レオス・カラックス「IT’S NOT MEイッツ・ノット・ミー」元町映画館no299
レオス・カラックス「IT’S NOT MEイッツ・ノット・ミー」元町映画館 1980年代の中ごろから、ほぼ、40年間、映画とは縁遠い暮らしをしていましたから、世紀末から現代へかけてのフランスの鬼才 の最新作という噂を耳にしても、ああ、そうなん? なのですが、まあ、そうはいいながらも、なんでも見てやろう! という気分で見に行きました。 レオス・カラックス監督の「IT’S NOT ME」です。 40数分の短編でしたが、エンドロールの後にデビッド・ボーイの、曲名はわかりませんが、音楽とともに、なんというか、人形なのか、本物なのか、ボクの目では判然としなかったのですが、まあ、多分、女の子の人形が踊ったり、走ったりするのですが、それがとてもよかったですね。 「美は瞬きを必要としている」 とか、なんとか、そういう意味のことばが流れて、エンドロールだったのですが、最後の最後に映し出されたシーンです。 人は目を瞠ったり、目を瞑ったりして、映像というか、世界に対処するわけですが、「瞬き」こそが、世界と出会っている「生」の証しである というような意味の、この映画の最後のナレーションだったか、字幕だったかを目にしながら、最後の最後に、この、人形のシーンを見ていて、不思議な納得 を感じました。 ゴダールが2022年に亡くなったという事が、この作品のモチーフに影響しているとかいう前評判とかを聞いていたせいもあるのかもしれませんが、作品全体のムードには、たしかにゴダールっぽさを感じながら見ました。 ただ、コラージュされている、一つ一つの映像は印象的なのですが、どこか、映像を構成しているアイデアというか、方法論というかについては、今、もう一度ゴダールか?とでもいいえばいいのでしょうか?何とも言えない古めかしさを感じて見ていたのですが、最後の瞬き論で、ようやく、「ものごとは見さえすればいい‥‥ものごとを見なければならない、そしてっ見たことについて語ってはならない、ものごとを見、見ることのなかにとどまらなければならい」 とか、なんとか、そういえば、ゴダールが「全発言」(筑摩書房)だったかのどれかのどこかで、そんなことを言ってたことをふと思い出したり、この作品のカット、カットのリズムが、瞬きのそれだったのかもしれないとか思ったりしながらも見終えた人形のシーンは記憶に残りそうですね(笑)。 なにはともあれ、たしかに、鬼才でした(笑)。拍手!監督・製作・脚本 レオス・カラックス製作 シャルル・ジリベール 撮影 カロリーヌ・シャンプティエ美術 フロリアン・サンソン衣装 パスカリーヌ・シャバンヌキャストドニ・ラバンカテリーナ・ウスピナナースチャ・ゴルベワ・カラックスロレタ・ユオカイテアンナ=イザベル・シーフケンペトル・アネフスキービアンカ・マッダルーノジュリエット・ビノシュミシェル・ピコリジャン=フランソワ・バルメールギョーム・ドパルデューカテリーナ・ゴルベワ2024年・42分・G・フランス原題「C'est pas moi」2025・04・28・no070・元町映画館no299追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)