真壁幸紀「シンシン・アンド・ザ・マウス」シネリーブル神戸
吉本ばななの原作の映画化、ただそれだけに興味を惹かれて見ました。
真壁幸紀という、やっぱり知らない監督の「シンシン・アンド・ザ・マウス」です。 吉本ばななという作家が「キッチン」(新潮文庫)という作品で海燕新人賞を取ってデビューしたのが1987年ですね。
彼女が、あの吉本隆明の次女だということは、すぐに知れ渡って、ボクも、その話題に乗って読んだ記憶があります。彼女の作品にただよう独特な空気感が面白くて読み続けていましたが、お父さんが亡くなったころから読まなくなって、10年くらい経ちました。
で、なぜ、今、吉本ばななに?
なんですが、つい、先日、「シマクマさん、バナナお好きでしょう。こんな話、知ってます?」
といって文学好きのお友達教えてくれたネット上の情報なんですが、それが、この作家にとっての高名な父親ということばかりに気を取られていた吉本家の、娘たちと母との話だったんですね。詳しいことは、吉本ばなながネットで公開しているらしいノートだかをさがしていただきたいのですが、母と娘、姉と妹の、ちょっと想像を絶した話でした。 で、「シンシン・アンド・ザ・マウス」という、この映画です。
原作は、「ミトンとふびん」(新潮社)という、2022年谷崎潤一郎賞を取ったらしい、まあ、ボクは読んでいない短編集に収めらている作品のようです。母をうしなって傷心の娘、光岡ちづみという女性が旅先の台湾での、新しい出会いをする話でした。「立ち直りを描いた美しい映画だった。」
チラシに載っている吉本ばなな自身の感想の結びの言葉です。はい、その通りでした。 なにが、どう、ということを振りかえると、要するに、偶然の出会いに始まり、愛し合うという結論に至る、二人の男女が母について語り合う物語
だったと思うのですが、最初から最後まで作り話にしか思えなくて、ちょっと疲れた気分で見終えました。 主人公のちづみを演じる岸井ゆきのさんも、シンシンを演じるツェン・ジンホアくんも悪くないんです。二人に間で交わされる会話も悪くないです。シンシンの日本語に引っかかる人はいるかと思いますが、ボクには自然でした。ただ、二人の間で語り合われ、映像としても映し出される、記憶の中での、それぞれの母との関係、そして、今のありさま、その二人の成り行きに、ちょっと、ついていけなかったんでしょうね。
まあ、美しいラブ・ストーリィーというよりも、心理ドラマとして見てしまっていたわけですが、こういうのって、リアルなんでしょうかね?
映画を見て面白ければ、久しぶりにばななを読んでみようかとか思っていたんですが、ちょっと、すぐにとび付きたいとは思いませんでしたね。まあ、ヒマですから、また、読んだら案内しますね(笑)。
監督・脚本・編集 真壁幸紀
原作 吉本ばなな
脚本 加藤法子
主題歌 藤原季節 asマサミチ
キャスト
岸井ゆきの(光岡ちづみ)
ツェン・ジンホア(シンシン 田口真吾)
藤原季節(マサミチ)
中田青渚(サチ)
柄本時生(ライブハウスの店長)
伊勢佳世(クリーニング店の店員)
飯田基祐(蓮沼弘喜)
リン・チェンシー
エンジェル・リー
リン・メイジェン
余貴美子(光岡沙都子 母)
2026年・108分・G・日本
2026・07・08・no132・シネリーブル神戸no396