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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2026.02.10
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リュドミラ・ウリツカヤ「子供時代」(絵ウラジミール・リュパロフ・沼野恭子訳・新潮クレストブック) 市民図書館ロシア文学あたりの棚を徘徊していて題名に目が留まって借りてきました。リュドミラ・ウリツカヤという女性の作家「子供時代」(絵ウラジミール・リュパロフ・沼野恭子訳・新潮クレストブック)です。
 ウラジミール・リュパロフという人が絵を描いていらっしゃる絵本です。ただ、小説というか物語の内容に合わせた挿絵が描かれているのかというと、どうもそういうわけではなさそうです。小説は小説、絵は絵、というわけのようですが、まあ、読む人によるかもですが、ボクには、そこが、この本の、なんだかとても面白かったところの一つでした。
 小説の内容は、下に目次を貼りましたが、それぞれの物語すべて、少年に限りませんが、ともかくも子供たちが、ほぼ、主人公として登場する六つのお話です。
 例えば「釘」という物語の書き出しはこんな感じです。​
 その夏、妹のマーシャが生まれるとき、セリョージャは田舎に預けられることになった―他の子供たちはおじいさんのうちにやられたけれど、セリョージャはひいおじいさんのところに行かされた。ひいおじいさんは遠い田舎に住んでいたので、たどり着くのに大変な道のりだった。父親とふたりでまず汽車に乗り、それから小さな蒸気船に乗り換え、それから長いこと歩いた。
 夜更け近くにようやく村にたどり着いた。丈の低い雑草がもさもさ生えている狭い道の両側に、大きな灰色の家々が建ち並んでいる。中には窓に釘を打ちつけた家もある。道の中ほどを、足の細い毛むくじゃらの動物がのんびり歩いており、それを見たセリョージャが「変てこな犬!」と言った。
父は笑いだした。
「羊のこともわからないのか!ほら、羊飼いがいるだろ!」
 そう言ってセリョージャより少し年上の少年を指さした。裸足で、暖かそうな帽子をかぶっている。それもまた変てこだった。(P59)
 で、お父さんはさっさと帰ってしまって、そこから、まあ、お婆さんはいらっしゃるのですが、ひいおじいちゃんとひ孫のあいだで「釘」をめぐる物語へとお話が始まるわけです。他の作品もそうなのですが、一つ一つの物語を読み終える度に、70歳を越えた老人は、静かに頷きたくなるんですね。
 果たして子供向きに書かれている童話なのかと言えばちょっと違う気がしますが、「絵本」でもあって、表紙裏表紙もそうですが、ウラジミール・リュパロフという方の、お話の内容とちょっと違う不思議な絵が数ページごとに出てきて、これがまたいいんですね。​
 ヴォーヴァとふたりで子供時代の思い出をあれこれ並べてみたら、素晴らしくぴったり合うではありませんか。私が子供時代を過ごしたカリャエフスカヤ通りと、ヴォーヴァが住んでいたシチポーク通りは驚くほどよく似ています。それに、家や中庭、ネコ、家の前の小さな庭が似ているだけでなく、私たちが子供時代を過ごした界隈に住んでいた人たちまでそっくりだったのです。
 1943年生まれお二人「お話」「絵画」による「子供時代」あの国では大祖国戦争と呼ばれた、第二次世界大戦の貧しい戦後を生きている子供たちの世界が、哀切に、しかし、生き生きと浮かび上がってきます。
 こちらが裏表紙ですが、落書きはお二人の名前だそうです。
 ボクは知りませんでしたが、リュドミラ・ウリツカヤUlitskaya,Ludmilaという方は1943年生れで、モスクワ大学(遺伝学専攻)を卒業して研究者だったらしいですが、1980年代頃から「ソーネチカ」(新潮クレスト)とかいう作品で脚光を浴びている人気作家のようです。最新作「緑の天幕」(新潮クレスト)をはじめ、けっこうたくさんの作品が邦訳されています。
 もっとも、プーチンのロシアでは戦争反対を呼びかけたことが理由で弾圧されている反体制作家だそうで、そのあたりも気になる方ですね。
 とりあえず、「緑の天幕」(新潮クレストブック)を読み始めました。700ページを超える大作ですが、ただ今100ページあたりを通過中です。「少年時代」子どもたちの世界長編小説として描かれていて、傑作の予感に促されながら読みすすめています。
 とりあえず、「子供時代」目次を貼っておきますね。​
 目次
序文
キャベツの奇跡
蠟でできたカモ
つぶやきおじいさん
幸運なできごと
折り紙の勝利
2026-no020-1235



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追記
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最終更新日  2026.02.10 21:55:58
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