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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.10.15
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​​​​​​​​​​​​​​​​​川上未映子・村上春樹「みみずくは黄昏に飛びたつ」(新潮社)(その2)
 ​さて、いよいよ「地下二階」です。​一晩たって、考えたことなんですが、村上春樹さんが、どんな風に考えて小説を書いているのかなんて、小説を読む人にはどうでもいいことかもしれませんね。
 でも、、たとえばインタビューしている川上未映子さんのような若い小説家と、村上春樹はどこが違うのかというふうな疑問は大切なことのように思えるのです。ヤッパリ、何かが違いますね。それがこういう所に出て来るんじゃないでしょうか。
村上 で、ぼくは思うんだけど、集合的無意識が取引されるのは、古代的なスペースにおいてなんです。​
川上 古代的なスペース
村上 古代、あるいはもっと前かもしれない。ぼくが「古代的スペース」ということでいつも思い浮かべるのは、洞窟の奥でストーリーテリングしている語り部です。原始時代、みんな洞窟の中で共同生活を送っている。日が暮れると、外は暗くて怖い獣なんかがいるから、みんな中にこもって焚火を囲んでいる。寒くてひもじくて心細くて…‥、そういうときに、語り手がでてくるんです。すごく話が面白い人で、みんなその話に引き込まれて、悲しくなったり、わくわくしたり、おかしくて声をあげてしまったりして、ひもじさとか恐怖とか寒さとかつい忘れてしまいます。
 ぼくはストーリーテラーってそういうものだと思う。僕に前世があるのかどうか知らないけど、たぶん大昔は「村上、お前ちょっと話してみろよ」って言われて、「じゃ、話します。」みたいな(笑)きっと話していてウケて、「続きどうなるんだよ」「続きは明日話します」といった感じでやってたんじゃないかなというイメージが、僕のなかにあるんです。コンピューターの前に座っていても、古代、あるいは原始時代の、そういう集合的無意識みたいなものとじかにつながっていると、ぼくは常に感じています。だから、みんな待ってるんだから、一日十枚はきちんと書こうぜ、みたいな気持ちはすごくある。で、自分の前で聞き耳を立てているいる人たちの顔を見ている限り、自分は決して間違った物語を語っていないという確信は持てます。そういうのは顔を見ればわかるんです。
川上 それは、自分自身の顔ではなくて、聞いている人たちの顔?
​​村上 うん、まわりにいる人たちの顔を見てればわかる。そいう手ごたえが必ずある。で、それを利用しようとさえ思わなければ、それは「悪しき物語」にならない。​​
​​​​​​​ 二人の白熱した会話は続きますが、これくらいでいかがでしょう。村上春樹「地下二階」「集合的無意識」と、川上さんのそれとの違いが「誰に語り掛けているのか」という問いの答えとしてはっきり表れていますね。​​​
​ おそらく川上さんが見落としているのは「古代」と、わざわざ、村上さんが断ってい語っていることの意味ではないでしょうか。それは、ただの洞窟ではないし、語るのが恥ずかしい「私の洞窟」などではもちろんないことです。それが「村上春樹の地下二階」というわけです。​
​​​ これこそが、村上の作品の「世界同時性」を支えている可能性がありますが、どうなんでしょうね。本人は否定的なようですが、「風の歌を聴け」の最初から、「今」という時代や社会に揺らがない場所としての「地下二階」を描こうとしていたのではないでしょうか。そして、たどり着いたのが「古代」の語り部のいる洞窟だったのかもしれないとぼくは思います。​​​
 最後になりますが、初期の作品をめぐって、面白い会話があります。ちょっと長くなりますが、引用しますね。​​
​​​​​​​​​​​​​​​川上 初期三部作の頃に書けなかったものって、今でもよく覚えてますか?
村上 とても単純なことだけど、たとえば三人で会話するっていうのが、何故かうまく書けなかったんです。ブロックされていた。
川上 それが「ノルウェイの森」で出来るようになったという。有名な話。
村上 そう。「ノルウェイの森」で初めてそれができた。たしかにそうだったと思うな。二人で話すのはできるんだけど、三人で話すのはできなかった。
川上 主人公に名前がなかったし。
村上 そうですね。登場人物が名前を持っていないと、三人で話すのはすごく難しい。そして登場人物にうまく名前が付けられなかった。だから、職のぼくの小説って、必ず一対一の会話なんですよね。それから大きなアクションを伴うシーンとか、そういうのも難しかった。
川上 アクションも難しかった?
村上 うん。あと、セクシャルなシーンを描くのも難しかったような気がする。
川上 本当ですか?
村上 たとえば「羊をめぐる冒険」とかって、そういう描写はほとんど出てこないですよね。
川上 確かに、「我々は性交した」ぐらいですね。
村上 で、「ノルウェイの森」でそのあたりを一生懸命書こうかなと。
川上 一生懸命書いて、三人で会話もして。
​​村上 いやあ、もう嫌だな。恥ずかしいなと思いながら、がんばってセックスシーンをいっぱい書きました。一回書いてしまうと気が楽になって、それからは「村上はエロ作家だ」とか言われるようにまでなってしまった。今でもほんとは恥ずかしいんだけど。​​​​​​​​​​​​​​​​
​​​​​​ ね、おもしろいでしょ。最近の村上作品について、​
​​「性愛シーンの頻繁さに辟易する。」​​
 ​​​​​​という、高齢の読者も知人にいらっしゃいますが、この話は笑えるでしょ。今時、20代30代の方で​性愛​とかいう人いませんが、70歳を越えた人が文学とかについて語ると、思わず出てくるので、
​​​えっ?​​​
​​ て、笑ってしまうのですが、本論とは関係ありません(笑)。
 でも、70代って、村上と同級生ぐらいの年齢だったりするんですよね。そのあたりに大事なことがあるとも思うんですね。​​​​

​ ともあれ、案内としては「地下二階」にこだわりましたが、村上ワールドに関心のある人は、お読みになって損はないでしょう。​
​ 全く触れていませんが、「騎士団長殺し」(新潮文庫)販促イベントのような面もあるインタビューなわけで、そのあたりも結構語っていますからね。まあ、読みではあると思います。​

​​​​​​​​​​​
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最終更新日  2023.05.23 01:40:50
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