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2019.05.09
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​​​​吉本隆明 「夏目漱石を読む」 (ちくま学芸文庫)​
​​

​​​​​​ 夏目漱石「三四郎」(新潮文庫)の案内とかを読んでくれた美少女マコちゃんから

「夢十夜と三四郎って、どこかでつながるんですか?」
​ というヘビーな質問をされて、「うーん」と一晩うなって思いだしました。(思い出すのに時間がかかるのは、なんとかならないんだろうか。)​​​​
「そうだ、吉本隆明「夏目漱石を読む」(ちくま学芸文庫)があるぞ。」​
​​​​​​​​ 漱石を相手に、作家論を書いて世に出た人は大勢いるに違いないのですが、ぼくが初めて漱石を読むべき作家として意識したのは、実は漱石の作品を読んでではありませんでした。いや、「坊ちゃん」とか、子供用の「吾輩は猫である」とかは読んでいたかもしれませんが、文学として出会ったのはというと、江藤淳「夏目漱石」(講談社文庫)という評論でした。​​​
 今では「決定版夏目漱石」(新潮文庫)で読むことが出来ますが、23江藤淳が病気療養中に書いたデビュー作であるこの作品が、17の高校生の、その後の50の好み一つを決定づけたのです。
​​​​​​​​
 20代の大学生が書いたということに「感激」しただけのことだったとは思うのですが、それからの2年間、高校の恩師の書棚から、次々と借り出した​​『江藤淳著作集』全6巻(講談社)​​と、確か、浪人をしていた年に出た​『江藤淳著作集 続』全5巻(講談社)​​を新刊、次々に買い込んで読んだ記憶があります。当然のことながら(?)、そこに出てくる作家群の作品も片端から読む必要に、勝手に、迫られることになってしまったわけですから、それは、忙しい一年でした。初めての下宿暮らしの充実していた思い出というわけですが、受験勉強はどうなっていたのでしょうね?​
​ この先生には、江藤淳の著作集をはじめ、アイザック・ドイッチャーの幻の名著、​​「予言者トロツキー 三部作」(新潮社)​​エッカーマン「ゲーテとの対話(上・中・下)」(岩波文庫)とか、いろいろお世話になりました。これまた、懐かしい思い出ですが、今なら、高校生に貸し与える本とは思えないところも、なんだかすごいっですね(笑)。​​​
​​​​​​​​ 江藤淳は、後に保守派の論客として名を上げた(?)人ですが、結局、生涯、漱石をテーマにして生きた人だと、ぼくは思っています。江藤淳については、ここではこれ以上話題にしません。で、話題は、江藤淳の著作集の対談の相手として登場した吉本隆明に移ります。対談をしている二人の慣れ合いではない向き合い方が印象に残り、関心は吉本隆明に広がっていったというわけです。​​​​​​​
 吉本隆明は「昭和最大の思想家」などいうニックネームで、まあ、大変なんだけれど、ぼくは、詩人であり、文芸批評家だったと考えてきました。「共同幻想論」(角川文庫)「言語にとって美とは何か」(角川文庫)もぼくにとっては文学論だったわけで、江藤とともに、「漱石」「小林秀雄」をぼくにすすめた批評家でした。
​​
 その吉本隆明​が、晩年、漱石の小説について、​「猫」から「明暗」まで、すべての作品を俎上にあげて語った講演を本にしたのが、本書「夏目漱石を読む」です                  

​​​​​​​​​「渦巻ける漱石」、「青春物語の漱石」、「不安な漱石」、「資質をめぐる漱石」と題した四回の講演を一冊にまとめた本だが、それぞれの題目に「吾輩は猫である」「夢十夜」「それから」、「坊ちゃん」「虞美人草」「三四郎」、「門」「彼岸過迄」「行人」、「こころ」「道草」「明暗」が振り分けられていて、漱石の一つ一つの作品について、当時、80にならんとする吉本隆明が、それぞれの作品の眼目と考えるところを、「一流の文学とは何か」という問いに答えるかたちで、訥々と語っています。​​​​​
​​​​​ その説得力には

​「一人の批評家が一生かけてたどり着いたものだ」​

 ​という実感というか、迫力を自然に感じさせるところがあるとボクは思います。
​​ たとえば、「三四郎」「夢十夜」の関係について、漱石が文学的に対峙した「宿命」に対して直接その中に入って物語った「夢十夜」に対して、何とか抵抗し、乗り越えようとした青春物語であるところが「三四郎」だという考えを述べているが、とても魅力的な読みの対比だとぼくは思います。​​​​​​​

​​ 余計な感想かもしれないが、この対比は「三四郎」の主人公の小説世界における立ち位置ということを思い出させてくれますね。「夢十夜」において、語り手は夢を見る当人として小説の中にいるように感じられるのですが、小川三四郎は小説中で起こるあらゆる事件に対して傍観者として存在しているようにぼくには見えるのです。それは青年一般のあり方としてリアルな描き方だとも考えられるのですが、吉本隆明が言う「漱石の宿命」を考える契機が、そこにあるのでしょうね。​​
​ 今回読み直してみて、「漱石の宿命」吉本隆明が語る、彼が最終的にたどり着いた漱石に対する持論、作家自身の資質としてのパラノイアとそれを引き起こした乳児期体験に引き付けた考えが評価の前提になっており、例えば、現場の国語の先生方が、一般的な評価として、直接、引用するというわけにはいかないかもしれません。​​しかし、ぼくに限って言えば、初読以来、ここで語られている吉本の漱石評価の口真似で教員生の顔をしてきたことを思い知らされるわけで、人によるともいえるかもしれません。​​​
​​​ 開き直るわけではありませんが、ぼく程度の教員が、独創的な読解や解釈を手に入れることなど、ほぼ、あり得ないと思ってきました。ただ、誰かが言っていたことを、いかに上手に伝えられるかというのが、例えば教室で配布する「読書案内」の意図だったりしたのですが、さほど上手にやれたわけではありません。今回も「三四郎と夢十夜」への答えになっているかどうか、心もとないかぎりですが、まあ、こんな答えはどうでしょうかという案内です。
​​​​​​ 案内の上手、下手はともかく、一度読んでみてください。あなたを「漱石の方」へ連れていってくれるかもしれません。(S)
追記2020・01・31
「三四郎」「門」​​についての感想は、このタイトルをクリックしてみてください。それから「夢十夜」について授業をしている、高山宏さんの「夢十夜を十夜で」とか「案内」しています。
 最近「それから」代助について考え始めています。いずれ「案内」したいと思っています。​​​​​​​​

               


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最終更新日  2023.05.17 10:55:40
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