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カテゴリ:映画・読書案内 パレスチナ・中東
ディーナー・ホサーム・アブールバイア「ガザ ある戦争の物語」(地平社)溝川貴巳訳 山本薫解説 今日の案内は市民図書館の新着の棚で見つけたディーナー・ホサーム・アブールバイア著「ガザ ある戦争の物語」(地平社)です。2026年4月28日の新刊です。早稲田の大学院生である溝川貴巳という方が、パレスチナで出版されていたこの本の所在を知り、あれこれ苦心して著者とつながり、翻訳、地平社が出版を引き受けた本のようです。 で、読み始めると著者のディーナー・ホサーム・アブールバイアという方が、 「心優しい日本の皆様」という巻頭のメッセージでこんなふうに自己紹介なさっています。 これは2025年の8月に書かれたメッセージの一部です。で、文末の2026年の3月の追記にはこう書かれています。 六か月前に第一子のアミールを授かりました。私はずっと、この子がこの世にやってくることを恐れていました。私たちは封鎖と破壊と虐殺のただ中におり、およそ生きているとは言いがたい人生を送っていたのです。しかし、神様のお計らいで、ガザに対する戦争が終わった後にこの子が生まれ、状況はいくらか良くなりました。(P5) 10数篇の短い物語が載せられています。どんな作品が載っているのか。たとえばこんな物語です。 打ち砕かれた願い 読みながら、あまりのことに、これは事実なのだろうか?という疑問が浮かんできてしまう内容です。しかし、文末にこんな追記が記されているのです。 ※ドゥニヤー・アブー・モフセンは二〇二三年一二月一八日に亡くなった。事実なのですね。 日本という国で暮らすボクたちは、おそらく、アメリカ経由の報道しか知ることができないまま、 イスラエルがガザで何をしているのか? ということを知ることができない社会に暮らしているという現実があります。 遠く、海の向こうで起こっていることという他人事として、例えば、停戦とかの報道を目にすれば、そのまま忘れていく暮らしです。平和この上ない毎日です。しかし、実際にガザというところで暮らし、赤ちゃんを産み、世界に向けて事実を伝えようとしている人がいるのです。こうして、彼女が伝える「事実」を翻訳した青年がいて、出版する本屋があるのです。事実を知ることで、ボクの暮らしがどう変わるのか、やっぱり、他人事のままなのか。心もとないことおびただしいのですが、こうして、 こんな本がありますよ!と紹介することくらいはできるじゃないか、まあ、そういう思いの案内です。 1作、1作はそれぞれ短くて、すぐに読み終えることができます。しかし、この本に描かれている内容はすぐに忘れてしまうことができるとは思えません。 もの凄い、作品だと思います。一度読んでみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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