1464678 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゴジラ老人シマクマ君の日々

ゴジラ老人シマクマ君の日々

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

シマクマ君

シマクマ君

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

読書案内「日本語・教育」

(24)

週刊マンガ便「コミック」

(86)

演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝

(33)

徘徊日記「日帰りでお出かけ」

(58)

演劇「劇場」でお昼寝

(2)

映画「元町映画館」でお昼寝

(105)

映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝

(15)

映画「シネリーブル神戸」でお昼寝

(110)

読書案内「映画館で出会った本」

(16)

読書案内「翻訳小説・詩・他」

(46)

読書案内「漱石・鴎外・露伴・龍之介・百閒・その他」

(19)

徘徊日記「垂水・舞子・明石」あたり

(48)

読書案内 「医者や科学者の仕事、まあ科学一般」

(23)

読書案内「現代の作家」

(101)

徘徊日記「お泊りでお出かけ」

(63)

徘徊日記「神戸・元町・三宮」あたり

(83)

読書案内「絵本・児童文学」=チビラ君たちへ

(45)

読書案内「社会・歴史・哲学・思想」

(66)

読書案内 「芸術:音楽・美術・写真・装幀 他」

(30)

読書案内「近・現代詩歌」

(46)

徘徊「港めぐり」

(4)

バカ猫 百態

(21)

読書案内「橋本治・加藤典洋・内田樹・高橋源一郎・他」

(17)

読書案内「水俣・沖縄・アフガニスタン 石牟礼道子・渡辺京二・中村哲 他」

(20)

読書案内「鶴見俊輔・黒川創・岡部伊都子・小田実 べ平連・思想の科学あたり」

(15)

映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

(3)

映画「こたつシネマ」でお昼寝

(16)

映画「パルシネマ」でお昼寝

(47)

読書案内「昭和の文学」

(19)

読書案内「BookCoverChallenge」2020・05

(27)

読書案内「くいしんぼう」

(9)

映画「Cinema Kobe」でお昼寝

(6)

週刊マンガ便「ちばてつや・ちばあきお」

(8)

週刊マンガ便「石塚真一・浦沢直樹・ハロルド作石」

(29)

週刊マンガ便「原泰久・鈴ノ木ユウ・野田サトル」

(31)

ベランダだより

(129)

徘徊日記 団地界隈

(107)

徘徊日記 兵庫区・長田区あたり

(24)

徘徊日記 須磨区あたり

(26)

徘徊日記 西区・北区あたり

(8)

徘徊日記 灘区・東灘区あたり

(37)

徘徊日記 美術館・博物館・Etc

(4)

週刊マンガ便「吉田秋生・高野文子・やまだ紫」

(7)

徘徊日記 芦屋・西宮あたり

(7)

読書案内「大江健三郎・井上ひさし・開高健 他」

(12)

読書案内「古井由吉・後藤明生・他 内向の世代あたり」

(3)

読書案内「谷川俊太郎・茨木のり子・大岡信 あたり」

(18)

読書案内「啄木・白秋・晶子 あたり」

(4)

読書案内「丸谷才一・和田誠・池澤夏樹」

(9)

読書案内「吉本隆明・鮎川信夫・黒田三郎・荒地あたり」

(11)

週刊マンガ便 「松本大洋」・「山川直人」

(13)

読書案内「リービ英雄・多和田葉子・カズオイシグロ」国境を越えて

(5)

読書案内「村上春樹・川上未映子」

(10)

映画 パレスチナ・中東の監督

(5)

読書案内「近代詩 賢治・中也・光太郎 あたり」

(7)

映画 韓国の監督 イ・チャンドン ホン・サンス 他

(21)

映画「香港」「中国」「台湾」の監督

(27)

映画 アニメーション

(13)

映画 日本の監督 ア行・カ行・サ行 是枝・黒沢

(44)

映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭

(23)

映画 日本の監督 マ行・ヤ行・ラ行・ワ行

(11)

映画 イギリス・アイルランド・アイスランドの監督

(31)

映画 イタリアの監督

(18)

映画 ドイツ・ポーランド他の監督

(13)

映画 ソビエト・ロシアの監督

(5)

映画 アメリカの監督

(74)

震災をめぐって 東北・神戸・原発

(5)

読書案内「旅行・冒険」

(3)

読書案内「本・読書・書評・図書館・古本屋」

(10)

映画 オーストラリア・ニュージーランドの監督

(4)

映画 フランスの監督

(40)

映画 スペイン・ポルトガルの監督

(10)

映画 カナダの監督

(3)

映画 グルジア(ジョージア)の監督

(9)

映画 ウクライナ・リトアニアの監督

(6)

映画 イスラエルの監督

(2)

映画 マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、スロベニアの監督

(2)

映画 オランダ・デンマーク・ベルギーの監督

(7)

映画 フィンランド・スウェーデン・ノルウェイの監督

(5)

映画 トルコ・イランの映画監督

(7)

映画 ギリシアの監督

(2)

映画 アルゼンチン・ブラジルの監督

(2)

映画 ハンガリーの監督

(4)

映画 セネガルの監督

(1)

映画 スイス・オーストリアの監督

(3)

読書案内 戯曲 シナリオ 劇作家

(1)

読書案内 ジブリの本とマンガ

(5)

日記/記事の投稿

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2020.07.15
XML
​​青谷真未「読書嫌いのための図書室案内」(早川文庫)



 久しぶりに若者向けのエンターテインメントを読みました。こういう装丁の本は手に取るだけで照れますね。
 ありそうで、なさそうな(笑)お話しでしたが、きちんと引っぱり込まれました。最近読んでいる「北村薫」「円紫さんシリーズ」に、少し似ていると思いましたが、学校が舞台だからでしょうか。
 書名が、いかにも教員が喜びそうなのですが、文章には教員の空気はありません。もっと若い作家の手による印象です。そこは北村の作品との違いですね。
 書名から予想したのは、あれこれ作品名が出てくる、何というか、高校生向け「カタログ小説」かなというわけで、ここはひとつ出てくる作品をチェックしようとポスト・イットを用意して読み始めました。紹介されている本で若い人の読書傾向が知りたいし、ついでにその一覧でこの小説の案内がかけそうだというセコイ目論見でした。
 小説は高等学校の図書委員会のシーから始まりました。司書の先生が質問して、図書委員の諸君が好きな本の名前を、次々と口にします。よしよし、目論見通りというスタートでしたが、結果的にはポスト・イットは不要でした。
 話題になった作品は森鴎外「舞姫」ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」安部公房「赤い繭」、それから「源氏物語」が少々というところでした。
 読み終えてみると、出てきたのは定番中の定番という作品ばかりで、中学校と高校の教科書採択作品という「誰でも知っている」ダメ押し付きでした。目論見は見事に外れましたね。
 鴎外「舞姫」「源氏物語」は言うまでもなく、高校の教科書の定番です。ヘッセの作品は中学の教科書に採用されているようですし、「赤い繭」は高校で教科書によっては入っているという、短い作品です。
​ まあ、そうは言うものの、それぞれの作品に対する「読み」が面白い小説ですね。物語の本筋は「血まみれの女子高校生が生物教室に夜な夜な現れる」という、いわゆる​「学校の怪談」​ものと言っていいお話しです。​
​​​ 「活字中毒」の少女、藤生蛍さんと、「共感覚」というちょっと変わった能力の持ち主で、そのために「活字嫌い」になっているらしい少年、荒坂浩二君という高校二年生コンビが、安部公房ヘッセの作品の「読み」と格闘しながら「血まみれの少女」の謎を解くというストーリーなのですが、こう書いても、それらの作品と「謎」に何のつながりがあるのかわかりませんね。​​​
​ 作中で話題になる二つの小説に共通しているのは「繭」です。ヘッセの作品は蝶の採集をめぐる話で、「赤い繭」は文字通り「繭」のお話しですが、もう一つ、この作品には「繭」が出てきます。それは生物教室の陳列棚にある標本です。
 というわけで、生物の樋崎先生が三人目の人物として登場します。彼が「謎」の発信源の役割を担う役割なのですが、これ以上はネタバレになりますね。​

 具体的な展開についてはこれ以上は書きません。作品はミステリー仕立てですが、むしろ「ボーイ・ミーツ・ガール」の展開の中で、本嫌いの少年が「本を読む」ことに熱中していくプロセスが、元教員の老人には面白かったということです。
​ ちょっと話は外れますが、主人公​藤生蛍さん​の「書痴」ぶりは、高校生ではちょっと考えられないスーパー「活字中毒」患者という印象ですが、お話しの中に「谷崎源氏」の文庫版全​5巻を三日で読破したもう一人の女子高校生が登場する件があります。

 この本ですね。​谷崎潤一郎​「新・新訳源氏物語」(中公文庫版・全
5巻)は一巻500ページを超える大冊です。その上、訳文は「舞姫」以上に「古文」なのです。
 その文体についてはともかく、どんな時代のどんな読書家であっても、これを三日で読み終えることは
99%あり得ないなと、ぼくは感じました。
 まあ、浪人の頃に手を付けて一ヶ月かかった元教員のヤッカミかもしれませんが、「ありそうでなさそう」と思わず笑ってしまった所以です。
 かつて、数年間高校の図書館長を経験しましたが、この本に手を付けた高校生は一人だけでした。もっとも、彼女も一巻でギブアップしましたがね。
 この作品のプロットを貶しているわけではありません。ただ、​谷崎源氏​は傑作だと思いますが、読み終えるには時間も辞書も、ついでに覚悟も必要だということが言い添えたかっただけです。
 ああ、それから「共感覚」については、読めばわかりますが、ある文字を見ると色が浮かぶとか、音が重なるとかいう感覚ですね。よく知りませんでしたが「ロリータ」ナボコフとか、物理学者のリチャード・ファインマンとかがそうだったようですが、調べていて二人の名前に出会って、いたく納得しました。
 というわけで「若向き本」体験記でした。


PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
ボタン押してね!





ゴジラブログ - にほんブログ村​​






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020.12.02 17:46:08
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.