ギィ・ジル「海辺の恋」元町映画館
先日「オー・パン・クペ」という作品を見て、ウトウト気持のいい時間を過ごした監督の作品を、もう1本見ました。
ギィ・ジル監督の「海辺の恋」、カタカナでいうと「ラムール・ア・ラ・メール」です。 モノクロの画面とカラーの画面を交錯させて、登場人物の「現実」と「記憶の時間」を描こうという趣向がよく似ていますが、恋人を失った女性の1人称として展開していた「オー・パン・クペ」に対して、こちらではダニエルとジュヌビエーブという男と女について、なんというか、それぞれの1人称が交錯する!
ところが、ちょっと複雑で、のんびりウトウトしてはいられない作品でした(笑)。 こちらの方が、20代半ばであるダニエル君の、まあ、そのお年頃に特有か?とも思われる「実存的不安」を描いていて「そういえば、あの頃、こういうのハヤリやったなあ…」
と、老人はいたく納得したのですが1964年の作品だそうです。 まあ、そのあたりが、懐かしくて面白かったのですが、「あのころ見てたら、もう少しこたえたやろうな。」
というのが正直な印象でした。 でも、印象的な映像の重ね合わせはこの監督の才能でしょうね。拍手!でしたよ。
もちろん、作られたときには見たことがない古い作品を見たときに起こることではあるのですが、それにしても、初めて見る映画で、「あの頃…」というような、個人的な感慨に浸るというのが、このところの傾向ではあるのですが、変は変ですね。
ただ、映画という表現がその時代の大衆的な傾向に対する批評性なしには成立しないものだということを気づかせてくれる面白さは、今、作られて公開されている作品を見るにあたっても、受け取り方のヒントのようなものを気づかせてくれます。まあ、だから面白いんですけどね。 監督・脚本 ギイ・ジル
撮影 ジャン=マルク・リペール
編集 ナウン・セラ
音楽 ジャン=ピエール・サロ
キャスト
ダニエル・ムースマン
ジュヌビエーブ・テニエ
ギイ・ジル
ジュリエット・グレコ
アラン・ドロン
ジャン=クロード・ブリアリ
ジャン=ピエール・レオ
1964年・73分・フランス
原題「L'amour à la mer」
2026・05・29・no100・元町映画館no371