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カテゴリ:週刊マンガ便「コミック」
魚豊「チ。 第3集」(スピリッツCOMICS)
久しぶりに魚豊の「チ。」の続きを読む気になりました。ヒマなんですね(笑)。このマンガは「顔」の区別がつけづらいのが難点ですね。それから名前が覚えられないのですが、それはマンガのせいではなくて、ぼくの年齢のせいかもしれません(笑)。 さて、第3集では第2集で登場した代闘士オクジー君が修道院の副助祭バデーニ君と出会ってあれこれ、ウロウロすることで話が進み始めました。 バデーニ君は「地動説」の完成を目指す司祭の卵という設定ですが、あんまりいい奴とも思えません。まあ、それはともかく、頭脳明晰なバデーニ君と驚異的な視力の持ち主オクジー君の活躍が3巻から5巻のお話です。 村の掲示板に、中世のヨーロッパが舞台ですから、だいたい、掲示板なんてものがあったのか、なかったのか、と、まあ、訝しむ方は読めないマンガですが、ぼくは気にしません、で、村の掲示板に「地動説クイズ」を貼って回るのが発端です。そこに新しい登場人物がやってくるという展開ですね。 その、誰も寄ってきそうにない掲示板に引き寄せらてやって来たのはこの方です。赤ずきんちゃんではありません。村の図書館の雑用係をしている、まあ、天才少女ですね。ヨレンタさんです。彼女は密かに「地動説」の謎に迫っていたのですが、なにせ「女性」であるということで、せっかく書いた論文も上司であるコルベというクソ野郎に利用されるだけに終わっている悔しい存在なわけです。その悔しさからでしょうか、この掲示板のクイズに解答するというのが新たな展開です。 上に貼った表紙にヨレンタさんと一緒に、もう一人の禿頭の人物が描かれていますが、ピヤスト伯という方です。作中の言葉でいえば「完璧な天動説の完成に生涯をささげている貴族」なのですが、この第3集での主たる登場人物の一人です。ヨレンタさんが勤めている研究所(?)の所長のような方ですが地球の「チ」、「地動説」の「チ」に対して「天動説」の「チ」の代表者、このマンガの登場人物たちのライバルです。 元代闘士オクジー、狷介な秀才バデーニ、哀れな天才少女ヨレンタ、余命幾許もないピヤスト伯、この4人が「チ」を巡って様々に思索する姿が描かれているのが第3集でした。 今回の「チ」は「知」を巡るハラスメント、女性差別の歴史を描いているところがおもしろいですね。中世のC教の教会付属図書館の世界ですが、現代社会に当てはめても、なんとなくリアルなところがおもしろいというか、まあ、魚豊というマンガ家がイメージしているのが、今の社会だということかもしれませんがいやはやなんともですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.01.30 01:24:16
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