鈴ノ木ユウ「竜馬がゆく 16 」(文藝春秋社)
2026年5月のマンガ便です。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を鈴ノ木ユウさんがマンガ化している「竜馬がゆく」(文芸春秋社)の第16巻です。 坂本龍馬は、いわゆる、幕末動乱の時代の人ですが、16巻では歴史の教科書で「文久3年8月18日の政変」と呼ばれている、まあ、クーデター後の土佐藩が舞台です。
尊王攘夷に傾いていた土佐藩で、公武合体派の山之内容堂が復権し、武市半平太率いる土佐勤皇党弾圧が始まります。
まあ、今ふうにいえばテロリズムの応酬の時代ですし、登場するのは、今となっては歴史上の人物たちなのですから、一つ一つに胸痛めてもしようがないのですが、例えばこの表紙、鈴ノ木ユウの絵柄としては、あまり見かけない暗さに充ちていて、この人物が、人切り以蔵の名を歴史に残した、土佐藩の剣客岡田以蔵だと知ると、やっぱり哀れを感じますね。
司馬遼太郎の原作が、主人公の竜馬だけでなく岡田以蔵とか、武市半平太という途上で倒れていった人たちに対してやさしかった記憶がありますが、鈴ノ木ユウさんの絵柄はそれを引き継いでいますね。
で、彼らを拷問するのが、若き日の板垣退助であり、後藤象二郎であること書き落とさない所に司馬歴史観の本領を感じます。
まあ、何はともあれ、竜馬だってあと数年の命なわけで、ここからが大変ですね(笑)。
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