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廣野由美子・桒山智成「変容するシェイクスピア」(筑摩選書) ![]() 筑摩選書とか、平凡社ライブラリーとかあると手が出てしまうわけですが、イギリスのお芝居の、劇場中継映画で「マクベス」とか見た直後だったこともあって 「おおー、シェイクスピア解説か!?」 とか、なんとかで、借り出してきました。 京都大学の廣野由美子と桒山(くわやま)智成という英文学の先生による、シェイクスピアの文学や童話、舞台や映画での受容の歴史を紹介した本で、書名は「変容するシェイクスピア」(筑摩選書)です。 廣野由美子さんが「小説の中のシェイクスピア」を、桒山智成さんが「舞台とか映画の中のシェイクスピア」の解説・紹介を担当されています。 廣野由美子さんの本書での論考の柱は、下の目次を御覧になればおわかりでしょうが、メアリー・ラム、チャールズ・ラム「シェイクスピア物語(上・下)」(岩波文庫・他)という、日本の子どもたちも読むことができる、子ども向けの改作・シェイクスピア・ダイジェスト本がありますが、その本をめぐって、メアリ・ラムとチャールズ・ラムというラム姉弟の紹介から始まり、シェイクスピアの本文と改作との比較検討研究の、まあ、素人向けの解説ですが、実は、結構めんどくさいです(笑)。 で、本書の雰囲気を、ちょっと紹介すると 少女小説「赤毛のアン」 と、まあ、こういう具合ですね。モンゴメリは100年以上前の人ですが、彼女の「赤毛のアン」は、極東の島国でさえも、今でも読まれています。 リア王の三姉妹をご存知ない方でも、子どものころに読んで心に残っている、あの、赤毛の少女アンが、シェイクスピアの戯曲「リア王」の登場人物にあこがれていたんだと気付くところから、 「シェイクスピア! 読んでみませんか。」 と声をかけていらっしゃるのが廣野由美子さんというわけですね(笑)。 下に、本書の目次を貼りましたが、第2章で廣野由美子さんが論じていらっしゃるラム姉弟の『シェイクスピア物語』(岩波文庫)に所収されている、子供向けシェイクスピア作品のライン・アップはこんな感じです。
大きなお世話ですが、シェイクスピアをご存知ない方は、この文庫のラインアップくらいをお読みになってから、本書に戻られた方が、めんどくさくなくていいかもですね。 ついでに目次も貼っておきます。
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最終更新日
2025.03.13 02:01:21
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