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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
アニエス・バルダ「冬の旅」元町映画館
![]() ![]() 「まあ、そうはいっても、アニエス・バルダ、見直しても悪くあるまい。好きやし。」 で、見始めて、畑の溝のような所で死んでいる女性の姿を見て、 「ああ、見たことある!」 と、ようやく確信(笑)しました。 一人の若い女性の「死」から始めて、その女性の「生」の軌跡を描いています。だから、 「ああ、よかった!」 を求めて見ているわけにはいきません。疲れました。アニエス・バルダさん曰く 「これが、現実世界!なんです。」 なんです。 誰も 「自由に生きたい一人の人間」 を支えたり、手を差し伸べたり、きちんと前に立って話しかける人さえ登場しません。40年前のフランスの映画です。 「そういう時代の、そういう社会やったんや!」と割り切りたいところですが、帰ってきて、ネットに氾濫している、最近、御覧になった方たちのレビューとかを見て啞然です。 「そんなふうにしていると、そうなるのは仕方がない」 下手をすると、今の方が、ヤバいですね。 ほんとに、仕方がないんでしょうか?まあ、一言、そうつぶやくほかありませんね。 唐突ですけど、 「ハマスがああだから、イスラエルがああするのも仕方がない。」 今、ガザで起こっているジェノサイドをそんなふうに言う人がいることをフト思い出しました。 アニエス・バルダが、この映画を撮って40年、世界は、この映画で、1980年代の女性監督が 訴えんとした「なにか」 を考えるリテラシーというか、辛抱というかすら失っていきつつあるようです。実は、今の社会って、本当にヤバいんじゃないでしょうかね。自己責任とか、聴こえはいいですけど、 勝手に死ね! ってことだって、みんな気づいているんでしょうかね。この映画って、40年早く、そういう世界について、バルダさんは 「これでいいのか!」って問いかけていると思うんですけど(笑)。なにはともあれ、アニエス・バルダに拍手!でした。 監督・脚本・編集 アニエス・バルダ 撮影 パトリック・ブロシェ 編集 パトリシア・マズィ 音楽 ジョアンナ・ブルズドビチュ サンドリーヌ・ボネール(モナ) マーシャ・メリル(ランディエ教授) ステファーヌ・フレス(ジャン=ピエール) ヨランド・モロー(ヨランド) パトリック・レプシンスキ(ダヴィッド) ジョエル・フォッス(ポロ) マルト・ジャルニアス 1985年・105分・フランス 原題「Sans toit ni loi」英題「Vagabond」 2025・03・14・no041・元町映画館no290 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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