アンドレイ・タルコフスキー「ストーカー」元町映画館
元町映画館で
没後40年 タルコフスキー特集 超域の映像 2026
という特集が始まりました。で、でかけました。 特集の初日で土曜日です。なんと、まあ、60席しかないミニシアターではあるのですが、大学生らしき若い方たちで、ほぼ満席の盛況で驚きました。
見たのはアンドレイ・タルコフスキー監督の1979年の作品、「ストーカー」です。 タルコフスキーとか、ボクにとっては20代の頃の「惑星ソラリス」あたりの記憶しか残っていない、まあ、ホントは何にも残っていませんが、そういう映画監督です。
ロシア映画の研究者というか紹介者で、最近、ネーヤ・ゾールスカヤという方の「時代に永らえる映画」(未知谷)というソビエトの映画評論・エッセイの本を翻訳、出版されたOさんという、なぜかお知り合いの方がいらっしゃいます。
で、その彼女から
「元町でタルコフスキーの特集やるらしいから、1本でもいいから見てね。」
で、やって来たわけですが、題名の「ストーカー」は、今どきでは他人の行動や生活を覗き見する犯罪の意味で流通している言葉です。ボク自身、そうなのかなと思って見始めましたが、違いました。
「密猟者」くらいが、多分、普通の訳で、この映画では「ゾーン」と名付けられ、一般市民立ち入り禁止の地域にあるといわれる、謎の「願掛けの部屋」への「案内人」を名指す言葉でした。
映画はストーカーの案内で、物理学の教授と小説家が出かけて行き、帰ってくるお話で、願いがかなう部屋の存在、だから人間の欲望を巡って、科学者と文学者と一般市民との三つ巴の議論の山した。
70年代のソビエトロシアを描いた作品らしいなあというのが率直な感想でしたが、チラシの写真に写っている少女の読書のシーンで、唸りました。
ここまで、欲望充足の目的地を目指す大人の男3人の、いかにもタルコフスキー!
まあ、そういいたくなる摩訶不思議な映像体験でしたが、生まれながらに足が不自由なこの少女が、多分、誰かの詩集を抱えて声に出して読むのです。すると、彼女の目の前の机の上のコップが滑るように動くんですね。 ザンネンなことに、彼女の朗読していた詩のことばは忘れてしまいました。「これは、なんなんだ?!」
はい、これこそ、確かに、タルコフスキー体験!でした。拍手!
監督・美術 アンドレイ・タルコフスキー
原作・脚本アルカージー・ストルガツキー ボリス・ストルガツキー
撮影 アレクサンドル・クニャジンスキー
音楽 エドゥアルド・アルテミエフ
キャスト
アレクサンドル・カイダノフスキー(ストーカー密猟者)
アリーサ・フレインドリフ(ストーカーの妻)
アナトリー・ソロニーツィン(作家)
ニコライ・グリニコ(物理学の教授)
1979年・163分・ソ連
原題「Stalker」
2026・07・04・no128・元町映画館no384