077691 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Benediction of God in Solitude

譲れないものVIII



祭りに行く準備を始めた二人。リノアは長くかかりそうだが、スコールはもう終っていた。

(祭りか…久しぶりだな。しかしリノア遅いな。そろそろ始まる時間なんだが。まぁメインの花火が始まるまではまだ時間があるか。しかし今日、本当に言わなくちゃならないか?言わなくてもいい気がするのが…。けど昨日なんでも話すと約束してしまったしな……。………どうするかな。)

自分の考えに迷いが出始めたスコール。こうなるとなかなか答えを出せなくなるのが人の心。終りが見えなそうな思考に走るスコールだった。

一方リノアは………

(嬉しいな~。スコールとこのお祭り行くの何年ぶりだろ?…三年振りかな?まぁ細かいことはいいや。けど何着て行こうかな。迷っちゃうな。)

リノアの前には今六着の候補が並んでる。苦心で選んだものだ。

(どうしよっかな?スコールはまたいつもの格好で行くみたいだけど…あ!そうだ!)
「スコール~準備できてる~?」
「あぁ、とっくに終ってる。」
「………その格好で行くの?」
「あぁ。」
「駄目!せっかくだから昨日買ったやつ着て!それで今日はガンブレードも置いてって!」
「服は構わないがガンブレードを置いて行くのは無理だな。」
「なんで?」
「リノアに何か起きたときに守れないだろう。」
「…駄目!今日はただのスコールでいて!それに無くても守ってくれるでしょう?」
「(…自信無いんだよな。けど仕方ないか。)わかったよ。今日は置いて行く。」
「やった~!」
「それじゃぁ着替えるとするか。」

そしてスコールは何を着るか考え始めた。

(どうするかな。上は黒でいいだろう。下は…ジーパンにするか。あとはどうするかな。…これにするか。暑いがフリースなら風通しもいいしな。)

そうして服は決まった。同じようにリノアの方も決まったようだ。昨日買った服に首飾りだ。

「終ったか?」
「うん!」
「よし、行くか。」
「行ってくるね、アンジェロ。お土産買って来るから~!」
「ウォン!」

二人は祭りに行った。




「うわ、、、凄い人だね。」
「はぐれるなよ」
「わかってるよ~。じゃぁ…」

リノアはスコールの腕に手を回し腕を組んだ。

「!リノア///」
「なに~?はぐれるなって言ったのはスコールでしょ?それに、今日ぐらいはいいじゃない。」
「//////(これをセルフィに見られたら絶対明日のガーデン日記のトップニュースになるな。)」
「あ?スコール?」

呼ばれて振り返ってみるとゼル・キスティス・セルフィ・アーウ゛ァインがいた。

(噂をすれば陰がさす、だな。)
「珍しいじゃんか。お前が外でそんな格好してるなんて。」
「本当…。けど何か物足りないわねぇ。何かしら。」
「そう言えば微妙に違和感があるね~。」
「……あ・はんちょがガンブレード持ってない!」
「あ。」
「成程。」
「しかし珍しいね~。誰のお陰かなぁ?」
「そりゃあリノアしかいないでしょう。」
「だな。」「そうね。」
「セフィ、珍しいからカメラで取っておいたら?」
「そだね~」
「…やめてくれ。」
「いいじゃない、スコール。写真ぐらい。」
「そうそう!」
「じゃ撮りまーす!」
「俺の意見は無視か?」
「もう!一々気にしないの!セルフィ、よろしく~。」
カシャ!
「出来たら渡すね~」
「うん!」
「(覚えておけよ、セルフィとアーウ゛ァイン)」
「しかしリノア、その服良く似合ってるわよ。首飾りとも合ってるし。」
「えへへ、アリガト!スコールに買って貰ったんだ。」
「へ~、スコールがね~。」
「これ試着したときなんかさ、スコール、『見取れ』モガッ」
「余計なことは言うな」
「いーじゃないこれくらい。」
「で?何て言ったの?」

興味津津の四人の視線はスコールとリノアに向けられていた。

「『見取れてて何も言えなかった』ってさ~。あんな事言われたの初めてだよ~。」
(スコールが?あのスコールがそんな事言ったのか?)
(これはもう完璧にリノアが影響してるわね)
(やるね~スコール。流石だよ。何気に口説くのが旨くなってるんだから~。)
(あ~その瞬間をビデオに撮っりたかった~。)

スコールは真っ赤になってうつ向き、皆はそれぞれの感想を思っていた。少し話をしてから皆と別れ、二人はバラムの街を進み始めた。

「あの様子だとまだ言ってないみたいね。」
「そうだね~。」
「早く言わないと後で辛くなるのにね~。。」
「幸せ気分を壊したくね―んじゃね―の?」
「そうかもね。まぁ私たちがあれこれ言うことじゃないわね。本人がちゃんと言うって言ってたんだし。」
「だな。」「そだね~。」「だ~よね~。」


「さて、そろそろ花火が始まる頃だな。」
「そうだね~。」
「んじゃ行こっか。」

リノアは先に歩き出したが、
「リノア、そっちじゃないぞ。」
「へ?でもよく見える場所はそこだってセルフィが…………」
「こっちだ。恐らくこっちの方がよく見えるだろう。」

脇道に入り、スコールは慣れた足取りで道を歩き始めた。リノアはなんとかついていっている。

「スコール、待ってよ~。早すぎるよ~キャッ!」

リノアは爪先をひっかけ、前に転んでしまった。

(…あれ?痛くない……。)
「平気か?」
「えっ?あっごめん、スコール。」
「気にするな。それより立てるか?」
「あ・うん。ヨッと。」

立ち上がり、また二人は歩き始めた。が、急にスコールは立ち止まった。

「どうしたの?」
「リノア、乗れ。ここから先はもっと足場が悪い。怪我でもされたら困るしな。」

そう言ってスコールはリノアに背中を出し、乗るように促した。

「えっ、大丈夫だよ~。これくらいの道、昔はいつも歩いてたんだから。」
「…今日はいつもと靴が違うだろ?」
「あ!」
「そういうわけだ。乗れ。」
「…うん。じゃあお願い。」
「あぁ。」

スコールはリノアをおぶり、また道を歩き出した。





歩くこと5分―――――

「着いた。もう始まるな。降ろすぞ。」
「うん(もう少しあのままでいたかったなぁ)。」
「どうした?」
「ん?いや人がいないな、と思ってさ。」
「ここは俺しか知らないぞ。皆にも教えてないからな。」
「そうなの?」
「あぁ。」

ヒュ―――――パーン

「始まったな。」
「うん。綺麗~。」

二人は寄り添い、花火を見ていた。

(今この時がずっと続けばいいのにな…)
(この時が永遠に続いてくれ。)

叶わないとわかりつつも、ただそう願って。




花火は終り、スコールはリノアをおぶり、二さっき来た道を下りていった。

「綺麗だったね~。」
「そうだな。」
「もう!なんかそっけないよ。」
「そうか?」
「そうだよ。」
「気を付ける。……そろそろいいな。降ろすぞ。」

だがリノアは降りようとせず、手を前で組んだままだった。

「もう少し…余韻を味わさせて…。」
「わかった。なら…このままガーデンに帰るか?」
「…うん。」

満点の星空の下、二人は月から祝福の光を受け、道を進んでいった。

「綺麗だね~。」
「星空か?」
「うん!」
「星も月も綺麗だが、もっと綺麗な彗星があるな。」
「え?何処?」
「……そこ。」
「…………もしかして…私?」
「…そうだ//」
「ありがと。珍しいね、スコールがそんな事言うの。今日はロマンチストだね。」
(…悪かったな。)
「悪くないよ。背中ごしだからいつもは言わないことが言えるの?」
「(なんでわかったんだ?)そうかもな。」
「私はスコールの恋人だからね。こんだけ近くにいると何考えてるのかすぐわかるよ。」
「なら言葉に出す必要はないな。」
「嫌だよ。口があるんだからちゃんと口で言って!」
「わかってるよ。」
(幸せ気分をわざわざ壊す必要はないな。)

富めともない話をし、談笑しなから二人は夜のガーデンへの道を歩いて行った。





部屋に戻り二人は入浴を済ませ、眠りに就く支度を始めた。

「スコール、今日私に言うことがあるんじゃない?さっき帰り道に考えてたことって何?」

スコールは驚愕した。誰にでもわかるぐらいはっきりと顔にそれを浮かべた。

「……言わないと駄目か?」
「言いにくいこと?」
「あぁ。出来るなら今言いたくないことだ。」
「そっか…。でもいつか言ってくれるんでしょ?」
「あぁ。近日中に必ず。」
「なら今言わなくて言いよ。」
「ありがとう。」
「寝よっか?」
「あぁ。」

二人は眠りに就いた。普段ならスコールに安らぎを与えてくれる夢も、この日は苦痛を、だが予知をもたらす夢とは誰も思っていなかった。


written by eoh


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.