カリン・ブッハー トーマス・カラー「ユートピアの力」元町映画館
建築とか都市計画となんて何にも知りませんが、「ル・コルビジュエ」というこのチラシにある有名な名前に惹かれて見に行きました。
で、「ル・コルビジュエとドーシ インドのモダニズム」というこのチラシは2本立ての特集の名前のチラシだったようで、見たのはカリン・ブッハーという人とトーマス・カラーという人が共同で監督された「ユートピアの力」というこちらの写真のドキュメンタリィ―でした。
1940年代の後半、インドがパキスタンと別れて独立したころ、初代の首相だったネルーに頼まれた。スイスのモダニスト建築家ル・コルビジュエが設計した、いわば、理想の人工都市チャンディガールという町の、その後60年の歴史を振り返るドキュメンタリィーでしたが、興味深く、面白く見ました。 ル・コルビジュエが、自らの理想を、インドの田舎に都市として実現できたことにまず驚きましたが、恐らく全世界的な動向である、人工の都市集中現象が進行するなか、理想を維持できなくなっている現状に、なんだか寂しいものを感じました。
現地の有識者たちの努力とは裏腹に、理想が維持できなくなっている現状に「いずこも同じ」現代社会の絶望的現実!
を見せつけられる思いでしたが、このチャンディガールでは、最初に計画植樹された樹木の伐採が禁じられているということで、街路樹として、ボクなんかの目には異様なる威容と映る大木!
が残されていることが夢のようでした。素晴らしいですね。
現代の資本主義社会、あるいは、例えば養老孟司が警告しつづけてきた脳化社会が、これからどうなるのかボクの知ったことではないわけですが、80年前のモダニストの理想が、今、押しつぶされていきつつあることは明らかなわけで、それを目の当たりにするのは、ナカナカでした。拍手! この作品は、多分、スイスの映画製作者の手によるものだと思いますが、被写体がインドということになると、やっぱり、踊るシーンが出て来て、それも面白かったですね。拍手!
監督・撮影 カリン・ブッハー トーマス・カラー
編集 トーマス・カラー ミリアム・クラーケンベルガー ファビアン・カイザー
音楽
アトゥール・シャルマ
キャスト
グルチャラン・シン・チャンニ
ディーピカー・カンディー
シッダールタ・ウィグ
ディワーン・マーンナー
2023年・85分・スイス
原題「Kraft der Utopie - Leben mit Corbusier in Chandigarh」
2026・06・01・no101・元町映画館no372