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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
藤野知明「どうすればよかったか?」元町映画館
![]() この映画ですが、神戸では元町映画館で年の始めからやっていて、連日「満員御礼」、多分、シネリーブルでは、まだやっていると思いますがボクが元町で見た日も補助席まで出しての満席でした。 で、映画は藤野知明監督の「どうすればよかったか?」というドキュメンタリィーです。 見ていて、終盤あたりの場面ですね、映画製作者、だから監督ですが、が 「どうすればよかったか?」 と父親に訊ねるシーンがあるのですが、そのとき、前の席の男性がスマホを開いたんですね。大勢のお客さんが入るということはそういうことがあるということを、ここのところ繰り返し体験してはいるのですが、マナー云々を越えて、 「それはないやろ!」 という出来事でした。 で、見終えて、そのスマホ体験に対する憤りのようなものにとりつかれて、帰宅してチラシを読みました。 我が家の25年は統合失調症の対応の失敗例です。 こんな言葉が踊っていました。何だか素直な問いに聞こえるのですが、 この「問い」に答えられる人はいるのでしょうか? まあ、無理やりですが、ボクの答えを、誤解を恐れずに書いてみます。、 「あなた」が、最初におかしいと思った、あの夜の翌日、あるいは、カメラを回し始めたとき、「あなた自身」がお姉さんを医者に連れていくべきだったのです。それ以外にはありません。 実際にそうできたか、できなかったか、こんなことを口にしているボク自身が当事者であればそうできたのか、と問い返されても答えはありません。ついでにいえば、ボクの答は善悪を判断してはいません。家族であれ、知人であれ、行きずりの人であれ、病気だと気付いたら医者に連れて行く努力をすべきだというだけです。 しかし、チラシで問いかけている映画を作った人にはそれができなかった。その結果、そうできなかった一人の人間の、生きている世界と自分自身に対する問いかけが 空前絶後ともいうべき映像を作り出してしまった!というのがボクの、この映画に他する感想です。 弟がカメラが回してることを知りながら、 言葉を発しないお姉さん を辛抱強く映し続ける映像の迫力に文字通り絶句したボクは、あれから一か月、 ジッとこっちを見ているお姉さんの眼差し を繰り返し思い浮かべてはため息をついています。 「何が映したかったのだろう?」 お姉さんもお母さんも亡くなってしまった部屋で、おそらく90歳を越えていらっしゃるであろうお父さんに 「どうすればよかったのか?」 弟が、そう、問いかけている、最後のあのシーンが、興味を失ってスマホを開いている観客の前にさらされている場にボクは座っていました。あの時、ボクは どうすればよかった? のでしょうね。 ![]() この映画でジッとカメラを見るお姉さんの姿を見たとき、ボクの頭に浮かんだのは、60年前、玄関で正座して 「どちら様でしょう?」 と、最愛だったはずの孫に向かって挨拶をする祖母の姿が浮かびました。この映画は、ボクにとっては、そういう映画でした。正直、疲れましたが、公開した藤野知明監督には拍手!ですね。 ホントウノコトを撮ってしまった監督 は、やっぱり、人に見せないではいられないし、 「どうすればとかったか?」 と問いかけずはいられないのでしょうね。 監督・撮影・編集 藤野知明 制作 淺野由美子 撮影 淺野由美子 整音 川上拓也 編集 淺野由美子 編集協力 秦岳志 2024年・101分・G・日本 2025・01・24-no013・元町映画館no279
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