小梅けいと「戦争は女の顔をしていない 6」(KADOKAWA)
2026年4月の終わりに届いたトラキチ君のマンガ便です。
小梅けいと「戦争は女の顔をしていない6」(KADOKAWA)です。もちろん原作はスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの同名の傑作です。 本書に収められているのは下に目次を貼りましたが、その5作です。中でも第三十二話のインタビューと、そのインタビューを終えて作家自身が語る第三十三話が白眉でした。
腰巻に引用されていますが、その前後を引用してみます。
戦争はこれまでもそうだったように
この先もずっと
人間の本質に触れる
もっとも主要なもののひとつなのかもしれない
今もそうなのかもしれない
何も変わっていない
私は大きな物語を一人の人間の大きさで考えようとしている
何かを理解するために ことばを見つけ出すために
けれども
このそれほど大きくはない
そして
見直すのに便利だと思われた 一人の人間の心の中にさえ
歴史を理解するより
はるかに わかりにくく
はるかに 予測がつかいないものなのだ
というのも
私が相手にしているのは
生の涙
生の気持ちだから
人間の生きた顔にも話をしている時に心の痛みや恐怖の影がさす
時には
人間の苦悩がかすかにわかる程度に美しく見えたりまでする
そういうとき
私は 自分自身におびえてしまう
道はただ一つ
人間を愛すること
愛をもって理解しようとすること
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチさんは1948年生まれ、77歳で御存命のようです。ベラルーシ共和国の方ですが、今はドイツにいらっしゃるようです。ベラルーシはロシアの属国のような状態らしくて、彼女の作品が発禁になってしまうような国のようです。 第二次世界大戦中の独ソ戦争に従軍したソビエトロシアの女性たちにインタビューした原作が発表されたのは1980年代ですが、その後、チェルノブイリの原発事故の被害者たちをインタビューした「チェルノブイリの祈り」(岩波現代文庫)も、事故の情報を統制しているらしいベラルーシでは読むことができないのかもしれません。日本では熊谷雄太によってマンガ化もされていて、誰でも読むことができます。
こちらの「戦争は女の顔をしていない」(岩波現代文庫)の方は、小梅けいとさんが、辛抱づよくマンガ化していらっしゃって、今、第6巻です。若い人たちに読まれたらいいなと思います。熊谷雄太「チェルノブイリの祈り」(白泉社)もですね。
第三十二話 衛生指導員オリガ・ヤーコヴレヴナ・オメリチェンコの話
第三十三話 オリガさんのインタビュー後
第三十四話 地下活動家リュボーフィ・エドゥアルドヴナ・クレソワの話
第三十五話 パルチザンの看護婦アントニーナ・アリベルトヴナ・ヴィジュトヴィチの話
第三十六話 機関銃手アナスタシア・イワノーヴィナ・メドヴェドゥキナ二等兵、他、五人の話
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追記
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