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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.12.27
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​​​100days100bookcovers no41 41日目
​​大岡昇平「成城だより」(文藝春秋社)​
​​​ ERIKOさんが紹介された本の著者、出久根達郎という名前を見て、ぼくの中では、次に来るのは、もう「月島」しかありませんでした。​​​
​​ SODEOKAさんがお住みになっている、この「月島」という地名は、学生の頃からのあこがれの場所でした。​​​
​​橋という橋は何のためにあつたか?
少年が欄干に手をかけ身をのりだして
悲しみがあれば流すためにあつた​​
​​ ​​詩人吉本隆明の詩、「佃渡しで」の一節です。17歳か18歳の頃、この詩人の作品と出会いました。それ以来、この詩人は、彼が自分の父親と、ほぼ、同い年だと気づく二十代の半ばまで、まあ、神様でした。​​​
 というわけで、今回は吉本隆明といけばいいようなものなのですが、いや、ちょっと待てよ、戦後、​達郎少年​が丁稚奉公することになる古本屋の店先で本を探している、昭和十五年頃の隆明少年というのも、たしかに悪くない。しかし、その二十年ほど前に、おそらくは、俯きながら店先を通り過ぎ、渡し舟か、橋の上で涙を流した少年がいたんじゃなかったか。まずはそこからの方が面白そうだ。​
​​ ​​「門を出ると涙が溢れて来た。私はよそ行きの行灯袴を穿いていたが、迸った涙はその末広がりの裾にさわらずに、じかに前方の地面に届いた。(私は涙もろい性質であるが、こういう泣き方をしたのは、この時と十年後弟保が死んだときだけである。)」​大岡昇平「少年」​​​
​​ ​​​「少年」​という自伝的な作品の中で、​大正9年​当時、​10歳​​だった少年の姿を振り返っているのは、執筆当時​64歳​の作家​大岡昇平​です。​​
​​​​​「私はそのような卑しい母から生まれたことを情けなく思った。暮れかかる月島の町工場の並ぶ埃っぽい通りを、涙をぽたぽたたれ流しながら歩いている、小学生の帽子をかぶった自分の姿は、いま思い出しても悲しくなる。」​​
​​ この時、​府立1中​の入試に失敗し、​青山学院中学​への進学が決まった​10歳の少年​が知ったのは、結婚するまでの​「芸妓」​であったという秘密でした。
​​ この日、遊びに行った​「月島」​​伯母​は国会議員の​「お妾」​であり、​祖母​​「置き屋」​の女主人であったことが​「少年」​には描かれていますが、そのあたりに興味を感じられた方は、作品を手に取っていただくほかはありません。​​​
​​ ついでですが、一見、硬派に見える​「大岡昇平の文学」​には、この​「母」の発見​の悲しみを越えて、同じ人間である​「母」との邂逅​という主題が底流していたことを、筑摩書房版​「大岡昇平全集11」​に所収された批評家​加藤典洋​​「降りて来る光」​という解説が見事に読み解いていることを付け加えておきたいと思います。​​
​​ ぼくが​「月島」​という地名を聞いて、​大岡昇平​を思い浮かべたのは、その評論の幽かな記憶によるものだったと思います。​​
​​​ で、​「少年」​という作品の紹介で話は終わりそうなものですが、大作​「レイテ戦記」​がそうであるように​「少年」​という作品は読み辛いという、初読の記憶がぼくにはあります。というわけで、なんとなく紹介がためらわれます。​​​
​​ そこで、
​「そうだ!」​​
​ と思い当たったのが、最近、​中公文庫​で復刊された​「成城だより(全3巻)」(文藝春秋社・講談社文芸文庫・中公文庫)​です。​​
 何故、今、復刊されたのかの出版事情は知りませんし、文庫版を手にとってもいないのですが、これならおススメしても大丈夫。というセレクトで落ち着きました。
​ ​1980年​、今から40年前の​「作家の日記」​です。発表当時、署名入り「匿名批評」と呼ばれ、​71歳の老作家​の旺盛な好奇心、博覧強記と徹底した「ファクトチェック」ぶり​が評判になりました。​
​​1980・9月18日 木曜日 曇
 やや冷。やっと息を吐く。乱歩賞受賞作品『猿丸幻視行』を読む。タイム逆行剤を飲み、折口信夫先生になり替わりて、猿丸太夫=人丸説を探索す。作者の断られる如く梅原猛『水底の歌』を参看す。文章セリフ荒く、折口先生のイメージと一致せざる恨みあり。  
 女が男の耳をつかみて支配する場面、二度出てくる。これは「トリスタンとイズ―」の原型物語にある魔法にて、後に媚薬に変わる。作者意識しありや。(以下略)


1980・9月22日 月曜日 曇

 周辺映画館に味をしめ、自由が丘推理劇場に行く。ヴィスコンティ「イノセント」。上流者機影が流行、スノビズムに迎合か。退屈とエロチスムとソフィストケイトされたダイヤローグの即物的描出。悪くなし。ただし悪党だが憎めない立役のメロドラマ的自殺はいただけない。「アリア・ブラウンの結婚」の方、はるかに面白し。(以下略)​​​

​ まあ、こんな調子なのですが、みなさん、映画の話とか、続きが読みたいと思いませんか。
 社会事象に対する辛辣で、戦争体験者の矜持にみちた発言も​「読みどころ」​、いや​「聴きどころ」​だと思います。決して、昭和の老人の繰り言ではないところがさすがです。
​ 二十代のぼくにとって、​吉本隆明​と並んで、もう一人の神様だった人が最後に残していった仕事です。乞うご一読。​
 というわけで、​YAMAMOTOさん​お次をよろしく。(2020・09・21・T・SIMAKUMA)
​​​​​​​​​​​追記2022・07・22
 上の投稿で話題に出した吉本隆明、大岡昇平、そして加藤典洋という3人が3人とも「戦後」という時代を生きた人でした。それぞれが、あの戦争について、戦前の国家体制について、生涯かけて考え抜いた人といっていいでしょう。吉本隆明は皇国少年としての敗戦体験、大岡昇平は飢餓の戦場の兵士として、敗戦後の俘虜としての戦争体験、加藤典洋は特高刑事の子としての葛藤、世代はずれていますし、体験もそれぞれ違うのですが、「まともな考え方」ということが、どこから生まれてくるのかを教えてくれた人たちです。​​​​​​
 2000年あたりが転機でだったのでしょうか、彼らが書き残した「まともな考え方」に対して、軽佻浮薄さがただ事ではないと感じる政治的発言が大手を振り始め、その代表者のような人が銃で撃たれ、税金を使って葬儀をするという素っ頓狂な事態が勃発しています。開いた口が塞がらないとはこういう事態との遭遇の場合をいうのでしょうね。
 まあ、詠嘆してもしようがないので、ここで取り上げた3人をはじめ、ぼくが「まともな考え方」の人だと、思う人の著作を一冊づつ案内していくほかありませんね。「まともな考え方」など、もう、誰も振り返らない時代が始まっているのかもしれませんが、老いの遠吠え(笑)ですね。さて、何冊案内できるのか、まあ、どうせヒマですしね(笑)。
​​

​​​​​ 追記2024・02・16
 ​100days100bookcoversChallengeの投稿記事を ​​​100days 100bookcovers Challenge備忘録 ​(1日目~10日目)​​ (11日目~20日目) ​​​(21日目~30日目) ​​​(31日目~40日目) (41日目~50日目) ​​(51日目~60日目))いう形でまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと​備忘録が開きます。​​​​​​

 追記
 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​

 


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最終更新日  2024.02.24 15:30:22
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