2024/08/10(土)21:42
週刊マンガ便 山口つばさ「ブルーピリオド 1」(講談社)
山口つばさ「ブルーピリオド 1」(講談社) 2022年3月のマンガ便で、またまた初お目見えのマンガです。山口つばさという人の「ブルーピリオド」(講談社AFTENOON KC)が8冊入っていました。
ヤサイクンは「なんかになる話」が好きなようで、今回は芸術家、絵描きさんになる話のようです。
主人公は都内の高校2年生やっくんこと矢口八虎くんです。普段はヤンキー(?)ですが学校の成績は抜群で、その上、男前です。まあ、いってしまえばスーパー・スターです。 こういう男前で、髪の毛は常時金髪で、それでも、高校2年生ですから、高校を出たらどうするのかという、まあ、当然の展開の悩みが一応あって、成績はいいわけですから、ここで、おつむがいいとされるブランド大学の名前が出てくれば、話は始まりません(笑)。
頭がよくて、学校なんのそので、男前で、その上、結構、ママの教育も行き届いていて、育ちもよさそうですが、残念ながら中流なんですね。要するに「私学」にノンビリやれるほどのお金がない。それがやっくんの進路決定の条件です。
で、マンガはそんなやっくんが、高2までの生活条件、あるいは環境世界の一番外の世界と出会うというお話です。それは何かというと「芸術」です! で、遊びながらでも、学校では優秀というやっくんが目指すことにしたのが東京芸術大学の油絵科ですね。これは実在の学校の名前です。
で、マンガの展開ですが、たとえば、お仕事が学校の教員とかということで、少しでも、東京藝大の受験の実態を知っている人には、ここからのやっくんのビルドゥングスの物語には、実は、何のリアリティもありません。
高校2年生でデッサンも知らない男の子が、いくら何でも東京藝大の、それも油絵科に通るはずはないのです。普通なら、あほらしくて放り出すところなのですが、妙に引き留めるものが、この作品にはありますね。 これが裏表紙ですが、シマクマ君がマンガを放り出すことを引き留めている人物が一番下にいます。このマンガを結構、面白くて読ませる、今のところのキー・ウーマンですね。やっくんの学校の美術部の顧問の先生です。
第1巻の、ちょっと、はちゃめちゃな展開を読みながら、シマクマ君が考えているのは「さてこのキー・ウーマンがどこまで話を持たせるのか?」 というようなことですが、マンガのなかのやっくんは美術部でデッサンに挑んでいますよ。
このマンガは、カバーの下に4コマが仕込んであります。タッチは本文とは違いますが人物紹介ですね。それを貼ってみますね。
森さんというのはやっくんを絵の世界に引き込んだ先輩です。
というわけで、どうなるんでしょうねえ、ホントにリアルになるんでしょうか。じゃあ、また2巻で。