2024/08/30(金)12:30
週刊 読書案内 池澤夏樹「十六段の階段」(大岡昇平全集6・月報5・筑摩書房)
池澤夏樹「十六段の階段」(大岡昇平全集6・月報5・筑摩書房) 作家の池澤夏樹が「いつだって読むのは目の前の一冊なのだ」(作品社)の中で、大岡昇平の「事件」という作品について紹介しています。
その紹介をめぐっては、別に案内しようともくろんでいますが、その目論見のために「事件」が所収されている「大岡昇平全集6」(筑摩書房)を引っ張り出してきて見つけたのがこの「十六段の階段」というエッセイでした。読み直してみると、面白いので案内しておこうと思いつきました。
今回は、本文を写すのではなくて、写真を載せてみようと思います。
いかがでしょうか。引用とは関係ありませんが、今回、久しぶりに大岡昇平全集とか引っ張り出して思い出したことをちょっと書きます。
ボクの、大岡昇平びいきが始まったのは浪人暮らしの1年間を過ごした19歳くらいからですが、大岡昇平全集というのは、1988年の大岡昇平の死後出版された決定版全集で、手元にある第6巻は1995年の初版です。価格は8200円、別巻の対談集を数えれば全24巻です。1995年というのは神戸の地震の年で、ボク自身は40歳を過ぎていて、すでに4人の子どもがいる家庭を営んでいたわけです。その中で1冊8200円の全集を、新刊で揃えたわけですから、まあ、よっぽど好きだったんですね。ちなみに、長男の名前には、彼の名前をそのままいただいています(笑)。
それから30年近くたつわけですが、箱装の箱だけではなく、中身もタバコのヤニで黄ばみかけていますが、読んだ形跡はほとんどありません。作家の生前、単行本で出された本は必ず購入して読んだわけですから、全集を買ったりしたのは読むためではなかったのでしょうね。「欲しい!」 ただ、それだけの気持ちで買い込んだとしか思えません。この本の山、どうするのでしょうね(笑)。