テーマ:介護・看護・喪失(5412)
カテゴリ:母
母が亡くなって7年半になりますが、
最初の数年位に比べると わんわん泣くこともほぼなくなりましたけど かといって悲しくなくなったわけではなく 未だに生きていてほしいと思うし 何かもっと出来なかったのかなとも思います。 大事に思っていた人は たぶん10年どころではつらさはなくならないし、 何十年たってもつらいのだと思います。 母がもう身の回りのことができなくなって 私の家に来てもらっていた2013年頃、 先に寝ていた母が、布団から起き出した気配を感じたので PC作業をしていた隣の部屋から様子を見に行きました。 夜の10時頃だったと思います。 寝室を覗くと、母が布団の上に座るように起きていて 私を見るとすごく幸せそうににこにこして 「おじいちゃん(母にとって父)に夕飯を作る夢を見た」 と言うんです。 母はそれまで夜中に起きてあれこれ言うことは なかったし、祖父の夢を見た話もしなかったので、 唐突で驚きながら、とりあえず何か返事を返そうと 「そう、良かったね」と言いました。 それがちょっと早口で素っ気なく聞こえて 私とは祖父を亡くした悲しみを共有出来ないと思ったのか、 それとも私の返事なんか関係なく 年をとって少し幼児のような感情になっていたからなのか、 理由は未だに全く分かりませんが 寝起きの顔でにこにこ嬉しそうに笑っていた母が 急にわんわん泣き出したんです。 びっくりしてどうしたのか尋ねましたが 悲しそうに泣き続けて泣き止みません。 どこか痛いのか聞きましたがそうではないと言います。 私の対応が悪かったのかな、どうしようと思いつつ 一旦ソファに座ってもらって、 足を温めて(冬だったと思います) お茶を入れて、甘い物を食べてもらって話しかけたら 少し落ち着いてきたので 果物か何かさらに軽食を出し、 1時間ほど話などしてから、夜も遅かったので 遅いからもう少し寝ようね、 私も寝るからと言って 寝室に連れて行きお布団に入ってもらい 寝付く迄ちょっと様子をみました。 母は私も寝ると聞いて、ほっとしたようでした。 いつも私がちゃんと睡眠をとっているか 心配している人だったので、 私が寝るためには、母も寝なくちゃと 思ったんだと思います。 母が夢を見たと喜んでいたのに 私の対応の仕方がわるかったのかな、と 未だに思うのですけど、 たぶん、母は心の中に、夫を亡くした悲しみと 同居していた父母を亡くした悲しみを ずっと一人でかかえていて、 心の奥にあった心細い気持ちが 急に表に出たんだと思います。 とても優しくて、繊細な人だったから 夫や父母を亡くした悲しみをずっとかかえていたけど、 子供のために強く生きようと、めそめそしなかった。 でもつらかったんでしょうね。 母が一人の女性として一生懸命だったつらさを わかってあげられず わかちあえず、半分ひきうけられずに 本当に申し訳なかったけど、 多分母は、「そんなことしなくていいんだよ、 幸せになりなさい」と言うんだと思います。 母が母の父を亡くしてから ずいぶん経っていましたが、 そんなに経ってもつらいんだと思いました。 ここで今、この話を書くことで 気が付いたことがあります。 私は当時、法要はすべて母に任せていたので 全く気が付かなかったのですが、 母は近くなった回忌の事などを 考えていた可能性があります。 当時母は、一人で食事を作ったり 洗濯したりが出来なくなっていたので 私の家に同居してもらうようになっていて、 散歩に出てもたまに迷ってしまう事があり お寺さんに行くこともできないし またその話を私に説明することもできない (筋道だてて話ができない)ので 心の中で葛藤があって わんわん泣いてしまったのかもしれません。 当時私は、母は複雑な事は 考えられなくなっていると思っていましたけど、 そうではなく、 頭の中ではちゃんと筋道立てて考えていたけど 歳を重ねて上手く説明ができなくなってしまっていただけ だったんだと、後でいろんな事柄を合わせると 辻褄があいます。 あの時母が、あんなにわんわん泣いてしまった事は 母にとってつらい出来事で、 私がどうにかできなかったのか、と未だに思うけど、 もしかしたら、あの時わんわん泣いたことで 胸のつかえがとれたのかもしれないし、 いや、父母や夫を亡くすということは 泣いたくらいでは癒える悲しみではないし、 でも泣いたことで少し落ち着けたのかなとか 思い出すといろいろ考えちゃいますけど あれはあれで、良かったのかな、 祖父の夢を見て喜んでいたし、 そのあと泣いちゃったのも外に気持ちを出せて 私もその時なりにそれを受け止めようとして 母を大事にしたから良かったのかなと思います。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.02.17 19:03:54
コメント(0) | コメントを書く
[母] カテゴリの最新記事
|
|