2024/09/10(火)12:04
キム・ソンフン「ランサム 非公式作戦」キノシネマ神戸国際no13
キム・ソンフン「ランサム 非公式作戦」キノシネマ神戸国際 ここのところ、連続で韓国映画を見ています。今日は、先日見た「ボストン1947」でソン・ギジョン孫基禎を演じていたハ・ジョンウという俳優さん狙い撃ちです。
見たのはキム・ソンフン監督の「ランサム 非公式作戦」でした。ランサムってなんやねん? まあ、その程度の関心で座ったのですが、これが思いの外面白かったですね。
1980年代の終わりころの話で、ソウル・オリンピックの直前、全斗煥から盧泰愚へ大統領が変わる、ちょうど、あの頃の韓国の国内情勢を背景に、舞台は内戦の最中のレバノン、ベイルートでした。
韓国の外交官がレバノンの武闘派(何者だったのか、結局わからない)に「身代金」目当てで誘拐され、なんと、本人から暗号電話が入るまで「放ったらかしにされていた!」 という出だしで、まあ、「おい、おい、マジ?!」 なのですが、韓国についてもレバノンについても、まあ、どちらの世界のことも、今となっては50年ほども昔の出来事で、そんなこともあったなあ・・・ 程度のあやふやさで見ていましたから「史実云々」に関して拘る気は毛頭ありません。映画は「で、どうするの?」 で、身代金の運び屋として登場したのが、今回はソン・ギジョンではなくてイ・ミンジュンというペーペーの外交官に扮したハ・ジョンウくん でした。
ボストンバッグ一杯の大金を抱えて、レバノンの街や村で悪戦苦闘、漸く救出したものの、機関銃はやたらバリバリ撃ちまくるわ、自動車は爆発するわ、如何にも、中東という狭い路地でカー・チェイスは始まるわ、屋上から屋上へサーカスモドキで息詰まるわ、で、偶然、相方になったのが、ベトナム戦争に従軍して、そのままレバノンまで流れてきて、タクシー運転手! で食っている、自称詐欺師のキム・パンスくん、演じているのがチュ・ジフンさん、要するに、お二人の人質救出、ドタバタ逃亡、戦場アクション映画でした。外交官とタクシー運転手、なんか、この取り合わせに、ちょっと笑いましたが、コンビでハチャメチャ! なかなか見応えありましたね。
相手も誰が敵か味方かわからないし、味方のはずの自国の上役とか、大統領府とかもいい加減だし、絵に描いたような孤立無援の二人なのですが、結局、「友よ!」 で決着がつくというのは、まあ、アリキタリっちゃあアリキタリなのですが、エンタメの極意なわけで、「そうこなくっちゃあ!」 でしたよ。全編、ドキドキさせて、笑わせて、最後は泣かせます。拍手、拍手でした。 この映画のお二人、イ・ミンジュン役のハ・ジョンウさんとタクシー運転手役のチュ・ジフンさん、顔を覚えてしまいそうです。
ああ、見終えてわかりました、「ランサム」って身代金のことでした。
監督 キム・ソンフン
脚本 キム・ジョンヨン ヨ・ジョンミ
撮影 キム・テソン
編集 キム・チャンジュ
音楽 モグ
キャスト
ハ・ジョンウ(イ・ミンジュン:外交官)
チュ・ジフン(キム・パンス:タクシー運転手)
2023年・133分・G・韓国
原題「비공식 작전」「Ransomed」
2024・09・07・no117・キノシネマ神戸国際no13
追記
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