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2021.01.14
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100days100bookcovers no42 42日目
大川 渉・平岡海人・宮前 栄『下町酒場巡礼』(四谷ラウンド)

​​ 40日目、DEGUTIさん『謎の女 幽蘭 -古本屋「芳雅堂」の探索帳よりー』(出久根達郎)を紹介。東京杉並区内の古本屋を舞台に本荘幽蘭という謎の女を探る話が興味深く、私も本を借りて一気に読了。41日目、SIMAKUMAさんが「月島」をキーワードに『成城だより』(大岡昇平)をピックアップ、大岡昇平の自伝的な作品を選ばれました。

​​――私はそのような卑しい母から生まれたことを情けなく思った。暮れかかる月島の町工場の並ぶ埃っぽい通りを、涙をぽたぽたたれ流しながら歩いている、小学生の帽子をかぶった自分の姿は、いま思い出しても悲しくなる。――​​​(「成城だより」)​

 ひとしきり月島や佃の昔ながらの風景をみんなで語った後、「人それぞれに『そういうこと』が好き、っていうことがある」というKOBAYASIのコメントから、文学や文学の周縁の話になりました。本格的に文学を追究されるSIMAKUMAさん、エンタメが好きなSODEOKAさん(エンタメだけではありませんが)、KOBAYASIDEGUTIさんもそれぞれ自分の好きな作家や作品の世界を大事にし、楽しんでいる。
 文学って懐が深く、芸能や映画、自然科学から社会科学も、時には迷走している政治まで絡んでいる。だって対象が人間なんですから。本当に、個々人それぞれの好みや方向性があるのだけれど、わたしの「なんちゃってブンガク」もありなのかも?なんて思ってしまいました。
​ ちょうどそんなやり取りがFBでなされていた期間、私は「文藝春秋」で今回の芥川賞をお風呂で読みながら(なんと失礼な!?)、別役実『けものづくし』出久根達郎『謎の女 幽蘭』ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(これは図書館で予約したけど全然回ってこないので、ついに購入)を読んでいました。そして、同時進行で夜寝る前に読んでいたが、『下町酒場巡礼』だったんです。前のお二人が紹介された作品世界に繋がっているのでは、ということで、これに決まり!
 古本屋(姫路の「書肆風羅堂」)で少し前に購入したもの。発行は1998年でそんなに古くないけれど、紹介されている下町酒場はぐっと歴史を感じさせる。まず冒頭の​「はじめに」​から、下町酒場の虜になった著者のことばを紹介します。

​​――暖簾をくぐるのは、盛り場のはずれ、商店街の一角や路地でぽつんと赤ちょうちんを灯す小さな店がほとんどだ。人々がほろ苦い愛情を込めて場末と呼ぶ、裏通りの古い酒場である。…あえて今、時代遅れの酒場に出かけているのは、懐かしい場に身をおいて一献傾けたいからである。ところが、最近、こうした古い酒場が後継者難などの理由で次々と店仕舞いしている。――​​

​ 表紙の写真は「下町酒場」を代表する台東区日本堤にある「大林」。吉原のすぐ近くで、山谷の中心の泪橋交差点も目と鼻の先。この写真にわたしは一目ぼれしてしまいました。

――店に一歩踏み込んで受けた印象は「使い込まれた和竿」の美しさと優しさだ。店の真ん中にすっと立っている大黒柱と、この柱で二分されたコの字のカウンター。丸いすに四つほどあるテーブル。どれもこれも年月を経て角が丸みを帯び、くすんだ色彩を放つが、磨き抜かれて鈍く光っている。コンクリートの床にもちり一つ落ちておらず、店の隅々にまで手入れが行き届いている。――

 DEGUTIさんと一緒におおさかの釜ヶ崎に行ったこともありますね。高層ビルが建ち並ぶ冷たい印象を受ける大都会は人肌の温かさが感じられないので、どちらかというと、なんとなくディープな町、気取らない酒場に足が向くようになりました。関西ではパルシネマしんこうえんあたり。ミナエンのライブハウスなんかいいですね。西灘の水道筋も。
 今は耐震工事のためなくなった阪神元町駅周辺の地下飲み屋街の有楽名店街。これは長くその存在を知らなかったことが悔やまれます。初めて訪れたのが5年ほど前。「昭和の風情が残るレトロな街を存続させて」と望む常連客らが署名を添えて要望したが、貸主の阪神電鉄が閉鎖を決定している。名残を惜しんで数回通ったが、出会うのが遅すぎた。
 東京オリンピック、大阪万博と、世界から集客するために、都合の悪い町や暮らしの一掃は加速している。昔からある河川が暗渠となり、そこに川があるのを知る人がいなくなるように、名店も人情も文化も歴史も「終焉」を迫られているようだ。私ひとりがどのようにあらがっても、何にもならないかもしれないが、このような本を手に取り、あるいは実際に足を運び、グラスを傾けながら世間話をし、余情に浸りたい。
 最近のお気に入りは沖縄の栄町商店街の「モラ・カフェ」オーナーの映像作家と話をして、島尾敏雄『死の棘』を昨年ようやく読んだところ。
 文学からずいぶん距離があるかもしれないけれど、古本、懐かしいレトロな風景や昔の情緒、そして「マイワールド(今回はお酒)」ということで、このたびの選択をお許しいただけるかな?
 とはいえ、一応文学者も出てくるのですよ!八章ある章の初めすべての箇所に、文学者の酒にまつわる名文(銘文?迷文?)が置かれています。(言い訳っぽい?)

【第一章】 煮込みには焼酎が似合う
 寂しみて生けるいのちのただひとつの道づれとこそ酒をおもふに   
                           若山牧水
 華やかなネオンの灯が眩しく輝いている表通りよりも、道端の地蔵の前にろうそくや線香の火は揺れていたり、格子の嵌ったしもた家の二階の蚊帳の上に鈍い裸電球が点っているのが見えたり、時計修繕屋の仕事場のスタンドの灯が見えたりする薄暗い裏通りを、好んで歩くのだった。              織田作之助『世相』

​ 続く文学者を挙げると以下のとおり。ますます言い訳っぽい? 
​ 山之口獏『酒友列伝』、神吉拓郎『二ノ橋 柳亭』、太宰治『親友交歓』、吉田健一『呑気話』、開高健『覚悟一つ』、瀧田ゆう『ウメ割りに虹を見た』、梅崎春生『蜆』、埴谷雄高『酒と戦後派』、山口瞳『体にわるい』
​ 私自身が年齢を重ね、失われゆく昭和の風情に郷愁を覚えていることも『下町酒場巡礼』に魅かれる理由ですが、単なる郷愁でなく、ささやかな抵抗と主張なんです。
 経済は利益を追求するだけではないはずなのに(「経世済民」ていうんですから…)、強者が勝ち残り、どんどん利益を重ねていくのに対し、弱者は社会的支援も情報も届かず命も心も削られていく、そんな社会構造はおかしいと考えます。日本に住む人は、何にために生きているんだろう。幸せに生きるのが難しい国になってしまっている。「まず自助だ」というセリフが通用してしまう世の中では、未来を目指すこどもたちにも社会で生き延びるための手段を得るのが一番大事だというメッセージになってしまう。学校の中の価値観もそれが主流になっている一面があり、悲しい。生徒に寄り添う資質を持ち合わせていない教師も少なくない。(教師がエンパシーを体験する機会を失われている)ちょっと愚痴っぽくなってしまいました。スミマセン。
 お酒も食べ物も関西周辺で十分楽しめるのですが、このごろ日本各地、東京も、まだまだ知らないところがいっぱいあります。全国の下町酒場巡礼を楽しみに、元気に毎日を過ごしたいと思っています。
 SODEOKAさん、いつも私の次の号で申し訳ないです。よろしくお願いします。(N・YAMAMOTO・​​20200927​)​​


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最終更新日  2021.01.14 21:50:02
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