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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

2022.02.23
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​​​​​​ウェス・アンダーソン「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」OSシネマズミント​​
 ウェス・アンダーソンという監督の作品は「犬が島」しか見たことがありません。ストップモーション・アニメとかで、今一のれなかったのでしょうね、なんとなく関心を失っていました。2月の初めころだったでしょうか、久しぶりに帰宅したピーチ姫​「フレンチ・ディスパッチ見たよ。ええよ!」​といったのが気になって見に来ました。
 ひさしぶりのOSシネマズ・ミントです。見たのはウェス・アンダーソン監督の​「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」です。なんだかやたら長い題名で、ひょっとしたらオタク映画かなと思いましたが、やっぱりそうでした。(笑)​​​

 アニメだとばかり思いこんでいたので、人間が動いていて「おや!?」と思って引き込まれました。
 お話はフランスにあるアメリカ向けの雑誌が廃刊になるらしいのですが、最終号の記事の紹介という設定でした。
​​​ 一つ目が「自転車レポーター」という題で、雑誌社の編集部があるアンニュイ=シュール=ブラゼという、古びた町の、その中でも怪しい地区を自転車に乗った記者サゼラック(オーウェン・ウィルソン)が突撃取材するお話で、まあ、「ふーん、そういう雑誌ですか」という気分で見ていたのですが、以前見た「犬が島」を彷彿とさせる「マンガ的(?)」な街角や建物の絵というかシーンが、「犬が島」のときはめんどくさい気がしたのですが、なぜだか、今回は、やたら面白いのです。
 実写(?)の人間とマンガ的なセットも組み合わせですが、自転車という小道具のせいでしょうか、ぴたりとはまっているんですす。​​​

​​​​ 二つ目は「確固たる名作」。めちゃくちゃな殺人事件で懲役50年の刑に服するモーゼス(ベニチオ・デル・トロ)という囚人が絵を描くわけですが、部屋の中央で完全ヌードのモデルをしているシモーヌ(レア・セドゥー)は、じつは女性看守で、その絵を傑作に仕立てていくのが、なんだかインチキ臭い美術商ジュリアン・カダージオ(エイドリアン・ブロディ)というお話でした。​​​​
​​​ いろいろ、小ネタいっぱいなのですが、モデルのシモーヌのポーズが笑わせました。モーゼスが描いているのは抽象画なのですが、彼女は素っ裸のまま柔軟体操というか、変なポーズで直立しているのです。なんの意味があるのか、全くわからないのですが、シーンとしては実に印象的で、やっぱりなんだかおかしいわけです。​​​
 最後は刑務所ごと作品を買い取るとかなんとか、とんでもない大ごとになるのですが、まあ、好きにしてくださいという感じでした。
​​​​​ 三つ目が「宣言書の改訂」で、ちょっとお目当てのフランシス・マクドーマンドルシンダという社会派の記者の役で登場します。まあ、この映画にそろいもそろった有名俳優で、名前と顔が一致するのは彼女だけという興味で、大した意味はありません(笑)。彼女の情事の相手が学生運動のリーダーでティモシー・シャラメという男前の俳優です。​​​​​
​ たぶん、1968年ころの5月革命ネタが、チェスの勝負に戯画化されているのですが、ちょっとありがちな気がしました。それより、モーターバイクのヘルメット姿で登場するジュリエット(リナ・クードリ)という学生さんが印象的でした。第1話と似ていて、今度はバイクですが、この監督独特の背景を横切る動きがやはり面白いかったのですね。​
​​ 4つ目が「警察署長の食事室」というありえないグルメ・ミステリーでした。見ていて感心したというか、気になったのは室内の場面のセットとかが、実に細かく作られていて、今どきのことですからコンピューター・グラフィックで描いただけの絵が組み合わされているのかとも思いましたが、どうも、これは、実際に作って、そこで撮っているんだろうという印象で、そのセットを作らせているウェス・アンダーソンという監督の「オタク」ぶりに感心しました。​​
 人間の俳優が演じる実写映画なのですが、定規で線を引いて書いた四角い小部屋、マンガでいえばコマですが、その一つ一つ中から監督のファンタジックな世界がどんどん湧き出てくるのですが、動きが止まれば、まあ、ぼくのイメージではということなのですが、瞬時に四角い「マンガの世界」に戻るのです。これは初体験でした。このイメージの動きは興味深いですね。
 映画は雑誌の記事を描いていましたが、なんだか写真とト書きの多いマンガを読んでいる感覚が軽やかで楽しい作品でした。
 一コマ、一コマのシーンにも、印象的なものが多いのですが、一日たってみるとお話を思い出すのに苦労するのも、たぶんこの作品の特徴なのでしょうね。
​ 何はともあれ、ウェス・アンダーソンの名前は完全に覚えました(笑)。拍手!ですね。​
​ それから、わけのわからない絵のモデル、シモーヌさんの笑える演技にも拍手!。いやホント、ご苦労様でした。​
 帰りに、珍しくパンフレットを買おうと思ったのですが、売り切れていました。ザンネン!皆さん、まあ、人のことは言えませんが、小ネタが気になるようですね。仕方がなにのでミントの写真を貼っておきます。
監督 ウェス・アンダーソン
原案 ウェス・アンダーソン  ロマン・コッポラ  ヒューゴ・ギネス  ジェイソン・シュワルツマン
脚本 ウェス・アンダーソン
撮影 ロバート・イェーマン
美術 アダム・ストックハウゼン
衣装 ミレナ・カノネロ
編集 アンドリュー・ワイスブラム
音楽 アレクサンドル・デスプラ
音楽監修 ランドール・ポスター
キャスト
ビル・マーレイ(アーサー・ハウイッツァー・Jr編集長.)
ティルダ・スウィントン(J・K・L・ベレンセン記者)
フランシス・マクドーマンド(ルシンダ・クレメンツ社会派記者)
ジェフリー・ライト(ローバック・ライト食べ物記者)
オーウェン・ウィルソン(エルブサン・サゼラック自転車の記者)
ベニチオ・デル・トロ(モーゼス・ローゼンターラー天才画家で殺人犯)
エイドリアン・ブロディ(ジュリアン・カダージオ美術商)
レア・セドゥー(シモーヌ女性看守)
ティモシー・シャラメ(ゼフィレッリ・B 学生活動家)
リナ・クードリ(ジュリエット へルメットの女性活動家)
マチュー・アマルリック(アンニュイ警察署長)
スティーブン・パーク(ネスカフィエ警察の料理人)
リーブ・シュレイバー
エリザベス・モス(記者)
ギョーム・ガリエンヌ
エドワード・ノートン(誘拐犯)
ジェイソン・シュワルツマン(エルメス・ジョーンズ風刺漫画家)
ウィレム・デフォー(アバカス囚人)
トニー・レボロリ
ロイス・スミス(美術収集家)
ルパート・フレンド
シアーシャ・ローナン(ショーガール)
ボブ・バラバン(美術商のニックおじさん)
ヘンリー・ウィンクラー(美術商のジョーおじさん)
セシル・ドゥ・フランス
イポリット・ジラルド
アンジェリカ・ヒューストン
2021年・108分・G・アメリカ
原題「The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun」
2022・02・22-no21・OSシネマズミント神戸


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最終更新日  2022.02.23 12:50:06
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2021.10.26
​​​リドリー・スコット「最後の決闘裁判」OSシネマズミント​
 リドリー・スコットという人は,今や巨匠と呼ばれる映画監督で、現役、映画に長くご無沙汰していたぼくでも「エイリアン」とか「テルマ&ルーズ」とかから、最近では「ゲティ家の身代金」とかでしょうか、結構見ている監督さんです。人気の監督さんなのでしょうね、今日はOSシネマズミントで上映中の​「最後の決闘裁判」​​​​​​​にやって来ました。
 今回はヨーロッパの時代劇ですね。14世紀くらい、日本なら鎌倉時代くらいでしょうか。国王がいて、領主がいて、家来の騎士・従騎士がいるという時代設定で、領主の伯爵ピエール役がベン・アフレック、なんというか、伯爵に姑息に取り入る従騎士ジャック・ル・グリ役が、最近よく見かけるアダム・ドライバーで、まあ、実直な戦いの人で、戦闘の功績で騎士に昇格するジャン・ド・カルージュ役を、この人もどこかで見かけることのよくあるマット・デイモンです。​​​​​​

​​ で、カルージュの美貌の妻マルグリットを演じているのがジョディ・カマーという女優さんです。意志的な表情の美しさが印象に残る女優さんで、名前を覚えそうです。​​
​​​ 題名になっている「決闘」は、留守の間に妻を凌辱されたカルージュが、明らかに手段を弄してレイプに及んだジャック・ル・グリ「真実」を決するために闘うのですが、勝者が「神」が選んだ真実の体現者というわけです。まあ、そういう時代ということです。​​​
 見ながらめんどくさいなと思ったのは、「レイプ」に至る真相が、まあ、今風に言えば被害者である女性マルグリット、彼女の夫カルージュ、加害者ジャック・ル・グリの三者の視点から、三度繰り返されるのですが、違いが微妙でよく分からないんですよね。
 要するに、加害者が主張する「合意」、まあ、双方からの「愛」なのでしょうね、があったかなかったかを描こうとしているようなのですが、この描き方の意図はいったい何なんでしょうね。
 確か内田樹だったと思いますが、この監督の出世作「エイリアン」をネタにして、アメリカ映画の「ミソジニー」について論じていたと思いますが、それを思い出しました。
 「愛」「あこがれ」の心理の内面をさぐるといえば、聞こえはいいのかもしれませんが、同じレイプシーンを三度繰り返して映される被害者の、まあ、作り事とはいえ、苦痛を想像させる演出の意図に疑問を感じました。
 だいたい、映画全体が妙に「マッチョ」な印象で、なんだか、めんどくさい手の込み方で、あんまりいい感じがしなかった作品でした。

​​ とはいえ、戦闘シーンや、決闘シーンはリアルですし、アダム・ドライバーマット・デイモンの、それぞれの「くそ男ぶり」の演技は、なかなかリアルでしたし、なんといっても「美しさ」で、哀しく、猛々しい内面を演じたジョディー・カマーには拍手!でした。​​
監督 リドリー・スコット
原作 エリック・ジェイガー
脚本 ニコール・ホロフセナー  
   ベン・アフレック  
   マット・デイモン
撮影 ダリウス・ウォルスキー
美術 アーサー・マックス
衣装 ジャンティ・イェーツ
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
キャスト
マット・デイモン(ジャン・ド・カルージュ)
アダム・ドライバー(ジャック・ル・グリ)
ジョディ・カマー(マルグリット・ド・カルージュ)
ベン・アフレック(アランソン伯爵ピエール)
ハリエット・ウォルター
アレックス・ロウザー
マートン・ソーカス
ナサニエル・パーカー
2021年・153分・PG12・アメリカ
原題「The Last Duel」
2021・10・22‐no98 OSシネマズミント​​​

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最終更新日  2021.10.26 00:35:05
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2021.10.17
​​​​​​​​キャリー・ジョージ・フクナガ「No Time to Die」OSシネマズミント神戸​​​

 ​普段はこういう人が集まりそうな映画はあまり見ません。このご時世ですから、お客さんが多いというのがまずネックです。​

​ ショーン・コネリージェームス・ボンドの頃は(古い話で申し訳ありません)、名画座でまとめてみました。イアン・フレミングの原作も一時はまって読みました。最近、そういう企画にお目にかからないというか、3本立て4本立てをやるような名画座そのものがなくなっってしまいました。原作もフレミングとはかかわりない感じで、感心もわきません。007から遠く離れた感じで、本当にご無沙汰です。​
​ ところが、「ダニエル・クレイグボンドはこれが最後」と聞いて、「見ておこう」と思いました。実は「スカイ・フォール」という、この人のボンドの二作目を同じOSシネマズミントで見たことを思い出したからです。
 もう10年ほども前の話ですが、学生の頃から映画とかお芝居とか、いろいろ教えてもらってきた友人に誘われてみました。​

 で、記憶に残ったのが、始まってすぐのカー・チェイスのシーンと、M役だったジュディ・デンチという女優さん、そして、何処から見てもロシアのスパイにしか見えなかったダニエル・クレイグというボンド役の、なんというか、愛想の悪さでした。
 数年前から、映画館を徘徊しはじめて、ジュディ・デンチは、すっかりお気に入りになりましたが、ダニエル・クレイグとは一度も出会いませんでした。
「ダニエル・クレイグをもう一度見ておいてもいいな。」
 まあ、そんな気分で、あんまり来ないミントにやってきました。
 最初のサスペンス・シーンからカー・チェイス・シーンまで、やっぱり、結構どきどきしました。風景もさすがです。007懐かしいテーも流れてきますし、アストン・マーチンのヘッドライトの機関銃も炸裂して実に楽しい展開でした。
​​​​ ヒロインのマドレーヌ役のレア・セドゥーという女優さんが案外地味だなとか、勝手なことを思いながら、一方で、ボンド役のダニエル・クレイグさんを見て「ああ、あれから10年たったんだな。」とかしみじみしながら見ました。当たり前のことですが、役者さんの生身も年を取るのですよね。​​​​
​ まあ、最後の作品らしいラストで、「ええ、ホントにそれでいいの?」とか思っていると、字幕かなんかで「ボンドはまた帰ってくる」とかなんとか出てきて、笑ってしまいました。​
 なんといっても、客を飽きさせないし、流行りの病原体ホラーだし、ホント、うまいものですね。
​まあ、なんといっても、ちょっとイギリスのスパイっぽくなったダニエル・クレイグに、ごくろうさん!拍手!でした。​
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ
脚本 ニール・パービス  ロバート・ウェイド 
キャリー・ジョージ・フクナガ
フィービー・ウォーラー=ブリッジ
撮影 リヌス・サンドグレン
美術 マーク・ティルデスリー
衣装 スティラット・アン・ラーラーブ
音楽 ハンス・ジマー
主題歌 ビリー・アイリッシュ
キャスト
ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)
ラミ・マレック(リュートシファー・サフィン)
レア・セドゥー(マドレーヌ・スワン)
ラシャーナ・リンチ(ノーミ)
ベン・ウィショー(Q)
ナオミ・ハリス(マネーペニー)
ジェフリー・ライト(フィリックス・ライター)
クリストフ・ワルツ(ブロフェルド)
レイフ・ファインズ(M)
アナ・デ・アルマス(パロマ)
ビリー・マグヌッセン(ローガン・アッシュ)
ロリー・キニア(タナー)
デビッド・デンシック(ヴァルド・オブルチェフ)
ダリ・ベンサーラ(プリモ)
リサ=ドラ・ソネット(マチルド)
2021年・164分・G・アメリカ
原題「No Time to Die」
2021・10・15‐no94・OSシネマズミント神戸
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最終更新日  2021.10.17 00:18:28
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2021.05.11
​​クロエ・ジャオ「ノマドランド」OSシネマズミント
 感想を書きあぐねていたら2021年のアカデミー賞を取ってしまって、ますます書きにくくなってしまいました。
​​ 主役の女優さんが見たい一心で、普段はあまり行かないOSミントに出かけました。思ったほどの客数ではなくて、ちょっとホッとしましたが、映画は、中国系の女性監督クロエ・ジャオの撮った「ノマドランド」です。​​
​​​ 住居の倉庫から、当面必要な荷物と、大事な食器のセット取り出し、自動車に積み込んでファーンが出発します。そこから、ただひたすら、ファーンを演じるフランシス・マクドーマンドという女優の表情を見つめ続けていた映画でした。ぼくは、この人が見たくてやってきたのです。​​​
​​​ ちょっとした目の動き、首の傾げ方、話すときの口の動き方から目が離せない映画でした。どうしてそんなふうに見てしまっていたのか自分でもよくわからないのですが、映画の後半、もう終わりに近づいたころだったでしょうか、ファーンがかつて暮らした「家」に帰ってきて、だれも暮らさなくなった部屋を一つ一つ確認するようにのぞき込み、やがて、裏口のドアを開けて外に出ます。今まで生きてきた人生の大半、数十年という年月の間、毎日眺めて暮らした風景が遠くに映し出され、それを眺めるファーンの、いや、俳優フランシス・マクドーマンドの表情に見入りながら、涙が止まらなくなってしまいました。​​​
​​ このシーンに至るまで、ぼくには、ノマドの社会の「本物」のノマドたちと出会い、語り合うマクドーマンドの表情が、たとえば、明日からどこに移動して行くのかを語り、夜明けなのか、夕暮れなのか、薄暮の中で立っているリンダの表情には、とても及ばない「素人」に見えていました。
 ドキュメンタリーなタッチで、ドラマを成立させようとしている映画のスリリングな冒険のようなものを感じ続けていたということかもしれません。


​​
​ しかし、この帰郷のシーンでマクドーマンドの表情が変わりました。このシーンで、彼女は​​ファーン​の「我が家」であった建物に入り、荒れ果てた「生活の痕跡」​一つ一つと再会し、裏庭にでて、遠くの山並みに向かって歩き出すかとみえて、しばらく佇みます。そこにはファーンの人生の風景がありました。
 スクリーンには、その時、彼女が見ているものが映し出されていきます。​

 再び、カメラがマクドーマンドの表情に戻ってきたときに、はっとしました。​
​そこには、臆することのない、ぼくが見たかったマクドーマンドがいました。もちろん、涙の痕跡などありません。彼女だからこその、思慮深く強気の表情がそこにありました。
​​ そのとき、ぼくは俳優フランシス・マクドーマンドが、本物の「ノマド」になった、これは「スゴイ!」と感じていたのでした。​​
​​ マクドーマンドはその時、「資本主義」という、得体のしれない怪物がファーンから奪っていった、一つ一つを見ながら何をしていたのでしょう。
​​
 哲学者の​内山節​という人が、​「戦後思想の旅から」(草思社)​という本の中で、こんなことを書いているのを読んだことがあります。
​​ 現状の社会の与える自由が、自由の本当の姿であるのかどうかを疑う勇気、そして新しい人間の価値を発見していこうとする意志が、自由を発展させる生命力ではなかったか。ラスキも次のように述べていた。「あらゆる自由を全うする秘訣は依然勇気である。」
​ ​ファーン​を始め、​​​この映画の登場人物たちは、「現状の社会」からすべてを奪われた人たちだといっていいと思います。しかし、リンダがそうしているに違いないように、たとえすべてを奪われてしまったにしても、生きている限り、「新しい人間の価値を発見しようとする意志」だけは捨てない、​「自由を希求する人間」​であることをやめない人々の姿を映画は撮ろうとしていたと思いました。​​​
​​ その中に紛れ込んで、ここまで揺らぎ続けてきたファーンを演じていたマクドーマンドは、あのとき「過去」を捨てて、「未来」を向く、「帰ってゆくところ」を捨て、「出かけてゆくところ」を見つめる目をして立っていました。​​
​​​​​​ ファーン内山節の言う「自由」を奪い返さない限り「ノマド」にはなれません。あの意志的な表情で、自由を奪い返す、生き方は自分で決める「勇気」を、さりげなく演じきったマクドーマンドは、やはり、すばらしい俳優でした。彼女の表情を見つめ続けていた甲斐があったというものです。すばらしい!拍手!
​​​​​​

監督 クロエ・ジャオ
原作 ジェシカ・ブルーダー
脚本 クロエ・ジャオ
撮影 ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ
編集 クロエ・ジャオ
音楽 ルドビコ・エイナウディ
キャスト
フランシス・マクドーマンド(ファーン)
デビッド・ストラザーン(デイブ)
リンダ・メイ(リンダ)
スワンキー(スワンキー)
ボブ・ウェルズ(ボブ)
2020年・108分・G・アメリカ
原題「Nomadland」

2021・03・26-no31 OSシネマズミント



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最終更新日  2021.05.11 00:11:08
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2021.02.25
​​​​西川美和「すばらしき世界」OSミント
​                                        ​ 映画.com
​​​​​​ 西川美和という監督の「すばらしき世界」という映画の評判がいいらしいと知りました。昔、ポプラ文庫「ゆれる」という作品を読んだ記憶はありました。人間という存在の、根底がゆれている、そういう作品を書きたがっている人なんだろうなとボンヤリ感じたことが思い浮かんで、でも、評判になった映画「ゆれる」を見る気にはならなかったのですが、その後、テレビで見たことを思い出しました。​​​​​​
 どうしようかと逡巡しましたが、久しぶりのOSミントに出かけました。風は冷たいのですが、今日もいいお天気でした。
 建物の窓が遠景で映し出されていて、雪が降っています。カメラがだんだん引いて行って部屋の中で健康診断でしょうか、医者らしい人物と役所広司が対面しているシーンから映画は始まりました。
 カン違いかもしれませんが、風景を撮っているシーンが、少し緑がかっている気がしました。この監督の特徴なのでしょうか。
​​ 見終えて、心に残ったことがいくつかあります。一つは梶芽衣子が老けたことでした。「女囚サソリ」、あるいは「曽根崎心中の」の「お初」梶芽衣子が、確かに70歳を超えていることに、「そういえば、あの頃ぼくは20代だったのだ。」と、意味なく感動しました。​​
​​ 二つ目は、あの長澤まさみが、まあ、「やり手」のテレビプロデューサー役で出ていたのですが、エンド・ロールを見るまで気付かなかったことです。ぼくは本当に長澤まさみのファンといえるのでしょうか。​​いや、ホント!
​​ 三つ目は、役所広司「表情」ですね。最近見た「聖なる犯罪者」というポーランド映画で、内なる「暴力性」を隠し続ける青年の「表情」のドラマに感動しましたが、この映画を、その題名のモジリでいえば「お人好しの犯罪者」とでもいえばいいのではないでしょうか。​​
​​​​​​ 役所広司が演じる主人公三上正夫は、その「存在」の内側から、制御不能のまま噴き出してくる「暴力」に晒され続けた男であり、二十数年間の刑務所暮らしの人生を生きてきた人物なのですが、その「暴力」を禁じられた「カタギ社会」での生活の中での「戸惑い」「たじろぎ」の、「たよりない表情」を演じる役所広司には目を瞠りました。​​​​​​
 母の行方を探るために訪れた児童施設で、一瞬、「母か?」と思わせる女性と出会い、実は、母の消息が完全に失われていることを知るという一連の流れの後、施設の庭で子供たちとサッカーをするシーンがあります。上のチラシのシーンです。このシーンがクライマックスだと思いました。
 書きかけの入れ墨を背中に隠したながら、子供たちと一緒に走っている男の笑顔を見て、内側から湧き上がってきてしまう「暴力」をなだめるはずだった、たった一つの契機であるはずの「母」を永遠に失った男の哀しみが「笑っている」と思いました。
 「ああ。この人は、この「すばらしき世界」で、こうやって生きて来たんだ。それにしても、ここから生きていくことができるのだろうか。」
 それが、この場面を見ながら思ったことでした。それにしても、役所広司の表情が光った場面であり、映画だと思いました。
​​ 映画は予想通り(?)三上の命を絶つことでラストシーンに向かいました。映画の主人公は「お人好しの犯罪者」ではなく、「すばらしき世界」であるということなのでしょうが、どうだったのでしょう。​​​                                          ​映画.com
​​ 言わずもがなになりますが、西川美和という「表現者」は、「ゆれる」という小説でも思いましたが、わかってほしい人なのでしょうね。ただ、わかってほしいと感じさせる作品は、何というか、あと味が、少々、めんどくさいですね。   ​​
 帰り道で見上げた夕暮れの空に半月が出ていました。映画の中に、夜空の星を映すシーンがありましたが、あの星は何だったんでしょうね。
 監督 西川美和
 原案 佐木隆三
 脚本 西川美和
 撮影 笠松則通
 照明 宗賢次郎
 音響 白取貢
 美術 三ツ松けいこ
 衣装デザイン 小川久美子
 音楽 林正樹
 キャスト
  役所広司(三上正夫・ムショ帰りの男)
  仲野太賀(津乃田龍太郎・テレビのディレクター)
  六角精児(松本良介・町内会長)
  北村有起哉(井口久俊、区役所の人)
  白竜(下稲葉明雅・兄貴分)
  キムラ緑子(下稲葉マス子)
  長澤まさみ(吉澤遥・テレビのプロデューサ)
  安田成美(西尾久美子・別れた妻)
  梶芽衣子(庄司敦子)
  橋爪功(庄司勉・身元引受人・弁護士)

 2021年・126分・G・日本 配給ワーナー・ブラザース映画
 20210224ミント神戸


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最終更新日  2021.02.25 01:58:08
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2020.06.23

​​​​​​​グレタ・ガーウィグ「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」OSシネマズミント

 映画徘徊のシマクマ君、今日はOSシネマズミント「復活の日」でした。この映画館にはあまり来ないのですが、シネ・リーブルで見損ねていたプログラムがかかっているのを見つけて、久しぶりにやって来ました。
 見たのは「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」です。​

​​​​ 映画館が9階だかにあるのでロビーから三宮駅が見下ろせます。下から見上げている感じとかなり違って見えますね。手前がJR、向こうの高層が阪急三宮です。



 劇場に入る入場門(?)のところに、またしても体温計がありました。熱が高いとピンポンが鳴るそうです。面白いので写真を撮らせてもらいました。新コロちゃん騒動記念ですね。

 この劇場も一人とばしの座席です。前から10列目あたりの端に座ったのですが、しばらくすると、なぜか周りに人が集まってきます。他は空いているのですがどうしてでしょう。落ち着かない気分になりましたが、映画が始まりました。
 原作の「若草物語」はこれで4回目の映画化だそうです。ジジ臭い言いかたですが、ぼくたちの年頃の人には子供の頃に読んだ「アメリカ文学」のベスト3に入るのではないでしょうか。「トムソーヤーの冒険」「アンクルトムの小屋」、そしてこれでしょうか。ぼくでも、登場人物の名前を憶えていますが、チッチキ夫人は3回以上繰り返して読んだそうです。
 ともかくも、何となく知っている展開で映画始まりました。4人の娘の、それぞれの人生が、過去と現在の、行きつ戻りつで描かれてゆきます。「悪人」らしき人が誰も登場しないのは、原作のせいでしょうが、そんな中で「カネ」と「地位」こそが幸福の基礎であると考える伯母さんだけが、少々異質ですが、​​​メリル・ストリープがいい味を出していました。
 風景も美しい。俳優陣もいい感じ。衣装や小説を書くシーンも面白い。中でも、出版エージェントとジョーのやり取りに、おそらくこの映画の新しさと主張があるのだろうと思いましたが、何故か、今一ピンときませんでした。

 一番、感じたことは、いかにもな「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」に対する「信頼」の揺るがなさに対する「いら立ち」のようなものでした。
​​​ それは、ぼくにとってもアメリカ映画に対する好感の根拠だっったはずです。だいたい、明るい未来を予感させる、この感じの映画がぼくは嫌いではありません。若い女性の奮闘ぶり、自分に苦しむメグや、走るジョーなんて、とてもいい。その上「若草物語」を映画にすれば、そう描く以外にどう描くのかとも言えます。アカデミー賞でも高く評価されたらしい作品だと期待して見ました。​​​
 しかし、にもかかわらず「悪い映画だとは思わない。けど、ちょっとどうなのでしょうね、この既視感は?」という印象だったのです。
 コロナ以後の世界に対する、ぼくなりのペシミズムの結果なのでしょうか。


 明るく元気になれるはずだったのですが、いやはや、何とも言えない物足りなさが残りましたね。
 いつもは神戸駅まで歩くのですが、ミント・ビルのすぐ目の前のバス停の魅力に負けて、高速バスで帰ってきてしまいました。やっぱりOS系は相性が悪いのでしょうか。
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​​​監督 グレタ・ガーウィグ
原作 ルイザ・メイ・オルコット
脚本 グレタ・ガーウィグ
撮影 ヨリック・ル・ソー
美術 ジェス・ゴンコール
衣装 ジャクリーン・デュラン
編集 ニック・ヒューイ
音楽 アレクサンドル・デスプラ
キャスト

シアーシャ・ローナン(ジョー)
エマ・ワトソン (メグ)

フローレンス・ピュー (エイミー)
エリザ・スカンレン(ベス)
ローラ・ダーン (母)

ティモシー・シャラメ (ローリー)
メリル・ストリープ(マーチ叔母)
2019年・135分・アメリカ 原題「Little Women
20200622 OSシネマズミント

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最終更新日  2020.12.01 14:38:46
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2020.04.17
​​​​​​​​トッド・フィリップス「ジョーカー」OSシネマズ神戸ハーバーランド
                         ​​映画com

​ 封切られたのが、昨年の秋でした。「バット・マン」という映画の副主人公「ジョーカー」を主人公にした映画という触れ込みでしたが、まず「バットマン」をよく知りませんでした。何本もある「バット・マン」映画のうち一本か二本、多分テレビで見た記憶はありますが興味を持ったわけではありませんでした。ちらっと見たジャック・ニコルソンの顔だけが印象に残っていました。​

​ 彼は、ぼくは、45年前に神戸に来て初めて見た映画「チャイナタウン」以来、ぼくにとっては「追っかけ」の対象になった数少ない俳優の一人でしたが、「ジョーカー」役のひきつった顔はなかなかのものだと思った記憶はありました。​
​ で、今回の「ジョーカー」です。OS系の映画館が一週間限定、所謂リバイバルというか、昔でいえば二番館上映でした。​
​ こんなことをいうのは変かもしれませんが、当日、映画が始まって、ピエロの扮装をしている主人公役のホアキン・フェニクスを一目見たあたりから、「バット・マン」を忘れていました。​
​​ 映画は主人公アーサー・フレックの成育歴を暗示し、身体的、精神的成長過程の謎を解くことで、「ジョーカー」へと変貌する「悪」の真相を描こうとしているようです。​​
​ ぼくは映画の半分を過ぎた辺りで、この主人公がコミックの「バット・マン」の悪役であり、過去複数の役者が演じてきて、スクリーン上に何度も登場した「ジョーカー」トッド・フィリップス版解釈が繰り広げられていることにようやく思い至りました。​
 蓮見重彦的に言うなら「凡庸」ですね。目の前に繰り広げられる「異常事態」に対して、人というものは「解釈」を与えたいものです。で、その時に、出来事の因果を持ち出して安心するというのは文学の研究でもよくつかわれる手法ですが、それは、やはり、「ありきたり」というものではないでしょうか。
​​ そう思って、ふと、映画から心が離れるのを感じた、中盤を過ぎた、このあたりからがこの映画の圧巻でした。
 売れないコメディアン、アーサー・フレックは母を殺し、友人を殺し、あこがれのコメディアンを殺しますが、それはもう「成育歴」では説明できません。真正の「悪」、ジョーカーへと、何かが解き放たれた行動が一気に展開します。​​

​​​ 石段の上で踊るジョーカーが映し出されたあたりから、予感がし始めましたが、ありきたりの善悪の範疇を超えた、解釈不能な「悪」をスクリーン上に生み出したのはホアキン・フェニクスの演技だと思いました。演出は成育歴とその因果にこだわり続けていたようですが、ホアキン・フェニクスは身体的な桎梏から自らを解き放つダンスの喜びのような「悪」を、その全身と独特の表情で演じています。​​​
​ 最後のシーンで、悩める死刑囚アーサー・フレックに出会った善良なカウンセラーは不幸でした。湧きあがる「悪」の喜びの前で、医学や法律の制度に守られた「善」など物の数ではなかったでしょう。​
​ 真っ赤な血の足跡を残しながら、コミックの世界へ回帰するかのように去ってゆく「ジョーカー」を見ながら、思わず拍手という気分でした。
 いくら騒いでも、ほとんど、誰にも迷惑をかけない寂しい会場だったのですが、静かに席を立ちましたよ。もちろん、心は「悪」でしたがね。


監督トッド・フィリップス

製作トッド・フィリップス  ブラッドリー・クーパー  エマ・ティリンジャー・コスコフ
脚本 トッド・フィリップス  スコット・シルバー
撮影 ローレンス・シャー

美術 マーク・フリードバーグ
衣装 マーク・ブリッジス
編集 ジェフ・グロス
音楽 ヒドゥル・グドナドッティル
音楽監修 ランドール・ポスター ジョージ・ドレイコリアス
キャスト

ホアキン・フェニックス (アーサー・フレック/ジョーカー)
ロバート・デ・ニーロ(マレー・フランクリン:コメディアン)
ザジー・ビーツ (ソフィー・デュモンド:近所の女性)

フランセス・コンロイ (ペニー・フレック:母)
ビル・キャンプ (ギャリティ刑事)

シェー・ウィガム (バーク刑事)

ブレット・カレン (トーマス・ウェイン:父)
ダンテ・ペレイラ=オルソン(ブルース・ウェイン:義理の弟 後のバット・マン)

2019122R15+アメリカ

原題「Joker
2020・04・00 OSシネマズ・ハーバーランド


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最終更新日  2020.04.17 00:21:24
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2020.04.08
​​​ ​デイミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド」OSシネマズ・ミント​



 2017年アカデミー賞、もちろんアメリカの、14部門でノミネートされて、監督賞、主演女優賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞とまあ、総なめにした映画のリバイバルをOSシネマズ・ミントがやっていました。
 まあ、行きますね、やっぱり。ミュージカルとか、結構好きですし。で、やって来ましたが、予約せずにやってきた結果、ここはチケット購入が全部機械なんですね。オロオロしていると、チケット・ブースの女性がすぐに駆け付けてくれて、実に親切なフォロー、事なきを得ました。それにしても、この映画館は、やっぱり苦手ですね。
 早すぎたので、階下に降りて少し時間をつぶして会場に入ると、すでに暗くなっていて、何と本編が始まっているではありませんか。高速道路の渋滞の現場で、みんなが歌って、踊り始めています。いいですねえ。壮観です。
 という訳で、タイトルが出て、少し落ち着いたので周りを見廻しましたが誰もいる気配がありません。なんか、変です。
 映画の印象は悪くありません。でも、ぼくは多分この主演の男性ライアン・ゴズリング があまり好きではないようです。単なる好みなのでしょうが、結局、最後までノリ切れませんでした。この顔ですね。


 「映画」の「映画」というか、どこかで見たようなシーンが山盛りです。全部解説できればカッコイイのでしょうが、もちろん、ぼくにそんな能力はありません。要するに「なんとなく」です。
 ラストシーンもひねっているのでしょうが、シャラクサイ解説に思えて、これものり切れませんでした。の
 終わってみるとオープニングのシーンを超える場面が、音楽としてもダンスとしてもなかった印象でした。もちろん好みの問題なのでしょうが、ちょっとため息が出ました。

 劇場が明るくなって驚きました。300人は入るだろうというホールだったのですが、はるか彼方に一人だけ相客が座っていました。今年の最小観客鑑賞、ぼくのですよ、でした。
 それにしてもアカデミー賞総なめの映画という期待は、ちょっと裏切られてしまいました。
 ミントのショッピング街を覗き見しながらエスカレーターで2階まで下りました。濃厚接触の可能性は限りなくゼロに近い様子でした。外に出て、南に歩道橋を渡って、センター街を避けて南に歩いて、大丸の南の道を西に歩きました。
 気になったので、三丁目の交差点で北に上がって元町映画館に立ちよると知り合いのモギリのオネーちゃんがいて、感想を聞いてくれました。
「OSも客、おらんかった。二人鑑賞は初めてやで。『ラ・ラ・ランド』やから人おるんかなって思ってたけど。」
「テレビとかで、何回もやってますからね。もう、みんな見てるんですよ。」
「そうなんか、知らんのはぼくだけか?でも、最初のシーンはええね。まあ、あれだけで、見た見たいいたなるな。」
「それはいえますね。」
「最後のシーンとかめんどくさかった。」
「イヤ、逆に、あれじゃないともう!やなって思いましたけど。」
「ああ、そういうもんか。ほんなら、明日また寄るわな。」
「はい、お待ちしてます!」​

監督 デイミアン・チャゼル
製作 フレッド・バーガー  ジョーダン・ホロウィッツ  ゲイリー・ギルバート  マーク・プラット
製作総指揮 モリー・スミス  トレント・ラッキンビル  サッド・ラッキンビル
脚本 デイミアン・チャゼル
撮影 リヌス・サンドグレン
美術 デビッド・ワスコ
衣装 メアリー・ゾフレス
編集 トム・クロス
音楽 ジャスティン・ハーウィッツ
作詞 ベンジ・パセック  ジャスティン・ポール
音楽プロデューサー マリウス・デ・ブリーズ
音楽監修 スティーブン・ギシュツキ
振付 マンディ・ムーア
キャスト
ライアン・ゴズリング (セバスチャン)
エマ・ストーン (ミア)
2016128分アメリカ
原題「La La Land
202046OSシネマズミント

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最終更新日  2020.11.06 00:45:11
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2020.03.07
​​​​サム・メンデス「1917  命をかけた伝令」OSシネマズ・ミント

​​ OS系の映画館が苦手です。しかし、流行っている映画はこっちでやっています。そこがむずかしいところですが、先日ピーター・ジャクソン「彼らは生きていた」という第一次世界大戦のドキュメンタリー映画をシネ・リーブルで見て、こっちでやっている、この映画が気になりました。サム・メンデス「1917」です。​​
 第一次大戦については、ドイツ側から出征した作家レマルク「西部戦線異状なし」(新潮文庫)という小説を書いています。この小説の翻訳を読んで感動したのが40年前です。そのころ映画にもなりました。見た記憶だけがあります。それ以来の、久しぶり関心なので、よくわかりませんが、西部戦線というのはドイツからみて西側で、この映画も「彼らは生きていた」も西部戦線の出来事です。
​​ 草原で寝ている二人の兵士がいます。一人がブレイク上等兵、もう一人がスコフィールド上等兵です。イギリス軍の軍服を着ています。そこに上官らしき人がやってきて命令を下すシーンから映画は始まりました。​​
 昼寝をしていた二人の若い兵士は長い塹壕を歩いて司令官のもとに連れていかれます。そこで彼らは、ドイツ軍の罠に落ちんととしている最前線へ作戦中止命令を伝える伝令として派遣されます。
 ここで面白かったのは、ドイツ軍の意図が「航空写真」で暴かれたことと、司令部から最前線への連絡方法が「電話線」を切られた結果、「人」だったということです。
 「飛行機」も「電話」も、第一次大戦の新兵器です。しかし、飛行機から、現地へ直接の連絡はできないし、無線連絡もまだなかったのでしょうか?で、結局「人間」が危険とたたかうドラマを演じるというわけです。
 命令を受けたブレイク上等兵スコフィールド上等兵が出発します。目標地点はドイツ軍の制圧している地域の向こう側、約15キロの地点です。刻限は明日の早朝です。遅れれば1600名の兵士がなぶり殺しになる悲劇的作戦が発動されます。
 ブレイクには最前線で従軍している兄を救うという動機がありますが、スコフィールドには命令以外の動機はありません。カメラは二人を追い始めます。この執拗に二人を追うカメラワークがこの映画の特徴です。
 長い長い塹壕を超え、鉄条網を超え、もぬけの殻になったドイツ軍の長い長い塹壕に潜り込みます。そして、この長い塹壕がこの戦争の特徴です。この戦争は何年にもわたって、対峙したまま塹壕を掘りあうような消耗戦だったのです。
 撤退した後の橋や街、農家や家畜がすべて破壊され、殺されているのも、残された塹壕にトラップのように爆薬が仕掛けられているのも、記録にも残されているドイツ軍の作戦です。

 見ているぼくは、いつになく冷静です。ピ-ター・ジャクソンのフィルムの予習が効いているようです。目の前で走り続けている二人の兵士が遭遇する、目を覆うばかりの危機と悲劇がお芝居に見えてしまうのです。
​​ 予想通り、兄を救いたい一心だったブレイクは事故のように戦死し、やる気のなかったスコフィールドが本気になります。一人ぼっちで走り出し​​スコフィールド上等兵は瓦礫の中で生き延びている赤ん坊と女性を救い、自分自身も九死に一生の危機を潜り抜けて、最後には命令を伝えます。
 危険な命令を遂行した英雄は、戦友の兄​ブレイク中尉​に遺品を渡し、一人、広がる平原を見ながら座り込みます。そして、嫌っていたはずの家族と、おそらくは恋人の写真を取り出すシーンで映画は終わりました。その時、彼は泣きはじめていたと思いました。
 ひやひや、ドキドキのシーンは満載です。映画を作っている人の戦争に対する批判の意図も、英雄視される兵士たちの「哀しさ」もよくわかります。​​

 しかし、いつかどこかで見たことがあるという不思議な印象がぬぐえない映画でした。そこがザンネンでした。

 劇場が明るくなり、いつにない高校生らしき少年たちの声が聞こえてきます。
「この話、実話なん?」
​「最後に出てたやん、誰かののこした手記かなんかやって。」​
聞こえてきた会話に、懐かしさが沸き上がってきました。
​「いや、これは、やっぱり作り話やで。」​
 おせっかいで、いいたがりだった、元教員は、さすがに声にはしませんでしたが、そう呟いたのでした。

監督  サム・メンデス
製作  サム・メンデス  ピッパ・ハリス  ジェイン=アン・テングレン 
   カラム・マクドゥガル  ブライアン・オリバー
脚本 サム・メンデス クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
撮影 ロジャー・ディーキンス
美術 デニス・ガスナー
衣装 ジャクリーン・デュラン  デビッド・クロスマン
編集 リー・スミス
音楽 トーマス・ニューマン
キャスト
  ジョージ・マッケイ(スコフィールド上等兵) 
  ディーン=チャールズ・チャップマン(ブレイク上等兵) 
  マーク・ストロングスミス大尉
  アンドリュー・スコット(レスリー中尉 
  クレア・デュバーク(一人だけ出てくる女性) 
  リチャード・マッデン(ブレイク中尉) 
  コリン・ファース(エリンモア将軍) 
  ベネディクト・カンバーバッチ(マッケンジー大佐)
  2019年 119分 イギリス・アメリカ合作 原題「1917」
  20200303OSシネマズ・ミント


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最終更新日  2020.08.13 23:31:12
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2019.06.11

​​​​橋本光二郎 「小さな恋のうた」ハーバーランド・OS・シネマ​​


​​​​​​ 我が家に「マンガ」を届けてくれるヤサイクンモンゴル800というバンドの大ファンである。ヤサイクンの乗っている自家用車に乗車すると、動き出して目的地に到着して下車するまで彼らの曲を聴き続けることになる。長い旅程の場合は、甲本ヒロト忌野清志郎が追加される。​​​
 ヤサイクン家チビラたちは、モンパチとかヒロトの曲で、シマクマ君が知っている程度の曲はすべて素で歌えるようだ。チビラたちが機嫌がいいときは、だから、車中が合唱隊状態になる。
 そのヤサイクンからフェイスブックでメッセージが届いた。
《「小さな恋のうた」上映中です。》​
「はあー?これ、どういうこと?」
「行きなさいということちやう?」
ハイハイ、もちろん出かけましたよ。ハーバーランド・OS・シネマ

 それでどうだったかって?
​​ 「キングダム」を見た時も思いましたが、「ことば」ですね。引っかかってしまうのは。少年たちがしゃべる言葉。現代の若者言葉でしゃべりますが、モチロン沖縄方言、いや琉球語といいたいですが、それではありません。おそらく若い人気の俳優たちが起用されているのでしょうが、そこでしゃべるの言葉が響いてこない。日本語を母語としているぼくにとって、これが決定的でした。​
 まあ、年齢的ギャップもあるんでしょうね。でも、少年たちのやり取りだけではありません、出てくるセンコーや大人たちの、本質的にカスなセリフもことばのやり取りとしてリアリティーがない。がっかりでした。​
 沖縄を撮っているという監督の気負いも、空回りでしたね。どうして、方言をしゃべらせなかったんでしょう。「ことば」について軽視した芝居の演出が、映画の印象を決めてしまったと思います。
​​​​  それでも最後まで見続けられたのは、モンパチの歌の力です。少年・少女たちのへたくそさカバーして余りあるモンパチでした。​​​​
​  エンドロールで、ようやくモンパチの地声が聞こえてきて、ホッとしました。若い人にたちの熱演の空回りが、ちょっとかわいそうな映画でしたね。



 帰宅して、夜の十時を回ったころ、ヤサイクンから電話。​​
「観に行ったらしいな。どうやった?」
​「あんたのとこのアーチャンママは何て言うてた?見たんやろ。」​
​​「キヨサクが太ってるって。」​​
「エーそこかいな。まあ、漁師のせがれで出てたけど。」
「おもろかったんか?」
​ 「なんやねん、ファンやったら見に行けよ。最後の、モンパチが歌う恋のうたで、ホッとするから。声だけやけど。」​
「あー、やっぱ、1800円やからな。」
「1800円かあ、ちょっと高いなあ。」
「あっ、やっぱ、大阪で今度やるらしいドキュメンタリーにするわ。」
​「な、なんやねん!」​

 監督 橋本光二郎
 脚本 平田研也
 製作 村松秀信   間宮登良松   町田修一
 キャスト
   佐野勇斗 (真栄城亮多)
   森永悠希 (池原航太郎)
   山田杏奈 (譜久村舞)
   眞栄田郷敦 (譜久村慎司 )
   鈴木仁 (新里大輝)
 ​​2019年 日本 123分 2019・06・10​​​
追記2020・02・23
「大阪で今度やるらしい」のは山城竹識「MONGOL800 -message-」でした。感想はクリックしてみてください。​​
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最終更新日  2020.10.25 03:00:37
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