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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.02.06
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​​​いとうせいこう「夜を昼の国」(「夢七日・夜を昼の国」文藝春秋社 その3)​
​​​ 「夢七日・夜を昼の国」(文藝春秋社)に収められている、もうひとつの中編小説「夜を昼の国」の案内です。​​
​​ ​彼氏とのあることないことがネットに書き込まれてると気づいたのはつい昨日、もうすぐ年を越すという日の夜やった。書かれだしたら昼も夜も、何百何千とわけのわからないうわさが湧いてくるに決まっていた。​​​​
​​ 書き出しはこんな感じです。SNSの世界で生活しているかのような、現代の16歳の少女の語りですが、この少女の恋人との関係がSNS上で暴露炎上していくプロセスから、語られ始めます。​
 中でも午後十時半くらいの漢字の多い書き込みでわたしは胃袋ごと吐きそうなくらいドキッとし、それでずっと夢うつつでいられた日々からこの世に生き返ってしまったのだと思う。
「所は都の東堀。聞いて鬼門の角屋敷。瓦橋とや油屋の。一人娘におそめとて。心も花の色ざかり。年は二八の細眉に。内の子飼いの久松が。忍び忍びに寝油と」
そう書いてあった。​​
​​ ​この少女の名前は「染乃」、恋人は​​​外国籍の青年です。​​
​​​ 覚えにくい名前だったのでパパのアイデアでヒサマツて名乗ることにしてて、私だけが彼氏をヒーちゃんと言っていた。​​​
​​​​​​ そうなんです、歌舞伎や浄瑠璃で名の知られた、あのカップル「お染久松」「お染」「よみがえり」の少女の一人語りの物語というのが、この作品の骨組みなのです。​​​​
​​ もう遥か昔になるのですが、国文科の学生だった頃に「諸本の比較」という、平家物語の講読の時間があったことを思い出しますが、この作品は「染乃」ちゃんによる「お染久松」物語の諸本の比較講読の授業なわけです。​​
​​​​​​ 若い読者を喜ばせる「よみがえった」現代っ子「染乃」ちゃんのSNS暮らしの描写も、​「さすが、いとうせいこう」​と思わせますが、紀海音「お染久松袂の白しぼり」に始まり、菅専助「染模様妹背門松」、鶴屋南北「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」と続き、近松「五十年忌歌念仏」「お夏・清十郎」を参照するあたりまでやってくると、これはもうれっきとした古典文学の講義でした。はい。​​​​​​
​​​​ とどのつまり、「染乃」ちゃん「この国最恐の生霊」「たたり」を誓うに至っては、
​「皆さんお芝居なり浄瑠璃なり、なんでもいいですが、いやホント、いいものはいいってことを忘れないでくださいね!」​
とでも言っているかの結末で、いとうせいこうの祈りの言葉に聞こえてしまいますよ。​​​​
 その手の世界のお好きな方には、なかなか笑わせてくれる作品だと思いますよ、どうぞご一読を。
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最終更新日  2023.04.28 09:53:52
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