2023/06/11(日)23:00
週刊 マンガ便 松本大洋「東京ヒゴロ1」(小学館)
松本大洋「東京ヒゴロ1」(小学館) 「東京ヒゴロ」っていう題なのですが、「ヒゴロ」って、なんなんでしょうね。「ルーヴルの猫」というマンガで知って、そうは言いながら、とりわけ探して読んだりもしたわけではない松本大洋という人の、ぼくにとっては2作目。 今回のマンガ便は松本大洋「東京ヒゴロ1」(小学館)です。
いつも、マンガ便を届けてくれるのはヤサイクンですが、この松本大洋という人のマンガは、どうも彼の趣味には合わないようで、シマクマ君自己調達本です。
で、どんなマンガなのかというと、第1話が「本日、一身上の都合により退職いたします。」で、第8話まで載っているのが、この第1巻です。 第1話の巻頭ページがこれです。 ジーッとご覧になれば、見開きページのの真ん中くらいのビルの間の、商店街の看板の上あたりに傘が飛んでいて、その手前の路上に傘を追いかけて走っている黒ぶちメガネの男が見えると思いますが、彼がこの漫画の主人公塩澤さんですね。 彼は小学社という出版社に30年務めたマンガの編集者だったらしいのですが、このマンガの冒頭で退職します。彼が担当していた青木くんとか長作君とかいう、なかなかくせ者の漫画家がいるのですが、林さんという若い女性の編集者が、塩澤さんから担当を引き継いで苦労していらっしゃいます。
そんな話で、このマンガは始まるのですが、それが、まあ、どんな苦労なのかとか、ベテラン編集者の塩澤さんがなぜ中途退職してしまったのかとか、好きだったマンガの編集者をやめた塩澤さんが、これからどうするのかとか、そこはマンガを読んでいただくほかありませんが、なんだか、一生懸命な、この、独身の五十男のすることを読んでいると、妙に滲みるんですよね。
ぼくにはマンガの書き手のこととか、編集用語とかよくわかりませんが、とにかく、滲みるんですね。しみじみするんです(笑)。
上の表紙ですが、彼のことを理解してくれている文鳥ですね。一人暮らしのアパート、もちろん賃貸ですが、で同居している小鳥です。少なくとも、塩澤さんの言葉はわかって、一応、人の言葉で返事してくれる、なかなかありがちな小鳥です。
で、いったん、マンガと縁を切ろうと決心した塩澤さんですが、どうも、踏ん切りがつかないようですね。やっぱりマンガがらみで新しいことを始めたようです。第2巻が楽しみです。
ああ、それで、「ヒゴロ」ですが、まだわかりませんね。マア、ゆっくりでいいです(笑)。
追記2023・02・12
「東京ヒゴロ」第2巻を読み終えて感想を書きました。題名をクリックして覗いてみていただけると嬉しい(笑)