365537 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゴジラ老人シマクマ君の日々

PR

X

プロフィール


シマクマ君

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

読書案内「日本語とか日本文学とかベンキョーして、先生になりたい皆さんへ」

(16)

読書案内「コミック」

(78)

演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝

(17)

徘徊「日帰りでお出かけ」

(37)

徘徊「須磨・ 板宿・長田・兵庫」あたり

(20)

演劇「劇場」でお昼寝

(1)

映画「元町映画館」でお昼寝

(80)

映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝

(13)

映画「シネリーブル神戸」でお昼寝

(84)

読書案内「映画館で出会った本」

(13)

読書案内「翻訳小説・詩・他」

(21)

読書案内「漱石」その作品・その時代の人々・批評

(14)

読書案内 忘れられない人や出来事

(6)

徘徊「垂水・舞子・明石」あたり

(40)

徘徊「団地・ベランダ」あたり

(64)

読書案内 「医者や科学者の仕事、まあ科学一般」

(14)

読書案内「現代の作家」

(64)

徘徊「お泊りでお出かけ」

(27)

徘徊「神戸・元町・三宮」あたり

(17)

読書案内「絵本・児童文学」=チビラ君たちへ

(30)

読書案内「社会・歴史・哲学・思想」

(34)

読書案内 「芸術:音楽・美術・他」

(13)

読書案内「近・現代詩歌」

(34)

徘徊「港めぐり」

(2)

バカ猫 百態

(19)

「橋本治」の置きみやげ

(6)

「加藤典洋と内田樹」

(4)

「石牟礼道子と水俣病」

(5)

「鶴見俊輔と吉本隆明」

(10)

映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

(9)

映画「国際松竹」でお昼寝

(5)

映画「こたつシネマ」でお昼寝

(10)

映画「パルシネマ」でお昼寝

(34)

映画「神戸アート・ヴィレッジ」でお昼寝

(13)

読書案内「昭和の文学」

(1)

「BookCoverChallenge」2020・05

(60)

読書案内「くいしんぼう」

(4)

映画「映画館のピーチ姫」

(1)

映画「Cinema Kobeでお昼寝」

(2)

日記/記事の投稿

コメント新着

めんくい@ Re:徘徊 2021年 1月上旬「冬のベランダ」(01/11) 「おこわ」みっともないことないですよ。 …
シマクマ君@ Re[1]:野村芳太郎「砂の器」こたつシネマ(01/13) めんくいさんへ コメントありがとうござ…
めんくい@ Re:野村芳太郎「砂の器」こたつシネマ(01/13) この映画大好きです。DVDはもちろん、…
シマクマ君@ Re[1]:徘徊 2020年 12月31日 わが街(12/31) めんくいさんへ  コメントありがとうござ…
めんくい@ Re:徘徊 2020年 12月31日 わが街(12/31) そうなんですよ。朝霧堂さんは餅を求める…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2020.12.08
XML
​週刊 読書案内田中優子「江戸から見ると(2)」(青土社)​


​ 江戸文化の、若き研究者だった田中優子さん「江戸の想像力」(筑摩書房・ちくま学芸文庫)を引っさげて、さっそうと登場したことを、1980年代の半ばだったと思いますが、つい昨日のことのように覚えています。そういえば、昨今ハヤリの、江戸の画家曽我蕭白もこの本で知ったのでした。​
 ほぼ、同性代の研究者であり、ぼく自身の学生時代の関心が江戸思想史だったということもあって、「江戸の音」(河出文庫)「近世アジア漂流」(朝日文庫)と立てつづけに発表される著作に現れた関心の幅と厚みに圧倒されながらも、今でいう、フォロワーとして「カムイ伝講義」(ちくま文庫)まで読み継いでいましたが、何となくというか、自分自身の江戸に対する関心の薄れの結果でしょうか、ここ10年、その仕事に興味を失っていました。
​​ そんな、田中優子さんですが、先日、図書館の新刊の棚で見つけたのが「江戸から見ると2」でした。​​
 著者の来歴を見ると、いつの間にか法政大学の総長とかで、
 「おやおや、これは、これは。」
 と、いったん棚に戻しかけたのですが、内容が、新聞の連載コラムということで、
 「いったいどんなことをどんなふうに語るようになっているのだろう。」
 と、その場でパラパラページをくると、一つ一つの文章が短くて、日々の某所での読書にピッタリだと思い直して借り出しました。

 読み始めてみると、上でも書きましたが、毎日新聞に連載されている時事コラムでした。話題は「沖縄」、「石牟礼道子」、「韓国、中国との外交」、「大学生の就職」、「中村哲」、「セクシャルハラスメント」、「老人介護」と多岐にわたりますが、論旨の根幹にある思想のゆらがなさ、思考の対象に対する関心の深さと広さ、何よりも口調のよさに一気読みでした。
 論旨や思考については、まあ、今や専門家の親玉なので当然ですが、歯に衣着せぬ「啖呵」まがいの気っ風のよい口調は、この人ならではではないでしょうか。
 最近、こういう「正論」をはっきり口にするコラムには、なかなか出会えないのではないでしょうか。こんなふうに言っても、よく分からないですね。

 ​一つ例を引用します。昨年の秋評判になった「主戦場」という映画について「論争型編集で見えたもの」と題して語っている文章です。​
​​「論争型編集で見えたもの」
 江戸時代、俳諧というものが盛んだった。五七五と七七を連ねていく。ある句のを前の句に続けて読んだ場合と、次の句とともに読んだ場合とでは、シーンや意味が違ってしまう。むしろその変化を楽しみ、価値を置いたのである。
 遅ればせながら映画「主戦場」を見た。アメリカ人が監督した映画だ。三〇人近い人々にインタビューし、その語っている映像を論争型に編集している。編集は時に、その本人の言おうとしていることが全体の文脈から切り離され、他の要素と組み合わされることで意味が変わってしまう場合がある。私は映画を見る前、それを懸念した。「そんな発言はしていない」と訴える人でも出てくるのは、と。しかしこの映画の論争型編集の効果はむしろ逆で、ひとりひとりの本性や考えが、言葉と表情から、明確に見えるのである。
 そして、背筋が寒くなった。日本がどこへ向かおうとしているか、それはなぜなのか、敗戦以後の岸信介内閣の始まりとともに走り出したその行く先に、その孫によって何がもたらされるのか?その孫を背中から支えているなんとかいう会議体。その会議体を中心にぐるぐる回っている「伝聞」で構成された言葉だけの幻想世界が見えてしまった。人の書いたものを読まないと断言する人や、自分では調べない人や、人権問題をちゃかす人々によって構成された言葉や論理に、もし国のトップや内閣が依存しているとしたら?
 そう、背筋が寒くなるのである。その反対に、不都合な真実であっても真剣に突き止め受け止め、そこに向き合うことを自らの生き方とする人々も見えた。私はどう生きたいか。それを問われる映画である。ちなみに私のこの文章、固有名詞も映画のテーマも書かれていない。なぜなのか。ある特定の言葉を書くと脅迫されかねない、「表現の不自由」社会になっているからだ。意味不明の方は映画を見てください。​​
​​いかがでしょうか、まあ、考え方にはいろいろあるでしょうが、ぼくは「背筋が寒くなった」と言い切っているのを読んで、胸がスッとしました。田中優子健在ですね。​​
 今も、このコラムが新聞紙上で続いているのかどうか知りませんが、最近のコロナ対策の迷走ぶりや、学術会議への弾圧事件に、どんなことをおっしゃっているのか、興味津々ですが、そういえば、トップに立った、元苦学生(?)の政治家についての話題も、この本に所収されている2019年の段階で、すでに、バッサリだったような気もします。一度に二つ、三つ読んで、ちょっと気が晴れる読書に最適でした。


​​​​​PVアクセスランキング にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
​ボタン押してね!​

にほんブログ村 本ブログへ
​ボタン押してね!​





ゴジラブログ - にほんブログ村​​


​​​​​​






最終更新日  2020.12.08 13:12:09
コメント(0) | コメントを書く
[読書案内「社会・歴史・哲学・思想」] カテゴリの最新記事



Copyright (c) 1997-2021 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.