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カテゴリ:エッセイ・随筆
春風が心地よい 外出時には手放せなかったコートの黒色が一気に重々しくなる 道路の横には田が点在し、奥には林も見える地方ののどかな住宅地を、私は妻とともに、子どもと手を繋ぎながら歩いていた 柔らかい風を受けながら、幸せというものをふと感じた ・・・・・・ 4月から転勤のため家族で引っ越し、出身の地元に戻ってきた 地元への転勤は、自分で希望した いろいろ考えがあってのことだが、きっかけとなったのはマイホームを建てる土地を地元で購入したことだろう 良さそうな土地が見つかった その土地を選んだ理由には、幼い姪っ子たちの存在がある 地元に住んでいて数年前がんで亡くなった姉には、3人の娘がいた 私も独身の頃よく面倒を見たが、みな自分の子どものようにかわいい 少しでも姪っ子や義兄の支えになれたらと思った 具体的に何らかの援助が必要なわけではなく、それを求められているわけでもないが、近くにいて少し交流があるだけでも違うだろうと思った 特に二番目の小学4年生の子は繊細なところがあり、親が病気だった頃から夜中起きて急に泣き出すなど不安定だったから、こちらに引っ越してきて、この子が私の家に来て、楽しそうにいとこ同士遊んでいる姿を見たときは、やはりここに転勤を希望して良かった、姉もきっと喜んでいるだろう、という思いがふつふつと湧いてきた 異動に際しては、進んで地方の田舎に転勤することは自ら左遷を選ぶようなもので出世ルートから遠ざかることだ、と全く出世もしていないのに将来を悲観したときもあったが、姪っ子と、また彼女らと嬉しそうに遊ぶ子どもと、それを見て満足そうに眺めている妻を見ると、自分の選択は正しかったと確信した 近所に住む私の親も、孫に会えて嬉しそうである とっくに退職して暇だから、畑で採れた野菜や作った料理をうちに持ってきてくれたりし、妻も助かっている 妻の親戚からは少し遠くなってしまったが、週末に遊びに行ったり泊まったりすることもでき、まだ働いている妻の親にはちょうどよいかもしれない ただ、妻としては他人の親より自分の親の近くの方がよいだろうから、私の都合の良いように考えすぎかもしれない 付いてきてくれる妻には感謝しなければならないし、その感謝を絶対忘れてはいけない、と度々思うが、昨日も苛々して妻を無視してしまったから、誓約書でも書いて毎日見えるところに貼っておかなければまた忘れるに違いない、と思いながら、思うだけで、結局できていない 世の中のために、国のために働く、という仕事の志は捨てておらず、単なる良き家庭人でいるつもりはないが、まず家庭をしっかりし、子どもをしっかり育てなければ先祖に顔向けできないし、やはり子どもには立派に育ってほしいから、家庭と仕事の両立を極力図らなければならないが、きっと家庭優先となるだろう ・・・・・・ いずれにしても、もう異動したのだから、後は今の道を突き進んでいくしかない 過去は変えられないが、未来は変えられる 自分の、子どもの、姪っ子の、妻の、親戚の未来を必ず良いものに変えていく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年04月14日 21時50分16秒
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