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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
マキシム・ラッパズ「山逢いのホテルで」シネリーブル神戸 上のチラシの写真を見ていて、
「なんや、めんどくさそうやなぁ・・・」 とは思ったのですが、 「でも、まあ、舞台がスイスとかみたいやし。」 で、見ました。 見終えた最初の印象は 「なんで、こんな写真をチラシのメインにしたのかな?」 でした。 確かに、ジャンヌ・バリバールという、なかなか個性的な女優さんの、まあ、所謂、官能シーンというか、濡れ場というかはあるのですが、この映画って、 そこなんですかね見せ場は?という感じです。 中年のシングマザーのクローディーヌは村で仕立て屋として生計を立てていて、息子はもう大人の年齢のようですが、障碍者で、母の世話になって暮らしています。 で、彼女は、息子に旅を続けている不在の父、つまりは夫からの虚構の手紙を捏造することで 母と息子の平和な日々を演じて暮らしています。 昔、「妻と女の間」とかいう小説がありましたが、映画は 母と女の間を揺れ動くクローディーヌの姿 を追うとでもいう展開でした。 ゆっくりと登って行く山岳列車、2000メートルを超える美しい山々、巨大なダムと貯水池、ダムの底から見える貯水池の何億トンもの水。で、ハイヒールでそこに立つ中年の美しい女。どれもこれもが、まあ、これでもかというくらいシンボリックで、チョーメンドクサイ暗示に満ちているのがこの 映画の作り手、だから監督かな?の若さ が溢れていると思いましたが、予想通り女性版「仕立て屋の恋」が始まります。 で、どうだったか。女が生活を忘れて、思わず本気になり、あとを追おうとする男との出会いです。 フーン!?!?と思って見ていましたが、しかし、女に出来たことは家を売り払い、息子を施設に預ける決心だけでした。結局、何も起きませんでした。もちろん殺人事件なんてありません(笑)。 ところがです、見ているボクは、ラストシーンで、不思議な声で笑い声をあげて、いったいどこに行こうとしているのかがわからないまま、歩み去っていく女の後ろ姿に、 ちょっとカンドーしたのでした(笑)。 彼女は、 母でも女でもない自由を見つけた!のではないでしょうか。彼女の心にわだかまっていたのは「母と女の間」から抜けられない抑圧だったんじゃないでしょうかという感じでしたね。 予想を越えて、 一歩、深いところへ歩み始めたクローディーヌ!に拍手!でした。 まあ、キライじゃないのですが、それにしても、意味ありげというか、思わせぶりというか、少々めんどくさい映画でした。 監督・脚本 マキシム・ラッパズ 脚本 マリオン・ベルノー 撮影 ブノワ・デルボー 編集 カロリーヌ・ドトゥルネー 音楽 アントワーヌ・ボドソン キャスト ジャンヌ・バリバール(クローディーヌ) トーマス・サーバッハー(ミヒャエル) ピエール=アントワーヌ・デュベ(バティスト) ベロニク・メルムー(シャンタル) アドリアン・サヴィニー(ナタン) 2023年・92分・R15+・スイス・フランス・ベルギー合作 原題「Laissez-moi」 2024・11・30・no155・シネリーブル神戸no282
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最終更新日
2024.12.07 12:45:33
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