ペトラ・フォルペ「ナース・コール」シネマ神戸
久しぶりに神戸シネマの2本立てに出かけました。もっとも、2本見る根性はなくて、1本目で納得して席を立ってしまったのですが(笑)。 見たのはペトラ・フォルペというスイスの女性監督による「ナース・コール」でした。封切館で見落として、何となく気になっていたら神戸シネマがやってくれていたので飛びつきました。
イヤァー、疲れました!(笑)
通勤バスのスタートから、多分、8時間だか、9時間後の帰宅バスで隣に座った女性の肩に頭を預けてウトウトする後姿に、見ているこちらがホッとするシーンまで、カメラはレオニー・ベネシュさん演じる、公立病院の病棟看護師フロリアさんを追い続けます。 もちろん、舞台が病院ですから医者も出てきますし、インターン実習のアメリアさんとか、同僚看護師のベアさん、十数人いる入院患者さんたち、そしてその家族、という登場人物たちがいます。特に、フロリアさんが出会う、その患者さんたちも、まあ、入院病棟ですから当たり前ではあるのでしょうが、それぞれ命懸けで、それゆえに個性的です。
しかし、映画の主人公は、その現場で動き続けるフロリアさんでした。血圧や体温の測定はもちろん、痛み止めの投薬、点滴の取り換え、おむつの世話、食事や飲み物の世話、話し相手、とどのつまりは退院患者の忘れ物確認、亡くなってしまった患者さんの死体の世話、次々と起こる出来事の、あまりの多忙さに、目を瞠る展開です。頼むから失敗しないで!
まあ、そう祈りながら見ていましたが、演じているレオニー・ベネシュという女優さんの表情が、ホント、いいんですよね。 見ているこっちが疲れ果てるのを救う美しさというか、やさしさが表情からにじみ出ているかのようすで心を打たれました。拍手!ですね。
映画は、彼女の境遇についても描いていますし、同じ忙しさで働く同僚とのぶつかり合いと信頼、患者さんとのやり取りの軋轢と和解も、ある種ユーモラスに、無理なく描いていてホッとする結末でした。
フロリアさん、本当に、今日もご苦労さまでした。
そんなふうに終わってくれた監督ペトラ・フォルペさんにも拍手!ですね。
それにしても、この映画が描いている看護職とか、先日見た「急に具合が悪くなる」の介護職とかについて、そういう現場で働く人たちの、仕事の上での人との出会いを、しんどいけれど、肯定的に描いてくれるこういう作品はうれしいですね。拍手!監督・脚本ペトラ・フォルペ
製作 レト・シャールリ ルーカス・ホビ
撮影 ユーディット・カウフマン
美術ベアトリス・シュルツ
衣装リンダ・ハーパー
編集 ハンスエルク・バイスブリッヒ
音楽 エミリー・レビネイズ=ファルーシュ
キャスト
レオニー・ベネシュ(フロリア 病棟看護師)
ソニア・リーゼン(ベア 同僚)
アリレザ・バイラム(ジャン 同僚)
セルマ・ジャマール・アルディーン(アメリー)
ウルス・ビーラー(ロイ)
マルゲリータ・ショッホ(クーン)
アルバーナ・アガイ(オスマニ夫人)
リドバン・ムラッティ(オスマニ氏)
ユルバン・ギゲムデ(ナナ)
エリザベス・ロッリ(ラウバー)
ドリス・シェーファー(シュナイダー氏の娘)
ユルク・プリュス(セヴェリン)
エレミヤ・チュン(ソン)
エバ・フレドホルム(ビルギン)
アンドレアス・ボイトラー(フンガービューラー)
ラーレ・ヤバシュ(モリーナ)
ドミニク・レンディ(フライ)
アンナ=カタリーナ・ミュラー(病棟医レオニー)
2025年・92分・G・スイス・ドイツ合作
原題「Late Shift」
2026・07・03・no127・シネマ神戸no030