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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
クリスティ・ホール「ドライブ・イン・マンハッタン」シネリーブル神戸
![]() 「これはいける!好きなタイプ!」 まあ、そんなふうに思って神戸の封切り初日に見ました(笑)。クリスティ・ホール監督の「ドライブ・イン・マンハッタン」です。 予想通り、 純粋二人芝居! それもタクシー車内という狭い舞台の中です。見ながら、ただ、ひたすら祈っていたのは 「なんでもいいけど、他の人物とか、広い世界とか、映さんといてほしい!」 でしたが、主人公の一人がケネディ空港で乗り場まで歩くシーンと、同じく彼女が乗っていたタクシーを降りて歩きだし、アパートのドアの向うからこっちを見るまでのシーン以外は、見事にタクシーの後ろの席と運転席の二人の会話劇でした。 こういうの、待ってました(笑)。 「愛に悩む」客役はダコタ・ジョンソンという金髪の女優さんで、「愛に後悔する」運転手役はショーン・ペンというシブイ中年男優でした。 チラシの文句を貼りましたが、ボクの興味は「愛」のゆくへとかじゃなくて会話そのものでした。だから、途中に客がスマホを覗きこんで、今、付き合っている男とアホな遣り取りをしますが、まあ、そのシーンがなければ客の心理の具体性が、映画館で見ている客にワカラナイということかもしれませんが、余計でしたね。そんなのなくても、ボクには十分面白かったと思いますね(笑)。 なんてことのない、ただの運転手の発言が、耳から中に入って、多分、彼女の頭の中で彼女の世界を照らすんですね。ようするに聴くわけですが、で、表情が動くんです。で、彼女が一言返すと、ジッと前を見て運転している運転手の男の表情がかすかに動く、その時、彼女なら彼女が、運転手なら運転手が、頭の中でどんな世界を思い描いているのか、見ているこっちは、まあ、その深みを覗きこもうとするわけで、そうなると、もう、それぞれの人物が語る、それぞれの物語そのものはありきたりに聞こえてしまうんですね。 で、ありきたりでいいんです(笑)。 女性客のスマホによる男とのやり取りの露骨なアホらしさや、運転手の体験談はお話としては、なければ映画という物語が成立しませんが、ボクにとってこの作品は、偶然出会った二人の人間が1時間あまりですが、相手のいうことを、まともに「聴く」とはどういうことか、そこでは何が起こるのか、という興味をシラケさせることなく持続させててくれて納得でした(笑)。 客が降りて、後姿を見送る運転手に拍手!でした。 ![]() 目だけで勝負しているかの作品! でしたが、なかなか印象的な目の俳優さんたちでした。拍手! 監督・脚本 クリスティ・ホール 撮影 フェドン・パパマイケル 美術 クリスティ・ズィー 衣装 ミレン・ゴードン=クロージャー 編集 リサ・ゼノ・チャージン 音楽 ディコン・ハインクリフェ キャスト ダコタ・ジョンソン ショーン・ペン 2023年・100分・G・アメリカ 原題「Daddio」 2025・02・14・no022・シネリーブル神戸no303 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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