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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
エレネ・ナベリアニ「ブラックバード、ブラックベリー、私は私。」元町映画館
![]() 「私は私」発見の地獄めぐり映画! でしたが、今日はジョージアの、題名もそのまま「私は私」発見映画でしたが、主人公は高校生ではなくて48歳の独身女性、まあ、おばさんですが、彼女の「私は私」発見のお話でした(笑)。 見たのはエレネ・ナベリアニという、多分、女性監督の「ブラックバード、ブラックベリー、私は私。」です。 題名にあるブラックバードは黒ツグミという鳥で、ブラックベリーは熟すると赤黒くなる野イチゴ。両方とも主人公のエテロという女性がこよなく愛しているものですね。 ある日、エテロは野イチゴを摘みながら、目の前に現れた黒ツグミに気を取られ崖から転落してしまいます。なんとか這い上がって、命は無事でしたが、その日からややこしいことが起き始めるというのが映画のお話なのですね。 彼女の母親は彼女を生んですぐに亡くなったようですが、彼女を育てた父親と兄も、今はもういなくて、彼女は 一人で村の雑貨屋を営んで暮らしています。 彼女は田舎の村で一人で生きてる女性というわけです。 で、雨が降っていたその日、商品の配達に来たムルマンという、これまた、もう、孫がかわいいという老年の男性とややこしくなります。 48年間、独身で、男と暮らしたいと思ったことなどなかったはずのエテロですが、生まれて初めてややこしい経験に陥っちゃうんですね。 「オイ、オイ、そんなふうに頑張っちゃうと・・・・」 こちとら、70歳のジジイですから、村の女性たちの、まあ、イジメまがいのざわつきとか、エテロに夢中になるムルマンという男性の振舞いとか、どんどんややこしくならざるを得ないエテロの心の動きを映し出しているかのシーンとかを見ながら、考えていたのはそういうことで、とどのつまり、予想通りの結末に至って笑ってしまいました。 初体験の結果の体の不調を癌だと思い込んだエテロのドタバタは、ボクには喜劇的でしたが、結末のシーンには胸打たれましたね。 でも、心に浮かんだのは、やっぱりね、 「で、どうするの?あんた、48やで。」 もちろん、そんな茶化し方は間違っているとは思いますが、それにしても、やっぱり、そう思っちゃいながら、しかし、一方で、思わず拍手!でしたね。 ![]() 「盥のようなおしり!」 と、からかわれたお尻を突きだしての野外おしっこ(立ち○○です)のシーンとかあって笑ってしまうのですが、出てくる人間が、それぞれ人間で、 人間と人間ののやりとりが描かれている!まあ、そういう印象なのですね。映画全体が、なんかうまくいえませんが、大きなあたりまえの空気に包まれていてリアルなんです。で、そのあたりにエレネ・ナベリアニという監督の力量というか、思想の深さのようなものを感じました。拍手!ですね。監督・脚本 エレネ・ナベリアニ 原作 タムタ・メラシュビリ 撮影 アグネス・パコズディ キャスト エカ・チャブレイシュビリ(エテロ) テミコ・チチナゼ(ムルマン) 2023年・110分・PG12・ジョージア・スイス合作 原題「Shashvi shashvi maq'vali」 2025・02・09・no019・元町映画館no281 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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