窓際に移すことにしました。

移してもらう間、トムはこう思いました。

「これで、外の景色を独り占めできる!
俺は、お人好しのジミーのように、みんなに話してなんか聞かせないぞ。」

そして、窓際のベッドに移され、窓の外に目をやった瞬間、 トムは愕然としました。


窓の外に見えたのは、公園でもチューリップでもなく
、隣のビルの灰色のコンクリートの壁だったのです。

トムは一瞬にして、すべてを理解したのです。

「そうだったのか!ジミーは、俺たちの心を励ますために、
この灰色の壁を見ながら、外の世界を想像して語って
くれてたんだ!」

その日から、そうその日から、今度はそのトムが、ジミーに負けないくらい想像力を働かせて、外の光景をみんなに明るく語り続けたのでした。



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最終更新日  2012年07月10日 18時56分52秒
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