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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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映画「パルシネマ」でお昼寝

2021.08.21
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​​​​キム・ドヨン「82年生まれ、キム・ジヨン」パルシネマ​ 映画と同じ題名の原作の小説が評判になったのがつい最近だったと思うのですが、あっという間に映画化されて、封切りを見損じたと思っていたらパルシネマでやってくれていました。
 キム・ドヨン「82年生まれ、キム・ジヨン」です。​

 河島直美「朝が来る」と二本立てで見ました。河島の作品には、なんだかうまく言えない「ウソ」のにおいがしましたが、この作品には、明るく、ストレートに言いたいという、率直な「ホント」を感じました。
 新人のピッチャーが全力投球して、タマは早いけど、ちょっとストライクじゃないねという印象です。
​ 原作小説では、主人公キム・ジヨンの担当医が、彼女の訴えを記録した「カルテ」という構成で描かれていた「社会」が、映画ではキム・ジヨンが直接出会う世界として描かれています。
 結果的に、現代韓国社会で生きる女性の「ドキュメンタリー」のような体裁で、シンプルでわかりやすいのですが、「社会」「人間」も、なんというか、分厚さというか、重層性を失っている印象でした。​

​​ まあ、その結果というわけでもないのですが、俳優さんたちの演技や、描かれている社会のリアリティに、共感したり、疑問を感じたり、「日本」も一緒やとかいうような感想に落ち着く映画になっている気もしました。それはそれで納得のいく作品なのですが、原作で、構成的要素としてしか描かれていませんが、思い浮かべざるを得ない、男性医師がカルテを記入するときの「意識」の闇については表現しきれていないのではないかという印象を受けました。
 キム・ジョンが抵抗している、社会の無意識のような女性に対する抑圧に意識を支配されている男性医師による診察という構造が、女性の医師・カウンセラーに置き換えられて、この映画は作られているわけですが、その結果テーマに対する印象が、少し変わったんじゃないかと感じたわけです。
​​ 映画化が原作に対して忠実である必要は全くないと思いますが、最後のシーンで、社会と妻の板挟みになりながらも、終始、妻をいたわり、「やさしい」夫であったデヒュンが、笑顔で「子どもを作ろう!」ジョンに抱き着くのですが、「えっ?なんか解決したの?」って、思わず笑ってしまいました。​​​

 なんだか貶しているようですが、しかし、正直で率直な明るさと強さが描かれている後味のいい映画でした。なんといってもこの映画のような率直さは、日本ではあまり見かけないように思うのですが。
「球は、確かに速いんですよ!」(笑)
監督 キム・ドヨン
原作 チョ・ナムジュ
撮影 イ・スンジェ
編集 シン・ミンギョン
音楽 キム・テソン
キャスト
チョン・ユミ(ジヨン)
コン・ユ(デヒュン:夫)
キム・ミギョン(ミスク:母)
コン・ミンジョン(ウニョン:姉)
キム・ソンチョル(ジソク:弟)
イ・オル(ヨンス:父)
イ・ボンリョン(ヘス:同僚)
2019年・118分・G・韓国
原題「Kim Ji-young: Born 1982」
2021・06・15-no56パルシネマ
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最終更新日  2021.08.21 11:24:09
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2021.07.15
​​河瀬直美「朝が来る」パルシネマ
​ 世界的に評判の監督なのだそうですが、その作品を見るのは初めてでした。もっとも、この監督が、そういう人であるということは、見終えて知ったことで、映画館で見ているときは、そんなことも知りませんでした。映画は河瀨直美監督「朝が来る」でした。​

​ 辻村深月という作家の、同名の作品の映画化のようです。テレビドラマ化もされたことのある、これまた評判の作品のようですが、これも知りませんでした。


​ 
映画は「特別養子縁組」という、実際にあるのかないのかは知りませんが、そういう社会制度を描いた作品でした。
 見終わって読んだレビューもそうですが、映画の評判はすこぶるいい様子で、「河瀬マジック」というような言い回しもあるようです。感想の一つ一つが「なるほどなあ」という素直なものが多く、世界の「河瀨直美」「家族」を描いたという感じで、もう一度「なるほどなあ」と感心しました。まあ、しかし、感心しながら、自分自身の感想とのギャップに驚きました。
​​ 確かに、木漏れ日の輝く緑、海や波の象徴的な映像、主役ともいえる「片倉ひかり」を演じた蒔田彩珠の熱演、子役の周到な配置、とどのつまりに用意された感動的な和解、すべてよくできた感動ドラマ、美しい映画の要素を満たすもので、文句を言う筋合いはありませんでした。​​
 しかし、見終えたぼくは、なんだか納得のいかないものを感じたのでした。
 「この映画は何かが過剰で、何かが足りないのではないか。」
 まあ、そういう感じです。
​​ 何が足りなかったかというのは、はっきりしています。浅田美代子が経営している養子縁組を取り持つ組織「ベビー・バトン」の現実性と具体性です。​​
​​​​​ 端的に言って「お金」ですね。片桐ひかりの出産を「なかったこと」にするための必要経費と、栗原夫妻ができなかった子供を「いること」にするための必要経費、浅田美代子が報酬として手に入れる金額です。​​​​​
​​​ もう一つは、繰り返し主張される「実親」「養親」の関係を理想化した、子育て理念の現実性です。栗原夫妻片倉ひかりは、子供の授受の場で出会いながら、信じられないことに、自宅にやって来た最初の再会で「ひかり」を見破ることができません。受け渡しの場で顔を合わせることも、再開で見破れないこともありえないと、ぼくは思いました。​​​
 映画、ないしは原作小説の「オチ」のための作りごとだという印象ですね。この辺りには、プロットそのものに無理があるのではないでしょうか。
 さて、それでは過剰だったものは何でしょう。見かけ上「称賛される映画」にするための要素です。なんだか面倒なので、数え上げることはしませんが、感動をつくりだすために必要なものと不必要なものが図式化され、正確にカウントされていて、取捨選択された印象の映画だと思いました。感動にとって不必要の最たるものが「お金」だというのがいかにも現代的だと感じました。



 ぼくには浅田美代子が、看護師ではなく、やりての仲介業者として、ふと、浮かべる下卑た表情がこの映画の最も印象的な収穫だったのですが、「なかったこと」に出来ない「命」をめぐるの感動には「お金」は邪魔だったようです。

True Mothers
監督 河瀬直美
原作 辻村深月
脚本 河瀬直美 高橋泉
製作総指揮 木下直哉
プロデューサー 武部由実子
撮影 月永雄太 榊原直記
編集 ティナ・バス 渋谷陽一
音楽 小瀬村晶 アン・トン・ザット
主題歌 C&K
キャスト
永作博美(栗原佐都子)
井浦新(栗原清和)
蒔田彩珠(片倉ひかり)
浅田美代子(浅見静恵)
佐藤令旺(栗原朝斗)
2020年・139分・G・日本
2021・06・15-no55パルシネマ


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最終更新日  2021.07.15 00:16:05
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2021.06.20
​​​カロリーヌ・リンク「ヒトラーに盗られたうさぎ」パルシネマ​​

​ 童話作家ジュディス・カーの体験記、幼い日の経験を描いた「伝記映画」でした。題名は「ヒトラーに盗られたウサギ」でした。​
​​​​​​ ヒトラーが政権を取った1933年、祖国ドイツから逃げ出さなければならなくなったユダヤ人の劇作家で、演劇評論家ケンパーという人の十歳の娘アンナの物語でした。
 家政婦の女性ハインピーさん​アンナ​の会話、ケンパーの忠告を聞かず自国にとどまったユリウスおじさんの不幸、スイス、フランス、イギリスと逃亡生活、いや亡命生活というべきか?を続けるケンパー一家の暮らしぶりや、それぞれの土地で出会う様々な人間。それぞれの土地の風景や学校。ナチスによる迫害が深刻化していく社会と、その時代を生きる少女の成長。​​​​​​

 ストーリーの運びは穏やかですが、たとえ10歳の少女であろうと、人間が歴史的な「存在」であることを誠実に描いた作品だと思いました。
​​​​​ 自宅に残してきた「ぬいぐるみのウサギ」が、幼いアンナに取って帰りたい場所の象徴ですが、2019年に95歳で亡くなったジュディス・カーが、お孫さんたちに残した最後の作品「ウサギとぼくのこまった毎日」(徳間書店)という童話の主人公もウサギだったことを思い出して、戦後もイギリスで暮らしたらしいジュディス・カーが、時間を超えて、本当に帰っていきたかった「世界」のことを考えました。​​​​​
​ 出てくる子供たちが、アンナとマックスの兄妹だけでなく、溌溂としていて楽しい映画でした。拍手!​
監督 カロリーヌ・リンク
製作 ヨヘン・ラウベ  ファビアン・マウバッフ
原作 ジュディス・カー
脚本 カロリーヌ・リンク  アナ・ブリュッゲマン
撮影 ベラ・ハルベン
編集 パトリシア・ロメル
音楽 フォルカー・ベルテルマン
キャスト
リーバ・クリマロフスキ(アンナ・ケンパー)
オリバー・マスッチ(アルトゥア・ケンパー:父)
カーラ・ジュリ(ドロテア・ケンパー:母)
マリヌス・ホーマン(マックス・ケンパー:兄)
ウルスラ・ベルナー(ハインピー:家政婦)
ユストゥス・フォン・ドーナニー(ユリウスおじさん)
2019年・119分・G・ドイツ
原題「Als Hitler das rosa Kaninchen stahl」
2021・06・01‐no50パルシネマ

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最終更新日  2021.06.20 01:01:34
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2021.06.19
​​​マルクス・H・ローゼンミュラー「キーパー ある兵士の奇跡」パルシネマ


​​ 
​​​​ナチスの空挺部隊の兵士トラウトマンがイギリスの捕虜収容所に収容されて暮らしています。捕虜同士のタバコをかけたシュート合戦から「サッカー映画」が始まります。その賭けの場に登場する天才キーパーがトラウトマンです。映画の題は「キーパー ある兵士の奇跡」でした。​​​​
 やがて、「鉄十字勲章」で称えられた「ドイツ第三帝国」の英雄が、あのマンチェスター・シティの伝説のゴールキーパーになり、「イギリス」サッカー界の英雄になるという、史実らしいですが、驚くべき話です。
​​ 映画は「スポーツ」が作り出す伝説の作品化といっていいのですが、第二次大戦末期から戦後という時代的、社会的背景の中で、ほとんど成就の見通しのない「ドイツ兵捕虜・トラウトマン」「イギリス女性・マーガレット」の「愛」の物語が、この映画の、もう一つのストーリーです。​​
 マア、いってしまえば、そういうお話なわけですが、これが、なかなか、見ごたえがあったんです。
​​ 主人公トラウトマンが、敗戦後、帰国を拒否し、イギリスに残り続ける理由は「サッカー」への情熱と​「マーガレット」​への愛でした。​​
​​​​​ 敵国イギリスに残り、マーガレットと結婚し、といった二人の関係が、トラウトマンのサッカーでの伝説的プレーと重ねて描かれますが、必ずしも、実生活の上で、トラウトマンとマーガレットが幸せな結末を迎えたわけではなさそうだと描くところが「映画」「人間ドラマ」・「伝記ドラマ」としてのリアルなのでしょうね。​​​​​
 しかし、ぼくが見ごたえを感じたのは、そういうストーリーではありませんでした。ある、ほんのしばらく映し出された、短いシーンに心を動かされたのでした。
​​ トラウトマンマーガレットが初めて親しく出会う場面にそのシーンはありました。​​
「どうして、サッカーが好きなの?」
「君は、どうしてダンスが好きなの?」
「うーん、体から重さが抜けて、宙に浮かんでしまえるからよ。」
「僕がサッカーが好きな理由もそれだよ。」
​ ​​​​​​トラウトマンとマーガレットが、本気で愛し始めるシーンですが、この後、トラウトマンを演じるデビッド・クロスがサッカーボールを魔法のように操って、まあ、リフティングの一種だと思いますが、「ダンス」のよう踊る、そうです、踊るとしか言いようのない、なめらかで美しい、本当に「宙に浮かんでいる」かに見える、夢のようなシーンが映し出されます。それは求愛のシーンですね。
 そして、実際の試合シーンで、もう一度、彼がボールを持って踊るシーンが、今度は、トラウトマンマーガレットの愛を得た喜びの表現として映し出されました。​​​​​​

​​ すばらしいと思いましたね。「スポーツ映画」としても、「恋愛映画」としても、この表現は抜きんでているのではないでしょうか。以前、砂漠の真ん中で、青年兵士が銃をささげて踊る「運命は踊る」​という映画にも感動した覚えがありますが、勝るとも劣らないシーンだったと思いました。拍手!​​

監督 マルクス・H・ローゼンミュラー
製作 ロバート・マルチニャック クリス・カーリング スティーブ・ミルン
脚本 マルクス・H・ローゼンミュラー  ニコラス・J・スコフィールド
撮影 ダニエル・ゴットシャルク
衣装 アンケ・ビンクラー
編集 アレクサンダー・バーナー
音楽 ゲルト・バウマン
キャスト
デビッド・クロス(バート・トラウトマン)
フレイア・メーバー(マーガレット・フライアー)
ジョン・ヘンショウ(ジャック・フライアー)
ハリー・メリング(スマイス軍曹)
デイブ・ジョーンズ(ロバーツ)
マイケル・ソーチャマイケル・ソーチャ
2018年・119分・G・イギリス・ドイツ合作
原題「The Keeper」
2021・06・01‐no51パルシネマ
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最終更新日  2021.06.19 00:04:01
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2021.05.13
​​マウロ・リマ「マイ・バッハ」パルシネマ
 
ブラジル映画、まあ、映画の前に国の名前を入れるとその国の映画になるというのも、わかったようで、本当はよくわからないのですが、ともかくも「ブラジル映画」です。加えて題名が「マイ・バッハ」ですから、なんだこれはと思いながら、まあ、きっと音楽映画やろうなと思って出かけました。​
 2021年の連休ですが、神戸は「緊急事態」が宣言されていて、空いている映画館はパルシネマ神戸シネマ、元町映画館の3館だけです。1000㎡という、わかったようなわからないような基準で「営業自粛」の線引きをしたそうですが、去年の5月には根拠不明なバッシングで狙い撃ちされていたパチンコ店の前では、結構たくさんの人がたむろしていて、お昼前ということもあって、立ち食いそば屋さんの店先には並んでいる人もいました。
 一方で、時々立ち寄るラーメン屋さんなどは当分休業の張り紙でした。なんか、チグハグですね。
​​​​ パルシネマは、とても連休のさなかとは思えない客数で、まあ、いつものパルシネマだったわけですが、支配人を始め、頑張っておられたので、ちょっと嬉しい気分になりました。
 で、「マイ・バッハ」ですが、「Joao, o Maestro」、が原題で、おそらくブラジルの人は、この題名で「ピン!」とくるのでしょうね。さしずめ、日本なら「マエストロ・征爾」で客が入るような気がするのですが、ブラジルの音楽好きの人は20世紀で「もっとも偉大なバッハ奏者」ジョアン・カルロス・マルティネスというピアニストで指揮者を、その演奏も人柄も知らないということはない、そういう人の伝記映画でした。​​​​

 内気で孤独な天才ピアノ少年が国民的指揮者としての老年を迎えるまでの、文字通り、波乱万丈な生涯をたどる、ある意味で、ありきたりな映画ですが、圧巻は演奏シーンでした。見ていて息が止まってしまうというか、サスペンスドラマを見ていてドキドキするような、そんな超絶技巧の映像と音楽がこの映画の肝だったと思いました。
 まあ、実に勝手な言い草で申し訳ないのですが、演奏のシーンが、どうしても、山場の切り貼りと、さわり集というふうになってしまっていて、それが、ちょっと、残念でしたね。
 とはいうものの、映画の後半、指を失い、やがて、手そのものを失ってしまったピアニストの執念の演奏は、やはり感動的で、ただの音楽映画ではない味わいを残してくれましたね。
​ 自宅に帰って、映画で使われていたGoldberg Variations, BWV 988: Ariaの演奏をユーチューブで探しましたが、これがなかなかすばらしい。新しいピアニストの発見でした。こういう、楽しさを残してくれる映画もあるのですね。拍手!​
監督 マウロ・リマ
製作 パウラ・バヘト ホムロ・マリーノ・Jr.
脚本 マウロ・リマ
撮影 パウロ・バイネル
キャスト
アレクサンドロ・ネロ
ホドリゴ・パンドルフォ
カコ・シオークレフ
フェルナンダ・ノーブル
アリーン・モラエス
ダビ・カンポロンゴ
2017年・117分・R15+・ブラジル
原題「Joao, o Maestro」
2021・05・03-no44パルシネマ


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最終更新日  2021.05.13 00:17:22
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2021.05.05
​​アレクシス・ミシャリク「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」パルシネマ

 2021年の3月だったでしょうか、ナショナルシアター・ライブ「シラノ」を見ました。その時は気にしなかったのですが、今回、この映画「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」を見て、このお芝居がフランスではだれもが知っている定番というか、まあ、日本でいえば「忠臣蔵」みたいなものであるらしいと実感しました。​

 映画は、「鼻の男」のお芝居の成立過程を、作者エドモン・ロスタンと大物役者コンスタン・コクランの間で勃発する​ドタバタ事件をネタに、コメディー・フランセーズの舞台の上で芝居が出来上がっていく場に重ねて、工夫に工夫を凝らして作っているのですが、ぼくには、かえってそれが、こういうのも失礼ですが、どうもクド過ぎる気がしたのです。
 まあ、たとえば、我々の社会で「忠臣蔵」という映画や芝居についてはよく知っている人達が、芝居とそれが成立した社会の結びつきを書いた丸谷才一さん「忠臣蔵とは何か」(講談社文芸文庫)とか、その解説を書いていらっしゃる野口武彦さん「忠臣蔵―史実の肉声」(ちくま新書)に夢中になることを想像すれば、向こうの人には、こういう映画がウケるのだろうということは何となくわかります。わかるのですが、やっぱり「向こうの人向けなのかなあ?」という気もするわけでした。

 もう一つ、向こうの人といえば気になったのは、原作にもいえることですが、「詩的な名文句」に女性が口説かれるというところです。
​ マア、そんな経験をしたことがないといえばそれまでですが、古典的なお芝居というのは、「セリフの妙」ということがあるわけで、特にこのお芝居は「鼻の男」「セリフ」で女性の心をつかむという、お話なのですから、シラケていてもしようがないのですが、根本的な何かが違っているのでしょうね、どうもピンと来ないのでした。
​ 映画の筋書きとしては、なかなか、ひねりにひねったドタバタぶりや、フランスの劇場の舞台の光景は、それはそれで面白かったのですが、まあ、題名で「Edmond」と見ただけで、映画館に行く人のようには、やはり、見ることはできなかったのだろうなということを感じた映画でした。マア、しようがないですね。​

監督 アレクシス・ミシャリク
製作 アラン・ゴールドマン
原案 アレクシス・ミシャリク
脚本 アレクシス・ミシャリク
撮影 ジョバンニ・フィオール・コルテラッチ
美術 フランク・シュワルツ
衣装 ティエリー・ドゥレトル
編集 アニー・ダンシェ マリー・シルビ
音楽 ロマン・トルイエ
キャスト
トマ・ソリベレ(エドモン・ロスタン)
オリビエ・グルメ(コンスタン・コクラン)
マティルド・セニエ(マリア・レゴーマ)
トム・レーブ(レオ・ヴォルニー)
リュシー・ブジュナー(ジャンヌ)
アリス・ド・ランクザン(ロズモンド)
イゴール・ゴッテスマン(ジャン・コクラン)
クレマンティーヌ・セラリエ(サラ・ベルナール)
ドミニク・ピノン
シモン・アブカリアン
2018年・112分・G・フランス・ベルギー合作
原題「Edmond」
2021・05・03-no43パルシネマ





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最終更新日  2021.05.05 00:39:55
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2021.03.22
​​ガース・ジェニングス「SING シング」パルシネマ
 普段はあまり見ないタイプの映画なのですが、パルシネマのプログラムに誘われてやって来ました。
​ キャラクターがすべて動物で作られていて、つぶれかけのホールの支配人のコアラのバスター君が起死回生の「素人のど自慢」を企画して、そこに集まる「のど自慢たち」が繰り広げる「歌合戦」アニメ映画でした。まあ、ありきたりなストリーなわけですが、これが見ていて、実に楽しい。​
 声優さんたちのメンバーを見ると、実物が顔出しで出演すると、一体どうなるのだろうという感じのメンバーで、スクリーンから聞こえてくる歌声は、いわゆる洋楽についてほとんど知らないぼくのような客でも、何曲かは知っているうえに、メンバーの実力通り、実に上手なのです。
 ぼくのように80年代以前しか知らない人間でも楽しいわけですから、ここ十年くらいの音楽を聴いている人は間違いなく楽しいのではないでしょうか。

​ ただ、キャラクターの作り方を見ていて、最近話題になっている「ルッキズム」というのでしょうか、それぞれの動物が、見かけ上、人間をその動物に例えるのであれば、ある特定の差別的含意を強調することになることによって「笑い」をつくりだしているきらいがないでもないところには、ちょっと引っ掛かりました。​
​​​ 義眼が転げ出てしまうカメレオンの事務員、ミスク・ローリーさんといい、大勢の子育てをしながら、踊れる歌手になりたいブタのロジータさんといい、ゴリラのジョニーといい、これを人間でやれば事件でしょうね。​​​
 ぼくは、それぞれのキャラクターが、ストーリーの展開において「肯定的」に扱われている点で、楽しめましたが、どうなのでしょうね。続編ができるそうなのですが、そのあたりはどうなるのか、ちょっと気にかかりますね。

監督 ガース・ジェニングス
脚本 ガース・ジェニングス
編集 グレゴリー・パーラー
音楽 ジョビィ・タルボット
エグゼクティブ音楽プロデューサー ハービー・メイソン・Jr.
音楽監修 ジョジョ・ビリャヌエバ
エンディングソング スティービー・ワンダー アリアナ・グランデ
キャスト
マシュー・マコノヒー(バスター・ムーン:コアラ)
リース・ウィザースプーン(ロジータ:ブタ)
セス・マクファーレン(マイク:ネズミ)
スカーレット・ヨハンソン(アッシュ:ヤマアラシ)
ジョン・C・ライリー(エディ:ヒツジ)
タロン・エガートン(ジョニー:ゴリラ)
トリー・ケリー(ミーナ:ゾウ)
ニック・クロール(グンター:ブタ)
ジェニファー・ソーンダース(ナナ・ヌードルマン:ヒツジ・大歌手)
ガース・ジェニングス(ミス・クローリー:カメレオン)
2016年・108分・G・アメリカ
原題「Sing」
2021・03・16‐no24パルシネマ

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最終更新日  2021.03.22 07:19:21
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2021.03.18
​​ブライアン・ヘルゲランド「ROCK YOU!」パルシネマ


​ 
​​久しぶりにパルシネマの二本立てでした。1本目が「SING」で、2本目がこの映画、「ROCK YOU!」でした。​​
​ 今でいうイギリスとフランスの間で、延々と続いた100年戦争とよばれる戦争がありますが、日本なら鎌倉時代から室町時代くらいになるのでしょうね、その時代の「騎士」のお話でした。​
​​​ 原題は「A Knight's Tale」です。そのまま訳せば「ある騎士の物語」というわけで、何の変哲もないのですが、邦題は「ROCK YOU!」でした。​​​
​​ 1本目の「SING」「ミュージカル・アニメ」とでも呼ぶべき映画で、パルシネマの二本立てです。これもなんかあるんだろうと思って見ていると、「馬上槍試合」というのでしょうか、丸太棒みたいな槍で突きあいする競技会のシーンが始まりました。​​
 そこで、なんと、大観衆の手拍子と足踏みの音が、だんだんリズミカルになって行くではありませんか。
ズン!ズン!チャ! ズン!ズン!チャ!
We will we will rock you!
We will we will rock you!
​ ​そうです、あの、Q U E E Nですね。​
 画面の中の観衆たちは、足を鳴らし、曲に合わせてウェーブを始めています。大音響が響きわたりませ。見ているぼくは、もうこれだけで、年甲斐もなく鷲掴みされていました。イヤ、ホント衝撃的とはこのことですね。
​​ もっとも、映画は、そのままハチャメチャ路線なのかと思いきや、この「rock you!」の歌詞をなぞるように、ビルドゥングス・ロマンというのでしょうか、「クソガキの成長譚」をしっかり「騎士物語」として描いていきます。​​
 で、「純愛」あり、「友情」あり、憎たらしくて、カッコイイ「敵役」あり、「危機一髪」ありで、十分納得でした。
 最後のどんでん返しは、そうなるに決まっていると思いながらも、けっこうハラハラドキドキさせていただいて満足しました。

 映画の中での、音楽の使い方に関しては、こういう「時代劇」の描き方があるんだと、感心することしきりでした。洋楽というか、音楽についてよく知りませんが、クィーンだけでなくエリック・クラプトンデビッド・ボーイのフレーズもあったような気がします。実にシャレていますね。
 ネタバレですが、エンド・ロールではもう一度クィーン「We Are The Champions」で決めてくれて、とどのつまりには、遊び心満点の一発かましまでありました。いやー、ぼくは、こういうの大好きです。楽しい体験でした。拍手!​
監督 ブライアン・ヘルゲランド
製作 トッド・ブラック ブライアン・ヘルゲランド ティム・バン・レリム
脚本 ブライアン・ヘルゲランド
撮影 リチャード・グレートレックス
音楽 カーター・バーウェル
キャスト
ヒース・レジャー(ウィリアム・騎士にあこがれる青年)
ルーファス・シーウェル(アダマー伯爵)
シャニン・ソサモン(ジョスリン:姫)
ポール・ベタニー(チョーサー:後の文豪)
マーク・アディ(従者ローランド)
アラン・テュディック(従者ワット)
ローラ・フレイザー(鍛冶屋ケイト)
ジェームズ・ピュアフォイ(トーマス・コルヴィル卿=エドワード黒太子)
クリストファー・カザノフ(ジョン・サッチャー:ウィリアムの父)
2001年・132分・アメリカ
原題「A Knight's Tale」

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最終更新日  2021.03.18 00:12:44
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2020.10.13
​​​​​原田眞人「駆込み女と駆出し男」パルシネマ

 
 パルシネマの二本立てでした。是枝監督「歩いても、歩いても」に気を惹かれてやってきたせいで、こっちの映画にはさほど関心が持てなかったのですが、結果は逆転、こっちが二重丸でした。
​​ 原田眞人監督「駆け込み女と駆け出し男」です。​​
​​​ 今回の二本立ては、どうも、樹木希林の特集という意図だったようですが、ぼくがうれしかったのは原作井上ひさし「ことばあそび」に、久々に出逢えたのがまず第一の理由でした。​​​
​ フーテンの寅さんが、啖呵を切るときに「結構毛だらけ猫灰だらけ、けつのまわりは糞だらけ」と始めますが、他には「驚き、桃の木、山椒の木、狸に電気に蓄音機」なんてのもあります。「地口」とか「駄洒落」、あるいは「語呂合わせ」と呼ばれる言葉の遊びですよね、井上ひさしの場合は、この「地口」ふうのテンポで「羅列」するのが十八番だと思うのですが、主役の大泉洋君が、まあ、医者の卵なのですが、病名や薬の名を早口にまくしたて始めて、膝を打つ気分でした。​

​「お、やっぱり井上ひさしやないか!」​

​​ もう、文句はありません。原作者なわけですから、当たり前なのですが、映画が井上ひさしのテンポでした。微妙に、「人間的」であることから離れられないニュアンスも、井上ひさし節というべき展開でした。​​
​​​​​​​ もちろん、嬉しかったのは、それだけではありません。最近ひいきの戸田恵梨香さんも、映画の「焼肉ドラゴン」では鼻白んだ大泉洋君も、へたくそなりに一生懸命でした。
 そして何よりも、30年ほども昔のことでしょうか、小劇場の舞台でひいきだった木場克己が番頭さんで登場しいて、思わず拍手しそうでした。ぼくは劇団「弘前劇場」「家には高い木があった」という舞台に出ていた彼を印象深く覚えています。
 彼とか、出てくるだけでおかしい麿赤兒、達者なキムラ緑子、それに樹木希林山崎努と懐かしい顔ぶれが揃っているわけですから、まあ、ぼくとしては大喜びの映画鑑賞だったわけです。​​​​​​​

 それにしても、若い俳優さんは大変だったでしょうが、よく頑張っていらっしゃったと思いましたね。久しぶりに、楽しい邦画鑑賞でした。

監督 原田眞人
原案 井上ひさし
脚本 原田眞人
撮影 柴主高秀
照明 牛場賢二
美術 原田哲男
録音 鶴巻仁
整音 矢野正人
衣装 宮本まさ江
編集 原田遊人
音楽 富貴晴美
キャスト
大泉洋(中村信次郎)
戸田恵梨香(鉄練りじょご)
満島ひかり(お吟)
樹木希林(三代目柏屋源兵衛)
堤真一(堀切屋三郎衛門)
山崎努(曲亭馬琴)
麿赤兒(清拙)
キムラ緑子(柏屋女衆お勝)
木場勝己(柏屋番頭利平)
内山理名(戸賀崎ゆう)
陽月華(法秀尼)
神野三鈴(おゆき)
宮本裕子(玉虫)
松本若菜(お種)
円地晶子(おみつ)
玄理(おせん)
武田真治(重蔵)
北村有起哉(鳥居耀蔵)
中村育二(水野忠邦)
山崎一(石井与八)
高畑淳子(女貸本屋)
橋本じゅん(近江屋三八)
井之上隆志(鼻山人)
山路和弘(渓斎英泉)
でんでん(為永春水)
中村嘉葎雄(風の金兵衛)
2015年・143分・日本 配給:松竹

20200925・パルシネマ


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最終更新日  2020.10.13 00:54:52
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2020.10.08
​​​​​是枝裕和「歩いても 歩いても」パルシネマ


 映画館徘徊の初心者も、2年を過ぎると100本を越えてきました。そうはいいながら邦画はほとんど見ません。日活ロマンポルノや、独立プロ、東映のやくざ映画が好きだった二十代に比べると、格段に洋画とか、アジア諸国の映画を見ることが多い徘徊の日々です。
 大雑把な話で申しわけないのですが、30年前にパレスチナやトルコの映画なんて考えられませんでした。しかし、30年ぶりの映画館徘徊では、「時代」を写しているビビッドな印象に惹かれて足を運ぶのは、アジア諸国の作品です。

​​ そんな中で、是枝裕和は、今のところ気にかかっている「邦画」の監督の一人です。パルシネマ「歩いても、歩いても」がかかっていたので出かけました。​​
​​ 一番、グッときたのは、いしだあゆみ「ブルーライト・ヨコハマ」が聞こえてきた瞬間でした。​​
「なるほど、そうか。いしだあゆみか。」
 そういう得心が体全体にやって来た感じです。
「20代、30代の若い人にはわからないだろう、いや、わかってたまるか。」
​ ちょっと自慢したくなるような、むきになって他のことはどうでもいいと言いたくなるような、そんな感じでした。こういう所が、是枝裕和の、持ち味なのでしょうね。​
​ 映画そのものは是枝裕和が描き続けている「家族」の話でしたが、期待したほどの出来だとは思いませんでした。​
​ 「長男」の「死」をめぐるエピソードが、わざとらしいのです。樹木希林の演じる「母親」の妄執が、ほとんどホラーにしか見えないところが、ぼくにはついていけませんでした。​


​​​ ただ、好きな原田芳雄のうまいのか下手なのかわからない演技、樹木希林のコテコテのお芝居、ああ、それから加藤治子の、あのセリフ回しも、「もう、みんな、いないんだ。」と思わせてくれて、ああ、もう一つ、​配給が「シネカノン」でしたね、そういうことみんな合わせて​、見に来てよかったとしみじみ思いました。​​​​
 

  監督 是枝裕和
  原作 是枝裕和
  脚本 是枝裕和
  製作 川城和実 重延浩 久松猛朗 李鳳宇
  撮影 山崎裕
  美術 磯見俊裕 三ツ松けいこ
  照明 尾下栄治
  衣装 黒澤和子
  音楽 ゴンチチ
  キャスト
     阿部寛(横山良多)
     夏川結衣(良多の妻・ゆかり)
     田中祥平(横山あつし)
     樹木希林(母:横山とし子)
     原田芳雄(父:横山恭平)
     YOU(良多の姉・片岡ちなみ)
     高橋和也(ちなみの夫・片岡信夫)
     野本ほたる(片岡さつき)
     林凌雅(片岡睦)
     寺島進(寿司屋)寺島進
     加藤治子(隣家の老婆)
  2008年・104分・日本・配給:シネカノン
  2020・09・25パルシネマ

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最終更新日  2020.10.08 00:32:24
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