ゴジラ老人シマクマ君の日々

2024/07/23(火)21:13

アレクシス・ミシャリク「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」パルシネマno36

映画 フランスの監督(49)

​​アレクシス・ミシャリク「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」パルシネマ​  2021年の3月だったでしょうか、ナショナルシアター・ライブで「シラノ」を見ました。その時は気にしなかったのですが、今回、この映画「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」を見て、このお芝居がフランスではだれもが知っている定番というか、まあ、日本でいえば「忠臣蔵」みたいなものであるらしいと実感しました。​ ​​​ 映画は、「鼻の男」のお芝居の成立過程を、作者​エドモン・ロスタン​と大物役者​コンスタン・コクランの間で勃発する​ドタバタ事件をネタに、コメディー・フランセーズの舞台の上で芝居が出来上がっていく場に重ねて、工夫に工夫を凝らして作っているのですが、ぼくには、かえってそれが、こういうのも失礼ですが、どうもクド過ぎる気がしたのです。​​​  まあ、たとえば、我々の社会で​「忠臣蔵」​という映画や芝居についてはよく知っている人達が、芝居とそれが成立した社会の結びつきを書いた​丸谷才一さん​の​「忠臣蔵とは何か」(講談社文芸文庫)​とか、その解説を書いていらっしゃる​野口武彦さん​の​「忠臣蔵―史実の肉声」(ちくま新書)​に夢中になることを想像すれば、向こうの人には、こういう映画がウケるのだろうということは何となくわかります。わかるのですが、やっぱり「向こうの人向けなのかなあ?」という気もするわけでした。  もう一つ、向こうの人といえば気になったのは、原作にもいえることですが、​​「詩的な名文句!」​​ に女性が口説かれるというところです。 ​ マア、そんな経験をしたことがないといえばそれまでですが、古典的なお芝居というのは、「セリフの妙」ということがあるわけで、特にこのお芝居は「鼻の男」が「セリフ」で女性の心をつかむという、お話なのですから、シラケていてもしようがないのですが、根本的な何かが違っているのでしょうね、どうもピンと来ないのでした。​​ 映画の筋書きとしては、なかなか、ひねりにひねったドタバタぶりや、フランスの劇場の舞台の光景は、それはそれで面白かったのですが、まあ、題名で「Edmond」と見ただけで、映画館に行く人のようには、やはり、見ることはできなかったのだろうなということを感じた映画でした。マア、しようがないですね。​ 監督 アレクシス・ミシャリク 製作 アラン・ゴールドマン 原案 アレクシス・ミシャリク 脚本 アレクシス・ミシャリク 撮影 ジョバンニ・フィオール・コルテラッチ 美術 フランク・シュワルツ 衣装 ティエリー・ドゥレトル 編集 アニー・ダンシェ マリー・シルビ 音楽 ロマン・トルイエ キャスト トマ・ソリベレ(エドモン・ロスタン) オリビエ・グルメ(コンスタン・コクラン) マティルド・セニエ(マリア・レゴーマ) トム・レーブ(レオ・ヴォルニー) リュシー・ブジュナー(ジャンヌ) アリス・ド・ランクザン(ロズモンド) イゴール・ゴッテスマン(ジャン・コクラン) クレマンティーヌ・セラリエ(サラ・ベルナール) ドミニク・ピノン シモン・アブカリアン 2018年・112分・G・フランス・ベルギー合作 原題「Edmond」 2021・05・03-no43パルシネマno36 ​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​ ​​​​​​ ​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​ ​​​​​

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