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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.06.10
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​池内了 「娘と話す 原発」 (現代企画室)​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​ 今日は科学の案内です。池内了(さとる)という天文学者をご存知でしょうか?
「銀河の構造」であるとか、「泡宇宙論」であるとか、その手の話が好きな人にはもってこいの科学者です。彼の宇宙論の本はたくさんあります。専門家としてはもちろん超一流の学者なのでしょうが、初級の科学おたくとか、理系に進みたい高校生や中学生にピッタシの入門書を書く学者としては当代有数の「書き手」といえると思います。
 専門から少し外れた「疑似科学入門」(岩波新書)とか「物理学と神」(集英社新書)といった、文系の素人が手に取ってみたくなるタイプの新書もたくさん書いている人です。​​

​ そんな池内了が書く本の題名が最近では「科学の限界」(ちくま新書)、「科学と人間の不協和音」(角川oneテーマ21新書)というふうに変化してきました。​​​
 現代を生きている人間にとって、あるいは現代社会にとって科学とは何かという方向に、純粋科学の紹介から文明論的一般論に著者の関心が変化するのは年老いた科学者のパターンの一つです。
 たとえば、日本人初のノーベル賞の物理学者湯川秀樹の自伝風回想記「旅人」(角川ソフィア文庫)や、世界の数学者からその才能を注目された天才数学者岡潔の名随筆集「春宵十話」(光文社文庫)などがその例で、読めば面白いですが専門の理論物理学や数学の話というより、人生論や文明論というべき著作です。​​​​

​​​ 少しづつつまみ食いのように池内了の著書に接してきたぼくは著者の関心が変わってきたのだろうか、という興味もあって「娘と話す原発って何?」(現代企画室)という本を手にしました。
 ​どうもちがうようですね。池内さんは年を取ってのんびりと世界を傍観しながら、毒にも薬にもならないような戯言を弄するようなスタイルの科学者ではないことが、例えばこの一冊をお読みになればでわかると思います。
 お断りしておきますが、もちろん、湯川秀樹岡潔の著作もそんな本ではありません。
​ さて、この本の後書きにはこんなふうに記されています。

 阪神大震災が起こって以来、これから50年先の世の中はどうなるだろうと考えるようになった。地下資源に依存した近代の科学・技術文明の脆弱さと負の遺産を未来世代に押し付ける無責任さを痛感するようになったからだ。
 無論50年先に私という人間は存在しない。しかし今なにがしかのことを言い残しておかなければならないと追い立てられるような気持ちとなった。
 50年先には、資源枯渇が露わになり、資源確保のための世界戦争が起こるかもしれない。悪化した環境からの復讐で、飢餓・疫病・気候変動などによる人類の大量死を迎える可能性もある。
​ それらの事態を想像すれば、現在から手を打っておかねばならない。「わが亡き後に洪水よ来れ」ではあんまり無責任すぎるではないか。少なくとも、浪費に明け暮れ、負の遺産だけを残している世代においても、未来を想像して警告を発する人間がいた、それがせめてもの償いになるのではないか、と大げさに考えたのだ。​
​ これは、ときどき見かけますが、死んだあとのことなど知らないとふんぞり返った傍観者の老人の態度ではありませんね。
 本書では現代社会における原子力発電の基本原理に始まり、原発の仕組み、放射能・放射線などの原子力に関する基礎的事項の解説、原発の抱えている問題点と現代文明とのかかわりにわたって、ことばどおり懇切丁寧でわかりやすく解説がなされています。
 若く無知で善良な人々に対して科学的事実を伝えなければならないという誠実な態度で一貫しています。決して反対のための言いがかり的な批判ではありません。
 東北大震災と原発事故に対して科学者の感じたショックが、未来を人間のためにより良く変えようとする科学本来の真摯な思想を突き動かして本書を書かせたことがよくわかります。
​ そのうえ、その丁寧さの中には原子力発電の安全神話を振りまいてきた人たちや制度のエゴイズム、事故に対する政府や東電の無責任さにたいする憤りがにじんでいます。​
 彼が何故、憤っているのか、考えることこそ大切なことのようにぼくには思えました。彼のこれからの発言や行動はまだまだ注目に値すると思います。(S)

追記
​​ 池内さんは姫路の出身の方。ドイツ文学の池内紀はお兄さん。何の関係もありませんが、兵庫県の住人としては、何となくうれしい。お兄さんの方は、神戸大学のドイツ語の先生だったこともあるようですし。
追記2020・05・10
 池内紀さんが昨年亡くなってしまいました。残念です。弟の池内了さんの仕事はアカデミズムの軍事研究批判に焦点が絞られているようです。​​『科学者と戦争』(岩波新書 2016年)に続いて、​​『科学者と軍事研究』(岩波新書 2017年)も出ています。いずれ案内するつもりですが・・・。​


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最終更新日  2023.10.04 21:37:56
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