|
カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
河合健「みんなおしゃべり!」元町映画館 先日「ぼくの名前はラワン」という、イラクから難民としてイギリスにわたり、イギリスの聾学校で手話を学ぶことで「ことば」を見つけた少年の映画を見て、いい年まで生きてきた自分がわかっていないことがたくさんあることに気付かされました。「ことばってなんだろう?」 たぶん、それが、一番、大元にある疑問なのだろうと思いますが、 ろう者vsクルド人‼ この映画のチラシに踊っているこんなキャッチ・コピーを見て 「見てみようか・・・」ですね。で、やってきた元町映画館です。見たのは河合健という監督の「みんなおしゃべり!」でした。 ハッとさせられる作品でした。 お父さんの古賀さんは耳がきこえません。で、町の電気屋さんのご主人です。お嬢さんの夏海さんは聞こえてしゃべることができます。お父さん、弟さんとは手話で話します。弟さんの駿君は聞こえません。聾学校の小学部に通っています。お母さんが接客とかなさっていたようですが、亡くなって3年ほどたつようです。 そのお店に、この町にやって来てお店を出そうとしている男性が登場します。日本語がわからないようです。トルコから難民としてやってきたクルド人のルファトさんです。 接客に出てきた古賀さんが、ルファトさんの足元で商品の電球が割れているのを見つけます。見ているこっちは、先ほどのシーンで、古賀さんとやり取りがあった少女が落として割ってしまったことを知っていますが、古賀さんは手話の通じない「外人」を疑います。疑われた「外人」は「ことば」が全く通じない上に、自分を犯人扱いする「日本人」に腹を立てます。というわけで、 日本手話対クルド語の闘い勃発です。 戦いの原因を作ったのは、町おこしとかを宣伝して回っている沖田という男性の軽率な判断と行動ですが、彼は「現代日本社会」の ダメさを象徴する顔として大活躍です。この映画には、もう一人、駄目さの象徴を演じる人物が登場します。駿君の担任の山際先生です。二人に共通しているのは、他者に対する 「わかったつもり」という傲慢です。 で、この映画は、「わかってもらえない者同士」の闘いの終焉の描き方がいいですね。町おこしから見捨てられたルファトさんがやっとんことで開店にこぎつけたお店の電気がつきません。電気仕事のプロの古賀さんに頼るしかありません。で、古賀さんは仕事についてはプロです。電気で困っている人をほっておくわけにはいきません。というわけで、キライな外人を恩讐を越えて助けます。そのシーンには 「コトバ」の向こうにあるものが輝いていました。聞こえる人は関心を持たない手話であろうが、自国で禁じられたクルド語であろうが、話すのは人間だ!ということですね。描かれているのは人間同士の出会いでした。 この映画には、あと二つ人間同士の出会いが描かれています。 一つは、手話でしか話せないお父さんと弟と暮らす夏海ちゃんと、難民としてやってきた国で、頑固に日本語を拒否するお父さんに育てられた日本生まれのヒワ君の宇宙語の発見です。 もう一つは、聾学校でいじめられ続けている駿君の「ラクガキ語」の発明ですね。クラスのみんなは新しい言葉での 「おしゃべり」に夢中です。 もちろん、正しい日本語しか頭にない山際先生には理解できません。 お父さんとして映画に出ている毛塚和義さん始め、出演者の皆さんに、まず拍手!。それから、この作品を製作し、おそらく上映映画館を探し回ったであろう河合健監督に拍手!ですね。ああ、それから上映している元町映画館にも拍手!。 監督・脚本 河合健 脚本 乙黒恭平 竹浪春花 キャスト 長澤樹(古賀夏海 娘) 毛塚和義(古賀和彦 父) 福田凰希(古賀駿 息子) ユードゥルム・フラット(ヒワ 息子) ムラト・チチェク(ルファト 父) 那須英彰(江田 友人) 今井彰人(竹田 友人) 板橋駿谷(沖田 町おこし職員) 小野花梨(山際先生) 閉じる 2025年・143分・G・日本 2026・01・30・no021・元町映画館no341 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[映画「元町映画館」でお昼寝] カテゴリの最新記事
|