チャールズ・バーネット「キラー・オブ・シープ」元町映画館
「Charles Burnett Everyday Blues」という2本立ての特集の2本目。UCLA映画学科で学んだらしい監督の卒業制作らしいですね。
見たのはチャールズ・バーネット監督の「キラー・オブ・シープ」、1977年の映画でした。 なんか、題名が過激ですが、食肉工場で働く男性スタンと妻、男の子二人の家族をストーリーの軸にしながら、1970年代のアメリカ、ロサンゼルス、ワッツ地区で暮らす人たちの日常を描いた作品でした。
事件らしい事件が起こるわけではありません。印象に残ったのは子どもたちの姿でした。見ているこっちを、妙にハラハラさせる遊びの風景なのですが、恐らく、貧困と差別のど真ん中で生きているにちがいない彼らの姿を、正真正銘の無邪気さとしてフィルムに刻み付けているチャールズ・バーネットという人の世界の見方にうたれたんでしょうね。
1970年代、この作品がとられていた頃ボクは20代でした。もしも、当時、この映像を見ていたらどう感じたのだろうという感慨を呼び起こす映像でした。
上映後、会場でトークがありました。 川村りらさん(脚本家・俳優)、野原位さん(映画監督)、野崎敦子さん(本特集協力)、土井理代さん(After School Cinema Club)という、この作品の上映に努力されている方や、野原位さんといえば、今、話題の濱口竜介さんの監督作品「ハッピィ―アワー」の脚本を書いた人ですし、川村リラさんといえば、その作品に出ていた女優さんですが、そういう方のトークでした。
楽しいチャールズ・バーネットの紹介という趣のトークショーでした。いつもは、こういうイベントには参加しないのですが、なんとなく、聞いていて壇上の人たちが40代~50代の方で、映画が描いている「70年代のアメリカ」、あるいは、それは「日本」でもいいのですが、映画が映し出しているその時代の実感がないのだなあということを強く感じました。
まあ、当たり前のことなんですけど、新しい映画を作っていらっしゃるこういう若い方たちとの、経験の「壁」のようなものついて、どう考えていくべきなのか、面白い問題提起の時間でした。 監督・製作・脚本・撮影・編集 チャールズ・バーネット
キャスト
ヘンリー・ゲイル・サンダース
ケイシー・ムーア
チャールズ・ブレイシー
アンジェラ・バーネット
ユージーン・チェリー
ジャック・ドラモンド
1977年・81分・アメリカ
原題「Killer of Sheep」
2026・06・06・no105・元町映画館no374