タク・セウン「怪速急行■■行き」シネリーブル神戸
実は、多分、別の映画館でリバイバルされるはずの「新感染なんとか」とかいうパニック映画と勘違いして見ました。 「こういうのもご覧になるのですね?」
「うん、パニック映画やろ。」
「???」
チケットを購入しながらの馴染みの受付嬢とのやり取りですが、「???」には、「ちがいますけど。」
が入るんですよね。見ながら気づきました。 見たのはタク・セウン監督の「怪速急行■■行き」でした。
ホラー動画をユーチューブとかに載せて再生回数を稼ぐのに夢中なダギョンという、可愛らしい、多分20代の女性をチュ・ヒョニョンさんという女優さんが演じているの物語でした。
映画が始まって目当ての作品ではないことにはすぐ気づきましたが、「怖い」のが嫌いなボクが、一度もビビることなく見終えました。まあ、要するに怖くなかったということですね(笑)。
ホラーのパターンが何通りか出てきますが、ダギョンさんが作る怖い話よりも、ウケたい一心の彼女の中に渦巻く、今ハヤリの言葉でいうと承認欲求っていうんですかね、自己肯定とかの欲望に壊れていくアイデンティティーの方が「怖いよ!」とでもいう結末でした。
ボクはネット上の動画とかについては関心がありませんが、たとえば、最近の小説作品でも、ウケを狙った、だから、売れることがまず目的なんだろうなと思わせる作品に出会うことがあります。ボク自身にしても、こうしてアホな文章をブログとかに載せて「イイネ」とかの数に心躍らせているわけですから他人ごとではないのですが、若い方が、クリエーターとか作家さんとか呼ばれて、お金まで絡むとなれば、歪むでしょうね。 まあ、そのあたりが射程に入っていることがこの作品の面白さでした。タク・セウンという監督には拍手!ですね。
もう一つ感じたのは、インターネットの世界で「自己表現」する、若い人たちの世界を垣間見ることができたのが面白かったですね。
以前、ネット詐欺を集団でやっている映画シーンに驚いたことがありますが、今回はユーチューブとかを会社組織でやっているのに驚きました。ホント、世の中についていけてませんね(笑)。
監督 タク・セウン
製作 キム・ヨンミン
脚本 チョ・バルン
撮影 クォン・ヨンイル
編集 キム・ウイル
音楽 チョ・ソンジン
キャスト
チュ・ヒョニョン(ダギョン ユーチューバー)
チョン・ベス(駅長)
チェ・ボミン(ウジン プロデューサー)
2025年・95分・G・韓国
原題「괴기열차」英題「Ghost Train」
2026・08・05・no146・シネリーブル神戸no403