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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.04.24
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​​​ジョン・ネイスン「ニッポン放浪記」(岩波書店)

​​ ​大江健三郎​​柄谷行人​大江健三郎柄谷行人全対話 」(講談社)という対談集を読んでいて、この方のお名前が気になりました。ジョン・ネイスンです。対談の中では大江「個人的な体験」英訳者として名前が出てきたのですが、後半ではなんとなくお茶を濁している様子で、具体的には話されていませんでした。​​​​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​大江健三郎​という作家が、批評家や文学者たちに対して「絶交」を宣言するというような、独特の対応をすることがうわさされる時期があったことが思い浮かび、二人の口の濁し方に興味を惹かれました。
​というわけで、図書館で借りだして読み始めました。​ジョン・ネイスン「ニッポン放浪記」(岩波書店)​です。
 ​ニュー・ヨークから10歳で引っ越したアリゾナの田舎町の少年時代の生い立ちに始まり、ハーバード大学での​エドウィン・ライシャワー​との出会い。1960代初頭の日本留学。日本人女性との恋と結婚と破局。​「午後の曳航」​を翻訳しながら関係を絶った​三島由紀夫​​「個人的な体験」​を翻訳して、おそらく大江文学の英語圏での最初の紹介者になり、その後ノーベル賞受賞後には​「新しい人よ目覚めよ」​を翻訳し、友人としてもかなり深い関係がありながら、後に絶交された​大江健三郎​。ほかにも​阿部公房、北杜夫​との出会いや交友のエピソード。​勝新太郎​を撮ったキュメンタリー映画製作の思い出。最後は​漱石​​「明暗」​の翻訳と​水村美苗​との出会い。
戦後文学の現場に飛び込んできた、1940年生まれの若きアメリカ人「ニッポン」「映画」に憑りつかれた波乱万丈な60年のエピソードを書き記した回想録でした。
「日本通」の学者、翻訳家としては1910年生まれ​ライシャワー​や、1920年生まれ​ドナルド・キーン​の次世代を担うはずの人だったと思います。実際、プリンストンやカリフォルニア大学で日本文学を講じてもいたようなのですが、しかし、映画と事業にのめり込んだ後半生の姿は、いわば、しっちゃかめっちゃかな「破滅型」という趣で、読むには面白いのですが、

​​御本人は大変だったでしょうね!

​​ というのが一番、率直な感想でした。。現在80歳、日本文学への、今、一度の愛を語って回想を終えています。
 ここまでがこの本の総論です。少し付け加えますが、最初に興味を持っていた​大江健三郎​との関係については、案の定、​「新しい人よ目覚めよ」​を翻訳後、絶交され、その理由の不可解さにネイスン自身は苦しんでいるという記述がありました。納得です。
 ところで、それとは別に、この本をぼくが「案内」しようと思った理由が、読みながら生まれていました。それは、アメリカ人初の東大生になった​ジョン・ネイスン​が、東大の国文学の大学院で一人の友人と出会うエピソードでした。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

​ ひとりだけ友人ができた。彼自身もはみ出し者だった。やがて私の人生で重要な意味をもつようになる男、野口武彦だ。国文学科の博士課程に入学を認められた数少ない学生の一人で、早稲田の学部生だった時に学生運動のリーダーとして機動隊とやりあったことがある。野口についてはそれくらいしか知らなかったが、実際に会ってみると、政治運動の声高な活動家だったとは想像できない。柔和でしなやかでクールで、どこか両性具有的な格好良さを身にまとっていた。​
​ ​​​​ジョン・ネイスン野口武彦氏との交友のさわり部分です。ぼくは本書を読みながら、ネイスンの記述がこの部分にさしかかった時に、思わず
​​「あっ!」​​
​ と声をあげてしまったのです。​
 ​​​
​​​​​何をそんなに驚いているのかと尋ねられそうですね。
 この出会いの十年の後に野口武彦氏神戸大学の教員を務めながら、ジョン・ネイスンMishima: A Biographyを、友情の証であるかのように『三島由紀夫―ある評伝』(新潮社)として翻訳・上辞することが本書には記されています。
 ​​​​​
​ぼくは、その本の翻訳、出版、そして絶版騒ぎのころには
​​「柔和でしなやかでクールで、どこか両性具有的な格好良いい」​​
 ​と評されている先生の教室に、生意気に煙草なんぞを咥えながら、空っぽの頭を恥ずかしがりもせず座ってボンヤリしていたバカ学生だっただけにとどまらず、その後の数十年間、何の取柄もないバカ弟子としお付き合いが続いているという、まあ、ボクにとっては生涯の師であるわけで、驚かないではいられないエピソードだったのでした(笑)。
 ​
​​​​​​若き日の野口武彦氏の、いや、ぼくにとっては野口先生のポートレイト、一瞬の肖像を鮮やかに描いたジョン・ネイスンの一連の記述は、60年代の文学的な青春の記録として、どなたがお読みになっても文字通り爽やかですが、個人的には何とも云い難い思いに駆られる文章でした。こんな、読書体験というものは、そうあることではないのです。​​
追記2020・04・24
大江健三郎・柄谷行人「全対話」(講談社)の感想はこちらをクリックしてください。
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最終更新日  2023.06.03 02:24:33
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