2008/12/26(金)07:43
債務整理は本人の気持ち、それに信頼関係が必要です
時計の針は午後7時半を回ろうとしている。知り合いの中山さん(仮名)が駅に相談者を迎えに行ってから1時間を経過しようとしている。 中山さんとは4年越しの付き合いだ。 過払い請求を依頼された縁で今まで何人もの紹介をいただいている。 今日も営業時間外の午後6時半に相談者Aさんを伴って来所する予定だった。Aさんは親とは別居して今は神奈川に住んでいる。実家に督促状が頻繁に飛び込むため、お母さんが心配して、会社の上司の中山さんに相談したとのことが経緯だ。
「どうしました?8時から予定があるんですが・・」待ちきれず、中山さんの携帯に電話すると「すまん、すまん、今連絡が付きました、もう直ぐ来ますから」と・・そしてしばらくして来所。 「どうなされました?」 遅れた理由と侘びを期待してAさんへの問いかけに、「遠かったもんで」の一言、全然、悪びれた様子がない。時間が無いため直ぐ事情聴取。5社230万円 借入れたのはすべて3年前、そして借りるだけ借りて今まで放置。
私 「3年前に借りて今まで一度も返してないんですか?」相談者 「はい」 私 「何かあったんですか?」相談者 「急に北海道に転勤になってしまって・・」 私 「北海道からでも返済はできましたよね?」相談者 「そうですね」 平然としている、まるで人事のようだ。たまりかねた中山さん 「駄目だよ、認識を持たないと、お母さんが心配していたよ」 「延滞金も元金と同じくらい付いちゃっているんじゃないの」相談者 「何とか自分で払っていきます」 私 内心(これは駄目だ!!)
債務整理は本人がその気にならないと成功しない。Aさんは各業者に不義理をしてしまった。まずこの点を反省して侘びの気持ちをも待たないと駄目だ。代理人として介入するからには二度と業者の期待を裏切ることはできない。依頼者、代理人、業者との信頼関係が必要だ。 中山さんとAさんに今の状態では受任できないことを説明する。