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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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映画「パルシネマ」でお昼寝

2020.10.13
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​​​​​原田眞人「駆込み女と駆出し男」パルシネマ

 
 パルシネマの二本立てでした。是枝監督「歩いても、歩いても」に気を惹かれてやってきたせいで、こっちの映画にはさほど関心が持てなかったのですが、結果は逆転、こっちが二重丸でした。
​​ 原田眞人監督「駆け込み女と駆け出し男」です。​​
​​​ 今回の二本立ては、どうも、樹木希林の特集という意図だったようですが、ぼくがうれしかったのは原作井上ひさし「ことばあそび」に、久々に出逢えたのがまず第一の理由でした。​​​
​ フーテンの寅さんが、啖呵を切るときに「結構毛だらけ猫灰だらけ、けつのまわりは糞だらけ」と始めますが、他には「驚き、桃の木、山椒の木、狸に電気に蓄音機」なんてのもあります。「地口」とか「駄洒落」、あるいは「語呂合わせ」と呼ばれる言葉の遊びですよね、井上ひさしの場合は、この「地口」ふうのテンポで「羅列」するのが十八番だと思うのですが、主役の大泉洋君が、まあ、医者の卵なのですが、病名や薬の名を早口にまくしたて始めて、膝を打つ気分でした。​

​「お、やっぱり井上ひさしやないか!」​

​​ もう、文句はありません。原作者なわけですから、当たり前なのですが、映画が井上ひさしのテンポでした。微妙に、「人間的」であることから離れられないニュアンスも、井上ひさし節というべき展開でした。​​
​​​​​​​ もちろん、嬉しかったのは、それだけではありません。最近ひいきの戸田恵梨香さんも、映画の「焼肉ドラゴン」では鼻白んだ大泉洋君も、へたくそなりに一生懸命でした。
 そして何よりも、30年ほども昔のことでしょうか、小劇場の舞台でひいきだった木場克己が番頭さんで登場しいて、思わず拍手しそうでした。ぼくは劇団「弘前劇場」「家には高い木があった」という舞台に出ていた彼を印象深く覚えています。
 彼とか、出てくるだけでおかしい麿赤兒、達者なキムラ緑子、それに樹木希林山崎努と懐かしい顔ぶれが揃っているわけですから、まあ、ぼくとしては大喜びの映画鑑賞だったわけです。​​​​​​​

 それにしても、若い俳優さんは大変だったでしょうが、よく頑張っていらっしゃったと思いましたね。久しぶりに、楽しい邦画鑑賞でした。

監督 原田眞人
原案 井上ひさし
脚本 原田眞人
撮影 柴主高秀
照明 牛場賢二
美術 原田哲男
録音 鶴巻仁
整音 矢野正人
衣装 宮本まさ江
編集 原田遊人
音楽 富貴晴美
キャスト
大泉洋(中村信次郎)
戸田恵梨香(鉄練りじょご)
満島ひかり(お吟)
樹木希林(三代目柏屋源兵衛)
堤真一(堀切屋三郎衛門)
山崎努(曲亭馬琴)
麿赤兒(清拙)
キムラ緑子(柏屋女衆お勝)
木場勝己(柏屋番頭利平)
内山理名(戸賀崎ゆう)
陽月華(法秀尼)
神野三鈴(おゆき)
宮本裕子(玉虫)
松本若菜(お種)
円地晶子(おみつ)
玄理(おせん)
武田真治(重蔵)
北村有起哉(鳥居耀蔵)
中村育二(水野忠邦)
山崎一(石井与八)
高畑淳子(女貸本屋)
橋本じゅん(近江屋三八)
井之上隆志(鼻山人)
山路和弘(渓斎英泉)
でんでん(為永春水)
中村嘉葎雄(風の金兵衛)
2015年・143分・日本 配給:松竹

20200925・パルシネマ


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最終更新日  2020.10.13 00:54:52
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2020.10.08
​​​​​是枝裕和「歩いても 歩いても」パルシネマ


 映画館徘徊の初心者も、2年を過ぎると100本を越えてきました。そうはいいながら邦画はほとんど見ません。日活ロマンポルノや、独立プロ、東映のやくざ映画が好きだった二十代に比べると、格段に洋画とか、アジア諸国の映画を見ることが多い徘徊の日々です。
 大雑把な話で申しわけないのですが、30年前にパレスチナやトルコの映画なんて考えられませんでした。しかし、30年ぶりの映画館徘徊では、「時代」を写しているビビッドな印象に惹かれて足を運ぶのは、アジア諸国の作品です。

​​ そんな中で、是枝裕和は、今のところ気にかかっている「邦画」の監督の一人です。パルシネマ「歩いても、歩いても」がかかっていたので出かけました。​​
​​ 一番、グッときたのは、いしだあゆみ「ブルーライト・ヨコハマ」が聞こえてきた瞬間でした。​​
「なるほど、そうか。いしだあゆみか。」
 そういう得心が体全体にやって来た感じです。
「20代、30代の若い人にはわからないだろう、いや、わかってたまるか。」
​ ちょっと自慢したくなるような、むきになって他のことはどうでもいいと言いたくなるような、そんな感じでした。こういう所が、是枝裕和の、持ち味なのでしょうね。​
​ 映画そのものは是枝裕和が描き続けている「家族」の話でしたが、期待したほどの出来だとは思いませんでした。​
​ 「長男」の「死」をめぐるエピソードが、わざとらしいのです。樹木希林の演じる「母親」の妄執が、ほとんどホラーにしか見えないところが、ぼくにはついていけませんでした。​


​​​ ただ、好きな原田芳雄のうまいのか下手なのかわからない演技、樹木希林のコテコテのお芝居、ああ、それから加藤治子の、あのセリフ回しも、「もう、みんな、いないんだ。」と思わせてくれて、ああ、もう一つ、​配給が「シネカノン」でしたね、そういうことみんな合わせて​、見に来てよかったとしみじみ思いました。​​​​
 

  監督 是枝裕和
  原作 是枝裕和
  脚本 是枝裕和
  製作 川城和実 重延浩 久松猛朗 李鳳宇
  撮影 山崎裕
  美術 磯見俊裕 三ツ松けいこ
  照明 尾下栄治
  衣装 黒澤和子
  音楽 ゴンチチ
  キャスト
     阿部寛(横山良多)
     夏川結衣(良多の妻・ゆかり)
     田中祥平(横山あつし)
     樹木希林(母:横山とし子)
     原田芳雄(父:横山恭平)
     YOU(良多の姉・片岡ちなみ)
     高橋和也(ちなみの夫・片岡信夫)
     野本ほたる(片岡さつき)
     林凌雅(片岡睦)
     寺島進(寿司屋)寺島進
     加藤治子(隣家の老婆)
  2008年・104分・日本・配給:シネカノン
  2020・09・25パルシネマ

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最終更新日  2020.10.08 00:32:24
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2020.09.08
​​​​​常盤司郎「最初の晩餐」パルシネマ

​ 我が家では、あまり映画を見ていないシマクマ君は口出しができない「絶対的スター俳優」がいます。
 昨日今日、ちょっと、映画館を徘徊しだした身としては、えらそうに何か言うのはためらわれるわけなのですが、例えば、先日のジョニー・デップとか、邦画の俳優でいえば窪塚洋介君もその一人です。
​ パルシネマのプログラムを見ていシマクマ君が、その窪塚君をはじめ、まあ、シマクマ君にはほとんど初対面の方々なのですが、名前を聞いたことのあるキャストが揃っていたので、チッチキ夫人におずおずと声をかけてみました。
最初の晩餐って、面白そうやけど、行きますか?」
​​​「窪塚君が出てるやつでしょ。見たよ。斉藤由貴とか、戸田恵梨香やろ。」​​​
「がーん!」
 一体、いつご覧になったのでしょう。そういえばピーチ姫チッチキ夫人を誘っている時があったような気もしますが。
 というわけで、ひとりで酷暑の炎天下をとぼとぼ歩いてパルシネマの二本立てにやってきました。
 1本目に「お料理帖」を結構納得して見終えて、外出券をもらって、一服しに炎天下に出て(ほんと、アホですね!)、戻ってきての二本目でした。
 ホールの半分の灯りが消された薄暗い食堂で、若い男女が向かい合ってラーメンをつついています。面白くない空気が漂っているなと見ていると、食堂の従業員から「もう閉めるから、早くして。」というとどめのセリフが飛んできて、
二人は代金を置いて立ち上がり、食べ残したラーメン鉢が映し出されます。
​ 中々、「映画」らしい始まりでした。悪くないですね。見ているこっちも不安になります。
 末期癌を宣告されていた父親が病院で亡くなって、自宅に遺体が戻って、親戚が集まり、通夜の儀式があり、嵐の夜があり、一夜明けて、葬儀があり、焼き場があり、晴れ上がった空のもと遺骨を抱えて東家の面々が帰宅してきます。
​​​​​ そこに、昨日からの一泊二日、東家で起こったのあらゆる事件に遅れて一人の女性がやって来ます。次男の染谷将太の恋人ですが、彼女が持ってきた「牡丹餅」を「そういえば、父親の好物は牡丹餅だった。」と納得しながら染谷君が頬張るシーンで映画は終わりました。
 要するに「食い物」の映画だったといってもいいと思います。「食い物」シーンの​​​メインは題名で「晩餐」と呼ばれている、​
​通夜のふるまいのお料理が「目玉焼き」で始まり、「すき焼き」で終ります。まず、この設定が「映画的」で、面白いと思いました。
 母であり、喪主である斉藤由貴によって調理された、それぞれのお料理で想起される風景によって、ある家族の物語が語られるという映画でした。
 かなり無理のある設定もありますが、一人一人の俳優の存在感のある演技に堪能しました。
​​​
​​​​​ 特に、不満といら立ちの「塊」と化した長女を、見事に表現した戸田恵梨香という女優さんの演技は見ごたえがありました。珍しく名前を憶えそうです。ぼくとしては「キングダム」長澤まさみさん以来、二人目ですね。
 夜になり、一段と激しくなってきた嵐とともに登場した窪塚洋介君も格好良かったし、何にもしゃべらない斉藤由貴永瀬正敏の夫婦という設定も悪くありません。
 主役と思しき染谷将太君は、​「君の鳥は聞こえる」​で一度、出会ったことがありますから(クリックしたら感想書いてます)、多分これが二度目で、どことなくあやふやな末っ子ぶりは合格でした。​​​​​
​​​​ ただ、見終わって残念だったのは、斉藤由貴さんが演じる母親に、染谷将太君戸田恵梨香さんの姉弟が、兄の窪塚君が出ていってしまった、あの時からずっと「謎」として抱え込んでいる「家族」の核心について、なんだか、答えのようなものを、かなり丁寧に語らせてしまったことですね。​​​
 物語を理解したり、納得するための展開として必要な場面なのですが、ここまで、あんなに「映画」的な謎に満ちた映画だったのですが、このシーンで「なるほどそうか」というふうに解決のつく「ヒューマンドラマ」にしてしまったのではないでしょうか。
​ あのシーンが無ければ、今度は「わけがわからん」といいそうですから、まあ、無理を承知で思うのですが、あの場面で監督が言いたかったことが、セリフではなく、映像として表現されていれば、この映画は「傑作」だったのになあ、と返す返すも残念に思ったことでした。


 しかし、邦画も捨てたものではありませんね。子供時代の東家の人たちもとてもよかったですよ。それが素直な感想でした。​

  ​​監督 常盤司郎
  脚本 常盤司郎
  撮影 山本英夫
  照明 小野晃
  録音 小宮元
  編集 常盤司郎
  音楽 山下宏明
  キャスト
     染谷将太(東家次男:東麟太郎)
     戸田恵梨香(東家長女:北島美也子)
     窪塚洋介(東家長男:東シュン)
     斉藤由貴(母:東アキコ)
     永瀬正敏(父:東日登志)
     玄理(麟太郎の恋人:小畑理恵)
     森七菜(東美也子:少女時代)
     楽駆(東シュン:青年時代)
     牧純矢(東麟太郎:少年時代)
     外川燎(東麟太郎:少年時代)
    2018年・127分・日本
    20200904・パルシネマ​​

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最終更新日  2020.09.08 00:47:26
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2020.09.06
​​キム・ソンホ「お料理帖」パルシネマ


 パルシネマの二本立て、手帳シリーズでした。もう一本は「最初の晩餐」で、亡くなったお父さんの手帖の料理でしたが、こっちは生きているお母さんが「認知症」で、記憶を失ってしまいつつあるという設定でした。
 韓国映画を見始めて、早くも二年たちますが、所謂「ヒューマンドラマ」は初めてのような気がします。
 シッカリ者の母と、人はいいのだけれどボンクラ、まあ、どっちかというと「マザコン」で、文学とかやっている息子とその「家族の物語」といっていいのでしょうね。
 ところで、予告編を見た時からの興味は、韓国のお総菜屋さんの店先に並ぶ料理についてでした。こういうと、朝鮮、あるいは韓国料理に詳しいと誤解させるかもしれませんが、実は全く知りません。キムチとかナムルとかいう言葉は知っていますが、具体的に白菜やキュウリ以外にどんな種類があって、どんな味なのか、何も知らないのですが、なんか「食べてみたい」という興味はあるわけです。
 特に韓国の映画は、小さな食堂や食卓で食事をするシーンがよくあると思うのですが、そういうシーンを見るたびに、料理はもちろんですが、食べるしぐさとかとても興味を惹かれます。
​​ 今回の映画はバッチリでしたね。とりあえずマザコン男が友達を夜中に連れてやって来て食べるのがこれです。酔っ払い二人がスープをうまそうに飲んですすり込んでいました。
          映画.com
 冷麺でしょうかね。出汁のスープでさっぱりいただく感じ。うまそうですね。
 下の写真は、お母さんの「エラン」さんが、ボロクソに言う、彼女に苦労だけ残して早死にした夫の好きだったらしい料理。

​​
          ​​映画.com​​
 キムチの鍋のようなのですが、具はサバなのですね。もちろん、お魚のサバです。かなり、食べてみたいですね。それから、下の写真、これは、日本料理ならおウドンでしょう。横に添えられているキムチがうまそうでしょ。添えられている箸としゃもじが金属製でないのには理由があるのでしょうか。

​          映画.com

 鶏頭の花の砂糖漬けの料理の途中がこれです。

          ​​映画.com​​

 砂糖とか、お酒に漬けた「ジュース」がお店の棚にいっぱいに並んでいます。乾燥野菜や植物の根っことかもあるようです。お店の屋上には大きな壺がたくさんあって、コチュジャンや醤油が自家製で作られています。

         ​ ​映画.com​​
 何の飾り気もないお店の中は、お母さんとなかなかいい感じの店員さんが毎日仕込んでいる宝の山という風情です。
 たしかに映画では母と家族をつなぐレシピ帖が、「家族の物語」を紡ぎだす大切な役割を担っていますが、本当にすごいのはこの「宝の山」のように思いました。
 ボンクラ息子が母の哀しみの秘密を知らなかったところに、筋立てとしては、少し無理があると思いました。
 しかし、
​最終的には、認知症の母の姿に、不愛想だった母の態度の奥にあった「真の愛情」を発見するという「母恋物語」という定型が評価されているようですが、お母さんの財産の処分をめぐって、現代社会全体にとっての「宝の山」であるこのお店の本質を発見しているところに、作品全体の印象に「深さ」のようなもの、飽きさせない面白さが生み出されていると思いました。


 上のチラシの、お団子のようにみえるのが子供用のおにぎり、大鍋いっぱいのスープに見えるのが、ボケてしまったエランさんが作り過ぎたおかゆです。
 それにしても、画面に登場する韓国の女性たちの、​
「嫁」とか「姑」とか、軽々と飛び越えた本音が飛び交う闊達な物言いがとても気持のいい映画でした。

 監督 キム・ソンホ
 製作 イ・ウンギョン
 脚本 キム・ミンスク
 撮影 ソン・サンジェ
 美術 ウン・ヒサン
 編集 オム・ユンジュ
 音楽 カン・ミングク
 キャスト
    イ・ジュシル(母エラン)
    イ・ジョンヒョク(息子ギュヒョン)
    キム・ソンウン(息子の妻スジン)
2018年・104分・韓国原題「Notebook from My Mother
20200904パルシネマ

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最終更新日  2020.09.06 00:58:16
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2020.08.13
​​​​ 是枝裕和「真実」パルシネマ​​


​​「女優」カトリーヌ・ドヌーブカンヌのパルムドール監督是枝裕和が撮った映画だそうで、話題になったころから興味津々だったのです。ところが、コロナ騒ぎのせいだったかどうかわからないのですが、いつ封切られたのか気付かないまま終わっていました。それをパルシネマがやるというの見ないわけにはいきません。​​
​​「カトリーヌ・ドヌーブの最新作、監督、是枝裕和やけど、見に行く?」
​​
​「是枝って万引き家族の人?」
「うん、海街の人。」
​「私、やっぱり大きくなったドヌーブって見たくないわ。」
「そんなこと言うたら、アンタも大きくなったやん。」
​「それはええねん。あきらめてるから。カトリーヌ・ドヌーブはアカンねん。」​
 というわけで、一人でやって来たパルシネマでした。


​​​ 女優カトリーヌ・ドヌーブ「女優」をやっていました。役に名前がついていますが、カトリーヌ・ドヌーブカトリーヌ・ドヌーブであって、それ以外ではありません。ただの錯覚ですが、ドキュメンタリーかと思わせる映画でした。​​​
​​ 是枝監督が何故カロリーヌ・ドヌーブを、今、撮ったのかという疑問に微妙に答えているような、答えていないような映画でしたが、多分「女優」という存在そのものが撮りたかったのだろうというのが、ぼくの結論でした。​​
 「万引き家族」樹木希林坂本さくらの映像の動きの中に輝いているように見えた、「女優」の姿を映し出すことが、この映画ではメイン・テーマなのだろうなと思いました。
​ わけのわからないことを言っていますが、じゃあ「女優」ってなんなのですかということになります。
 多分、是枝監督が描きたかったのは「スクリーン」の上に堂々と姿を現す、演技や生身の生活、過去の映像とは切り離されている「存在」としての「女優」そのものだったのではないでしょうか。​
​ やたらと吸い続けるシガレット、ダルさを漂わせるセリフ回し、隠しきれない太ってしまった身体と老い、実生活そのものを臆面もなくさらけ出しているように見えながら、それでもなおかつ、スクリーン上で「女優」として存在することは可能なのか、そんな問いに監督は挑んでいるようなのですが、カトリーヌ・ドヌーブ自身は、そんな問いはどこ吹く風とばかりに「女優」であったというのがこの映画だったと思いました。​
​​​​ 監督が、おそらく、対照化のために配置したのが、得意の子役です。孫娘シャルロットを演じるクレモンティーヌ・グルニエです。
 「万引き家族」でもそうでしたが、この映画でも「子役」はとてもいい味で存在していました。父親役のイーサン・ホーㇰとの絡みも記憶に残る細部とでもいうべきシーンを作り出していました。
 しかし、監督のそうした工夫が、なんだか、かえって映画を小さく見せてしまうほどに、カトリーヌ・ドヌーブの存在感は圧倒的でした。
クレモンティーヌ・グルニエがおばあちゃんのようになるには、何年かかるのでしょうね。
 ​映画と現実、演技と俳優、それぞれのズレの中に「真実」をさぐるという映画の「論旨」を、「小賢しい」とあざ笑うかのように、一人の女優の「映像」が吹き飛ばしてしまった、そんな印象の映画でした。
 いやはや、「大きくなった」カトリーヌ・ドヌーブ76歳、大したものです。

 監督 是枝裕和
 脚本 是枝裕和
 製作 ミュリエル・メルラン  福間美由紀  マチルド・インセルティ
 撮影 エリック・ゴーティエ
 美術 リトン・デュピール=クレモン
 衣装 パスカリーヌ・シャバンヌ
 編集 是枝裕和
 音楽 アレクセイ・アイギ
 キャスト
    カトリーヌ・ドヌーブ(女優:ファビエンヌ・ダンジュヴィル)
    ジュリエット・ビノシュ(娘・脚本家:リュミール)
    イーサン・ホーク(娘の夫・俳優:ハンク・クーパー)
    リュディビーヌ・サニエ(アンナ・ルロワ)
    クレモンティーヌ・グルニエ(孫娘:シャルロット)
    マノン・クラベル(マノン・ルノワール)
    アラン・リボル(リュック)
 2019年・108分・フランス・日本合作  原題「La verite
 20200724 パルシネマ


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最終更新日  2020.08.13 00:22:13
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2020.08.12

​​ マイク・ニューウェル「ガーンジー島の読書会の秘密」パルシネマ​


​ パルシネマの二本立てで、一本目が「ジョジョ・ラビット」で、もう一本が「ガーンジー島の読書会」でした。お目当ては「ジョジョ・ラビット」だったのですが、見終わった結果は、こっちの作品が優勢勝ちでした。​
 どちらもナチスがらみの映画だということでプログラムが組まれたのでしょうね。「ジョジョ・ラビット」も、悪くはなかったのですが、どちらかというと古典的な作りのこちらの映画に感心しました。
​​​​​ 原題がThe Guernsey Literary and Potato Peel Pie Societyで、直訳すれば「ポテトの皮むき読書会」となりそうです。わけが分からないですね。というわけかどうか、とにかく、その読書会に興味を持ったのが駆け出しのライター、リリー・ジェームズ演じるジュリエット・アシュトン嬢です。
 で、彼女が探偵役を受け持ち「ポテトの皮むき」の謎を解いてゆく中で、新たな謎が浮かび上がってくるというミステリー映画であり、新たな恋まで生まれる純愛映画でもあるのでした。​​​​​
​​​「エリア随筆」で知られるチャールズ・ラム「シェークスピア物語」アシュトン嬢ガーンジー島に呼び寄せる小道具になっているのですが、このあたりから、ぼくにはワクワクする展開でした。
 話の筋や、物語の謎に対してというよりも、イギリスの労働者階級の人たちがどんな本をどんなふうに「読書会」するのかという興味ですね。​​​
 残念ながら映画全体の展開の中で、読書会は設定に過ぎない面もあるのですが、普通に働いている暮らしている人たちが、「ポテトの皮をむく」ように、日本なら岩波文庫に入っているような随筆や詩のことばを朗読したり、互いの感想のスピーチを聞くという、読書本来の楽しみを素朴にわかちあう様子はキチンと描かれています。
​​ ぼくはその、読書会のシーンや、好みの本を探すためにメンバーのドーシーから、ロンドンのアシュトンに手紙が届けられる経緯に、かの国の文化の分厚さを感じ、うらやましく思いました。
 映画の筋とのかかわりでいえば、この読書会のメンバーたちが、会の創設者エリザベスが残して去った、まだ幼い少女キットを共に守りながら暮らしている「自由」の信念は、彼らがともに読んでいるチャールズ・ラムウィリアム・イェイツの作品の中のことばと、どこかでつながっているとも感じたのでした。​​
​​​​ 戦時中、ドイツ占領下での小さな隠れた楽しみだった読書会は、ドイツ軍が去ったあとも、「秘密」を守り続け、ひっそりと続けられています。
 ナチス・ドイツに占領された唯一のイギリス領である小さな島で、ドイツの兵士との間の危険な恋の結果としてこの世に誕生し、だからこそ、母親を失った少女キットが蔑まれる村社会の描写は、戦勝に沸くイギリスの戦後社会の、ぼくが知らなかった、もう一つ姿でした。
 その中で、けなげであどけない少女を演じるフローレンス・キーンのちょっとエキセントリックな演技と、あくまでの少女を守ろうとかたくなに秘密を守り続ける老婦人、ペネロープ・ウィルトン演じるアメリア・モーグリーの姿は心に残りました。


​ 映画の奇妙な題名は探偵アシュトン嬢のガーンジー島調査記録の報告書の題名だったのですが、彼女の恋の行方は映画でお楽しみください。
 映画をきっかけに、名前しか知らなかったチャンネル諸島を調べました。フランスのシェルブールという、映画で有名な村の沖合の島々で、フランス領と勘違いしそうなのですが、そういえばイングランドの王様はこの辺りからやって来たのだと思いだした次第でした。島の人はフランス語をしゃべるそうです。映画で見る限り、とても美しい島でしたよ。
 監督 マイク・ニューウェル
 製作 ポーラ・メイザー  マイケル・カプラン  グレアム・ブロードベント
    ピート・チャーニン
 原作 メアリー・アン・シェイファー  アニー・バロウズ
 脚本 ドン・ルース  ケビン・フッド  トーマス・ベズーチャ
 撮影 ザック・ニコルソン
 美術 ジェームズ・メリフィールド
 衣装 シャーロット・ウォルター
 編集 ポール・トシル
 音楽 アレクサドラ・ハーウッド
 キャスト
    リリー・ジェームズ(ジュリエット・アシュトン)
    マシュー・グード(編集者:シドニー・スターク)
    グレン・パウエル(恋人:マーク・レイノルズ)
    ミキール・ハースマン(読書会メンバー:ドーシー・アダムス)
    ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ(読書会メンバー:エリザベス・マッケンナ) 
    キャサリン・パーキンソン(読書会メンバー:アイソラ・プリビー)
    トム・コートネイ(読書会メンバー:エベン・ラムジー)
​    ペネロープ・ウィルトン(読書会メンバー:アメリア・モーグリー)
    キット・コナー (読書会メンバー・少年:イーライ・ラムジー​)
    フローレンス・キーン(少女:キット・マッケンナ) 
    2018年・124分・フランス・イギリス合作
    原題「The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society
    20200803パルシネマ
追記2020・08・12
​​「ジョジョ・ラビット」​の感想はこちらからどうぞ。​

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最終更新日  2020.08.13 10:54:46
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2020.08.05
タイカ・ワイティティ「ジョジョ・ラビット」パルシネマ 子役の活躍するナチスの「カリカチャ―・コメディ映画」を予感させる予告編に惹かれてやってきましたパルシネマです。
 10​​​歳の少年ジョジョ君が、頭の中に「ヒトラー」を飼っていて、まあ、占領されているともいえるわけですが、「ヒトラー・ユーゲント」「ヒーロー」を夢見ています。
 このジョジョ君を演じるローマン・グリフィン・デイビス君の、実に、素っ頓狂な演技が、ぼくにとっては、この映画のほとんどどすべてでした。​​​
​​ 「やんちゃ」になりたいんだけど臆病者というジョジョ君は頭の中から飛び出して、彼を煽り立てるヒトラーさんに励まされて、勇猛果敢なファシストになりたいのです。​​
​​​ とはいうものの、現実はなかなか厳しくて、初参加したユーゲントのキャンプでは、すっかりダメ少年ぶりが暴露されてしまい、サム・ロックウェル演じる、親衛隊の落ちこぼれレンツェンドルフ大尉から「ジョジョ・ラビット」のあだ名を頂戴してしまいます。​​​
​​​ さんざん、いじめられてへこんでいたジョジョ・ラビット君は、突如、躍り出てきたヒトラーさんに励まされ、汚名挽回とばかりに、みんながビビる「手榴弾投げ」に挑んだのはのよかったのですが、投げたはずの手榴弾が跳ね返ってきて大ケガをして入院、顏はフランケン・シュタインばりに手術の縫い傷だらけの御帰宅というドタバタ喜劇の結果、実に情けない「アンチ・ヒーロ―」「ジョジョ・ラビット」君の誕生で映画は始まりました。
 ホント、抱きしめてやりたいような、どうしようもないやつです。​​​

​ 反ナチ活動家の母親ロージーの虐殺死とか、自宅の壁の中から現れる「アンネ・フランク」ではなくて、​​​​​​​「エルサ」という名のユダヤ人の少女との出会いとか、監督タイカ・ワイティティ扮する、アドルフ・ヒトラーのシッチャカ・メッチャカとか、コメディの常道というのでしょうか、ありがちなといえばありがちなエピソードを繰り広げながらジョジョ・ラビット君の「成長物語」を、面白くもおかしくもないファシズムの世相を背景に繰り広げますが、ベルリンを解放したはずのソビエト軍も似たりよったりらしく、危うくパクられそうになったジョジョ・ラビット君を最後に助けるのが、例のレンツェンドルフ大尉というあたりで、思い浮かんできました。
 ひょっとすると、この監督が撮っている世界は「歴史的事実」から80年の間に、繰り返し撮られ続けた「ナチス」映画の世界の「カリカチュア」であって、ジョジョ・ラビット君は「現代」からこの世界にやって来た、いじめられっ子の少年なのではないかという妄想です。まあ、その逆ともいえるかもしれません。現代に割り込んできたファシズム映画の世界とか。もちろん、根拠も何もない当てずっぽうです。​​​​​​
​​ 映画のオープニングではビートルズ「抱きしめたい」がヒトラー賛歌のように流れ、エンディングはデビッド・ボウイ「ヒーロー」でした。​​
​ 二つの曲が暗示するのは、実に、ソフトで気持ちのよい「ファシズム」そのものじゃないでしょうか。

 ところで、サム・ロックウェルが出てました。相変わらず、おバカぶりがさえてました。最後は、なかなかいい役していましたよ。
 なんか、ジジ臭い感想になってしまいました。

​​ 監督 タイカ・ワイティティ
 原作 クリスティン・ルーネンズ
 脚本 タイカ・ワイティティ
 撮影 ミハイ・マライメア・Jr.
 美術 ラ・ビンセント

 衣装 マイェス・C・ルベオ
 編集 トム・イーグルス
 音楽 マイケル・ジアッキノ
 キャスト
    ローマン・グリフィン・デイビス(ジョジョ)
    トーマシン・マッケンジー(壁に隠れていた少女エルサ)
    タイカ・ワイティティ(頭の中のアドルフ・ヒトラー)
    レベル・ウィルソン(親衛隊ミス・ラーム)
    スティーブン・マーチャント(親衛隊ディエルツ大尉)
    サム・ロックウェル(落ちこぼれ親衛隊レンツェンドルフ大尉)
    スカーレット・ヨハンソン(母親・反ナチ活動家ロージー)
    アーチー・イェーツ(太っちょの友達ヨーキー)
 2019年・109分・アメリカ 原題「Jojo Rabbit
 20200803パルシネマ​

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最終更新日  2020.08.05 03:37:09
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2020.07.31
マイケル・エングラー「ダウントン・アビー」パルシネマ

            ​​映画.com
 7月のパルシネマの二本立の一本でした。ぼくが知らないだけで、イギリスとかアメリカで放映されている、人気のテレビドラマの映画版で、その方面がお好きな方には有名過ぎる作品だったようです。
​ 「ダウントン・アビー」というのは、ヨークシャーという羊とか豚とかで、(犬もいましたか)でしか知らないイングランドの農業地帯にあるカントリー・ハウスの名前なのですね。
 「田舎貴族」という言い方がありますが、地方領主ですね。王から爵位をもらって、その土地の領主としてそこに屋敷を構えて暮らしている人たちです。その屋敷のことをカントリー・ハウスと呼ぶようです。
 だから、その地域に暮らす人たちには領主であり、領主の屋敷の人たちも偉いわけですが、国全体には王国のヒエラルキーがあるわけですから、カントリー・ハウスに暮らす領主やその一族、使用人たちは、ただの「田舎者」とその家来なわけです。
 映画は田園地帯のカントリー・ハウスを俯瞰的に映し出すところから始まります。イギリス映画の特徴なのかどうか、こういうシーンで始まるパターンが多いように感じますが、ぼくは好きです。今回はとくに広壮な建物と緑の芝生の丘が続く自然の風景が印象的です。
​ 王宮から投函された手紙が、郵便自動車で運ばれ、蒸気機関車に引かれた郵便列車で仕分けされ、オートバイに乗った郵便配達員によってダウントン・アビーに届けられます。
 実は、この投函された一通の手紙の旅路をカメラが追っていく、その、何の解説もない映像が作り出していく世界に、徐々に浸っていく快感で、ぼくはすっかり満足してしまいました。
 おそらく二十世紀初頭の英国です。第一次世界大戦のあとくらいでしょうか。別に、その時代をよく知っているというわけではありません。言葉もファッションもわかりません。
 しかし「映画の世界」の「空気」の作り方というのでしょうか、最近の日本の映画やテレビドラマが、杜撰極まりないと感じる「あれ」です。
 それに、ナショナルシアター・ライブのような「舞台」では作り出せない、映画ならではの「存在感」、いや、「吸引力」のようなものを見事に映し出しているのです。
 物語は、いたってシンプルです。国王夫妻の接待をめぐって「王の家来」と、若い女性当主代理に率いられた「田舎貴族の使用人」との戦いをコメディタッチで描きながら、カントリー・ハウスの相続をめぐって、王妃の随行員である老婦人の口から明かされる若き日の不倫のドラマ、新たな相続権の持ち主である不倫の結果の娘とアイルランド出身の青年とのドライな恋を重ねていきます。
​ 古い時代の空気を堪能させながら、新しい時代の風が「ダウントン・アビー」に吹き込んでいることを鮮やかに描いて幕を閉じる。まあ、見事なものです。

          ​映画.com

​​ ぼくにとっては、ここの所、少しづつ顔見知り(?)になりつつある、上の写真のイメルダ・スタウントンマギー・スミスという贔屓の老女優たちが、このうえなく渋い演技とセリフ回しで映画を引き立てているのも魅力でした。​​
 ゆったりと浸れる、満足できる映画でした。​​

 監督 マイケル・エングラー
 製作 ギャレス・ニーム  ジュリアン・フェロウズ  リズ・トラブリッジ
 製作総指揮 ナイジェル・マーチャント ブライアン・パーシバル
 原作 ジュリアン・フェロウズ
 脚本 ジュリアン・フェロウズ
 撮影 ベン・スミサード
 美術 ドナル・ウッズ
 衣装 アナ・メアリー・スコット・ロビンズ
 編集 マーク・デイ
 音楽 ジョン・ラン
 キャスト
    ヒュー・ボネビル(ロバート・クローリー:グランサム伯爵)
    ジム・カーター(カーソン)
    ミシェル・ドッカリー(レディ・メアリー・タルボット)
    エリザベス・マクガバン(コーラ・クローリー:グランサム伯爵夫人)
    マギー・スミス(バイオレット・クローリー:先代グランサム伯爵未亡人)
    イメルダ・スタウントン(モード・バグショー)
    ペネロープ・ウィルトン(イザベル・マートン)
2019122分・イギリス・アメリカ合作 原題「Downton Abbey
20200724 パルシネマ

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最終更新日  2020.07.31 23:27:31
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2020.06.26

​​​沖田修一「南極料理人」パルシネマしんこうえん

 6月12日、パルシネマの二本立てのもう一本がこれでした。もうずいぶん古い映画ということになりますが、映画になる前だったと思います、西村淳の原作「南極料理人」・「笑う食卓」(新潮文庫)という南極シリーズのファンでした。
 南極のコックさんの料理の工夫というのが面白かった記憶があります。映画にも出てきますが、伊勢えびの海老フライの話も、間に合わせの「かんすい」でラーメンを打つ話もありました。
 人気ライターになった西村淳は、海上保安庁を退職して、あれこれたくさん書いていますが、ぼくは、まあ、二冊で飽きてしました。​​

​​ 映画は、当時人気の俳優堺雅人が西村隊員役でヒットしたと思いますが、ぼくのイメージした著者西村淳とあまりにもかけ離れていたこともあって見ませんでした。その後テレビでも放映されて、我が家の人々は見ていたと思いますが、見ませんでした。
 というわけで、初めて見ました。面白かったですね。「原作とは違っているな。」と感じたのは登場人物の個性の描き方でしたが、デフォルメされた「へんな人々」のありさまが鼻につくかなと思いましたが、俳優陣が芝居ができる人という安定感があえい、なんともいえないペーソスを作り出していました。へんだけど、このタイプはありかなという感じのリアリティです。
 もう一つは、余計な効果音や音楽を流さない演出ですね。割合静かな映画だと思いました。セリフもたくさんあるわけではありません。しかし、登場人物の「動き」、「表情」、「少なめのセリフ」、つまりは「間」によって展開させる物語の進行に好感を持ちました。こういうの、ぼくは好きです。
 帰ってきた西村隊員が、お嬢さんと遊園地のハンバーガーにかじりついて、「おいしい!」というセリフ、あの、堺雅人君が、困ったような困っていないような顔でボソッと言って映画は終りました。
 「やっぱり不味かったんかい!」というのがぼくのツッコミでした。
 ロケ地は北海道だったんでしょうかね。それでも十分寒そうでしたが、外で裸っていうのは、ヤッパリ命懸けなんでしょうね。
​​
 監督 沖田修一
 原作 西村淳
 脚本 沖田修一
 撮影 芦澤明子
 美術 安宅紀史
 音楽 阿部義晴
 フードスタイリスト 飯島奈美  榑谷孝子
 VFX 小田一生

 キャスト
    堺雅人(西村淳 調理担当)
    生瀬勝久 (本さん 雪氷学者)

    きたろう (タイチョー 気象学者)
    高良健吾 (兄やん 雪氷サポート)
    豊原功補 (ドクター 医療担当)
    西田尚美 (西村の妻・みゆき)
    古舘寛治 (主任 車両担当)
    黒田大輔 (盆 通信担当)
    小浜正寛(平さん 大気学者) 

    小野花梨(西村の娘・友花)

    小出早織(KDDインマルサットオペレータの清水さん

  2009年製作・125分・日本

  20200612パルシネマしんこうえん


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最終更新日  2020.06.26 00:09:51
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2020.06.16
​​デビッド・フランケル「ワン チャンス」パルシネマしんこうえん​​


​ 神戸の名画座といえば、老舗映画館のここを忘れるわけにはいきません。「パルシネマしんこうえん」です。何で新公園というのかわかりませんが、湊川公園の地階にある「ミナエン商店街」の入口にあります。40年前の学生時代からありますが、昔は名前が違ったような気もしますね。「新公園」と呼んでいたような・・・。
 ただ、そのころ、この近所には「福原国際」という、よく通った4本立て映画館がありました。トイレのドアが壊れていて、ことに及んでいて風が吹くと開いてしまって往生した覚えがありますが、「仁義なき戦い」とか日活のロマンポルノはそっちで見ました。
 その頃から、ここは穏やかな二本立ての映画館でした。二年前に映画徘徊を始めて月に一、二度のペースで寄らせていただていましたが、新コロちゃん臨時休館で、ゴジラ老人にとっては、ほぼ百日ぶりの新開地、パルシネマ「復活の日」でした。


 二本立ての一本目のプログラムはデビッド・フランケル監督「ワン・チャンス」でした。ちょっと古い映画なのでチラシがなかったのがザンネンでした。
 オペラのテノール歌手
ポール・ポッツの出世譚でした。世界的な人らしいのですが、オペラなんて全く知らないぼくには、ただの内気な太っちょのオニーチャンでした。

 とはいうものの「心あたたまる」いいお話しで、クライマックスで​​『トゥーランドット』の、まあ、この曲は、ぼくでも聞き覚えのあったのですが、「誰も寝てはならぬ Nessun dorma」が響き始めると、ちょっとドキドキしたのでした。

Ma il mio mistero è chiuso in me (秘密はこの胸の中にあり)
il nome mio nessun saprà! (私の名前を知るものはいない)
No, no, sulla tua bocca lo dirò(日が輝くときこの唇で)
​​​quando la luce splenderà! (あなたの唇の上にそれを伝えるのだ)​
 むかし、フィギア・スケートの荒川静香さん氷の上を仰向けになって滑って世界一になったシーンは覚えていますが、その時鳴り響いていたのがこの曲だったことはおぼえていませんでした。海の向こうの人たちにはチョー有名で、誰でも知っている曲だったんですね。
 映画の筋とは関係のない感想かもしれませんが、酒場の労働者とかテレビの視聴者のような「ただの人たち」がオペラのアリアに感動するシーンが、実は、一番驚いたことでした。オペラという文化はイタリアとかドイツとか特定の地域に限らず、たとえばイギリスなんかでも「ふつうの人たち」のものなのですね。
 いろいろ分かったふうなことを口にして、とどのつまりには「民度」なんていう、自分でもわかっていないらしい言葉で、よその国に対して「無知」をさらけ出し、「無能」を糊塗するのはやめた方がいいですね。 
 
帰宅したぼくは、まあ、アホですが、一晩「誰も寝てはならぬ」とばかりにオペラ三昧でした。今時、プッチーニでもヴェルディでも、すぐに聴けちゃうわけですが、ヤッパリ「アイーダ」とか癖になりそうですね。

監督 デビッド・フランケル
製作  マイク・メンチェル  サイモン・コーウェル
   ブラッド・ウェストン  クリス・サイキエル
製作総指揮  ボブ・ワインスタイン  ハーベイ・ワインスタイン

   スティーブ・ウィットニー
脚本 ジャスティン・ザッカム

撮影 フロリアン・バルハウス
美術 マーティン・チャイルズ
編集 ウェンディ・グリーン・ブリックモント
音楽 セオドア・シャピロ
音楽監修 ベッキー・ベンサム
楽曲吹き替え ポール・ポッツ
主題歌 テイラー・スウィフト

キャスト
ジェームズ・コーデン (主人公ポール・ポッツ)
アレクサンドラ・ローチ (恋人ジュルズ)
ジュリー・ウォルターズ (母イヴォンヌ・ポッツ)
コルム・ミーニー(父ローランド・ポッツ)
2013年・103分・イギリス
原題「One Chance
20200612パルシネマしんこうえん

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最終更新日  2020.06.16 00:34:26
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