ちばてつや「わたしの金子みすゞ」(ちくま文庫)
今日の本はちばてつや「わたしの金子みすゞ」(ちくま文庫)です。2026年6月のマンガ便で届いた本なのですが、どっちかというと読書案内です。
確かにすべての詩にちばてつやさんのイラストがついていて、それははマンガなのですが、内容は 「みすゞお姉さんとてっちゃんの絵日記」
と腰巻にもあるとおり、ちばてつやさんの編集する金子みすゞ詩集ですね。トラキチ君が、これを読んだのか、と、ちょっと驚きましたが、これが、なかなか素朴でイイんですね。 たとえば、「にはとり」という金子みすゞさんの詩があります。
にはとり 金子みすゞ
お年をとった、にはとりは
荒れた畑に立って居る
わかれたひよこは、どうしたか
畑に立って、思つてる
草のしげつた、畑には
葱の坊主が三四本
よごれて、白いにはとりは
荒れた畑に立つてゐる
という詩です。で、さし絵がこれ。
で、ちばてつやの文章の日記がこんな感じ。昔、僕の友だちがお祭りでひよこを買ってきたんだけど、
それが雄鶏で。朝っぱらから鳴いて近所迷惑だっていわれて
困っていた引き取ったことがあります。
長いこと我が家の庭にいたけれど、鳥でも動物でも、
立ってまわりを見回している姿って、すごく風格がありますよね、
表情がないけど風格がある。この詩にも、そんな威厳を感じるのだけど、
「わかれたひよこは、どうしたか」という一節に、
奉公に出した子どもを思う親心のような寂しさも同時にかんじたのです。(P20)
金子みすゞさんが今の若い方たちにどんなふうに読まれているのかよく知りません。でも、90歳を目前にしていらっしゃるちばてつやさんの素直な感想となつかしいイラスト
は若い人たちにも届いてほしいですね。久しぶりに金子みすゞの詩を楽しく読み返しました。とてもいい詩集だと思いました。トラキチ君、ありがとう!
でした。
2026-no074-1289