佐々木幹郎「田舎の日曜日」(みすず書房)
あれこれ「案内」してきた佐々木幹郎のエッセイ集です。「田舎の日曜日」(みすず書房)。副題にツリーハウスという夢とついています。佐々木幹郎さんの嬬恋にある山小屋の庭のクリの木に「ツリーハウ ス」が出来ていく時間に沿って書かれたエッセイの集大成です。その時、その時に撮られた写真もたくさん載っています。 2007年から2010年に渡って、みすず書房の「みすず」に連載されていた文章です。
その年、その年の春、孟宗竹を支柱にした竹のブランコ、ネパールの村にあるブランコを模したものらしいですが、そのブランコが出来上がって、ネパールの厄除けの儀式があったり、子どもたちが乗り初める話題とかもあります。
2010年の春の文章でしょうね。「クレッソンの春」と題された最後のエッセイがこんなふうに結ばれて終わります。
ツリーハウスの工事は、ついに屋根の三分の二まで、銅板を葺き終わった。棟梁のトクさんと床屋のナカザワさん、それにわたしの甥のジュンジがひさしぶりにやってきて、銅板貼りを手伝った。VOICESPACEのミズモトさんも手伝った。若い奴隷が二人も増えると、オジサンたちは勢いづく。なかでも今回は女性の奴隷が一人いたので、トクさんもナカザワさんも動きがきびきびしている。作業が滅法早い。「あの二人、わっかりやすい性格してるなあ」とジュンジが笑いながら言った。
オダ・トモミは木の上に登るのが好きだ。それを真似て、サワムラ・ユウジも木の上に登り、バナナを食べた。彼が盲目であるということを、こんなとき信じられなくなる。
ツリーハウス工事の後、二階のデッキで、ナカムラ・ユミがメロディオンを演奏し、ユリカ、モエ、マミちゃんの三人が、宮崎駿のアニメ「となりのトトロ」の主題歌「風のとおりみち」を合唱した。風景にぴったりだった。たしかにここは、風の通り道なのだ。ツリーハウスも山小屋も。(P261)
先だって案内した「雨過ぎて雲破れるとこる」(みすず書房・2007年)の続編です。で、「瓦礫の下から唄が聴こえる」(みすず書房・2012年)はこのエッセイ集の続編です。「旅に溺れる」(岩波書店・2010年)は、ほぼ、同時期に発表されたエッセイ集ですね。
どれもこれも、読んでいて風の音が聞こえてくるかの文章です。
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追記
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