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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2024.11.04
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アンソニー・チェン「国境ナイトクルージング」シネリーブル神戸
​​​ 見終えたのは、まだ三日前なのですが、なんだかずっと昔に見て、思い出したような気がする映画を見ました。
 最初、スクリーンに写った風景は​川​なのでしょうね、凍り付いているようで、そこから氷の塊を切り出して、どこかに運んでいるシーンでした。​​ 
​どこなんだろう?​​
​ そう思いながら見ていましたが、中国の吉林省延吉という町の、だから、北朝鮮との国境に流れている川の風景なのでした。
 アンソニー・チェン監督「国境ナイトクルージング」です。
 それぞれ、20代かな、という印象の男2人、女1人の3人の若者出会いと、まあ、よくいえば、新しい出発のお話でした。
 広い、中国最北部の町で、そこに、事情はそれぞれでしたが、3人の若い男女が流れ着いていて、「ナイトクルージング」するのですが、まあ、見ながら、
​​こういう設定のお話ってたしか・・・、​​
 と、ボンヤリ浮かんだのはフーボーという監督の「象は静かに座っている」という映画でしたが、夜中の動物園に忍び込むわ、とどのつまりは熊まで出てきたのには、ちょっと笑いました。 
​ フーボーの映画は満州里でしたから、ロシアとの国境ですが、こちらは延吉朝鮮との国境です。こちらの国境には、中国名は長白山というらしいですが、朝鮮では白頭山と呼ばれている、まあ、信仰の山があって、高校の世界史では高句麗という名で覚えた地域ですね。朝鮮族の町で、映画の中で白頭山を歌うアリランの歌が歌われて、話の筋と何の関係もなような気もしたのですが、ボクには違和感どころか、妙な感動が湧き上がってしまって、
​​うーん、これって何の映画なん?​​
 ​​という気もしました(笑)。​
 北京上海に暮らす中国の人たちにとっては最果ての地の一つなのでしょうね。もっとも、見ているボクは、さっきも言いましたが、そこが面白くて、たとえば、白頭山の天池について、
​「天池に行こう!」​​
 ​主人公の一人が口にした時に、
​​「エッ?天池?!」​
 ​​と、またしてもボクの頭に浮かんできてしまったのですね。
​​​​ 日野啓三という贔屓の作家の晩年の作品に「天池」ってあるんですよね。そも小説の「天池」が、この映画の「天池」だったのかどうか、まあ、小説の内容はまるで忘れていたのですが、それが浮かんできて、
​「天池って?」​​
 ​という興奮なのですが、映画の3人は途中で挫折してしまって、引き返しちゃってガッカリなのでしすが、まあ、2700メートルはあろうかという冬の白頭山に、あの格好で登るのはさすがに無理でしょうね。​​​​
 興味津々だった天池ですが、最後の方で、ちょっとだけ出てきただけで、あんまりピンときませんでしたね。残念!
 まあ、そうはいいながらですが、出ている3人の役者さんが、それぞれ印象的でよかったですね。
 観光ガイドをしていて、やたらタバコを吸うナナを演じていたチョウ・ドンユイ周冬雨さんという女優さんは、中国ではかなりな人気俳優さんらしいですが、確かに気に入っちゃいましたね。拍手!
 でも、残りの二人の​、上海​から来たらしいハオフォン役のリウ・ハオラン劉昊然くん、四川から流れてきたシャオ役のチュー・チューシャオ屈楚蕭くん二人ともよかったですね。こっちも拍手!
 日本の若い俳優さんの演技って、何となくシラケてしまうのですが、同じ東洋系の顔なのに、中国とか韓国の俳優さんの振舞いはシラケないのはなんででしょうね。まあ、一つは日本語をしゃべらないからだと思うのですが、どうも、それだけじゃないですね。
 そういえば、監督のアンソニー・チェンさんですが、つい昨日見た「HAPPYEND」プロデューサーに名を連ねていましたね。若い人たちの、大人との距離感が似ているテイストの青春群像映画だと思いましたが、こっちの方が自然な印象をうけたのは外国の話だからでしょうかね。
​ ただ、この映画について、よくわからないことが一つあったんですね。話の端々に「指名手配」の犯罪者の存在が暗示されていて、とどのつまりには逮捕されるシーンまであるんです。上海から来たハオフォン君当人か、彼がらみの何かがあるのかと思いましたが、どうも違うようです。だとしたら、
​​​あのエピソードは何なんやったんや?​​​
 なのですが、やっぱり、最果ての国境の町、という設定と関係があるのでしょうかね。
監督・脚本・製作 アンソニー・チェン
製作 メン・シェ
撮影 ユー・ジンピン
編集 ホーピング・チェン  スー・ムン・タイ
音楽 キン・レオン
キャスト
チョウ・ドンユイ周冬雨(ナナ)
リウ・ハオラン劉昊然(ハオフォン)
チュー・チューシャオ屈楚蕭(シャオ)
2023年・100分・PG12・中国・シンガポール合作
原題「燃冬」英題「The Breaking Ice」
2024・10・26・no138・・シネリーブル神戸no276




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追記
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最終更新日  2024.11.04 01:24:42
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