カレル・ゼマン「鳥の島の財宝」元町映画館 2025年、3月6日の「チェコ・ファンタジー・ゼマン」、2本目はカレル・ゼマン監督の1952年の作品「鳥の島の財宝」でした。
人形とアニメの画面の融合作品で、原作はペルシャ、ですからイランとかトルコあたりでしょうか、の昔話らしいですが、貧しい漁師の青年が海賊を助けた結果、海賊のお礼の財宝で、何故か、村中の人が大金持ちになってしまって、誰も働くなくってしまって、お互い、食べ物にも困るようになって「さあ、どうしよう?」
という、まあ、ありがちっちゃあ、ありがちなお話しでした(笑)。
お話としては、突如、お金持ちになってしまった村人たちが、昨日までのように働くことを忘れてしまうという現実を目の当たりにした青年の苦悩が山場というわけですが、今の目から見てアニメとして面白いのは「鳥」の描き方ですね。青年の窮地を救ったり、作戦を手助けしたりするのが写真のペリカンですが、なかなかなキャラでした。
話の顛末は、ご覧になっていただく他ありませんが、まあ、貧しい民衆がみんなで大金持ちになる!
というのは、なんというか、哀しいですが、結局は夢物語なわけで(笑)、財宝は海の藻屑と消え、人々は、元の実直な貧しい暮らしに戻りました、メデタシ!メデタシ!
で終わります。
いいようによれば、今となっては古めかしい教条的社会主義の教訓噺!
というわけですが、それはそれとして、結構、楽しかったですね(笑)。ゼマンという人は、まあ、そういう夢物語を笑う民衆の、切ない貧しさ!
を知っていたんでしょうね。今のボクたちの社会だって、気づかないように仕向けられているだけで、本当は貧しいんですよね。拍手!
「チェコファンタジーゼマン」、結局、4本しか見ないままで終わりました。チョット、残念でした。また、機会があるかな?
監督・脚本 カレル・ゼマン
音楽 ズデニェク・リシュカ
1952年・73分・チェコスロバキア
原題「Poklad Ptaciho ostrova」
2025・03・06・no034・元町映画館no287