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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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読書案内「くいしんぼう」

2020.12.17
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​阿部直美「おべんとうの時間がきらいだった」(岩波書店)​


​​ このところハマっている「おべんとうの時間」のライター、阿部直美さんのエッセイですが、あちらこちらに書かれた短い文章を集めた本ではありませんでした。一冊、同じテーマで書き下ろされた(?)、いわば、私小説風、あるいは「生い立ちの記」風エッセイです。​​
​​ 少女時代の暮らしから始まり、高校時代のアメリカ留学体験、大学を出て働き、阿部了という写真家との出会いと結婚、子育て、そして、今や「お弁当ハンター」の異名を持つ人気ライターとしての暮らしまでがつづられています。​​
​​​ 見ず知らず人の「お弁当」を覗いて、日本国中を旅する写真家とライターの夫婦がいます。全日空の機内誌で好評を得て、「おべんとうの時間(1~4)」(木楽舎)という単行本のシリーズも人気の仕事です。そんな仕事で、ライターを務める阿部直美さんは、実は、「おべんとうの時間」きらいだった。​​​
​ はてな、それはどいうことでしょう?というのが、人気シリーズ「おべんとうの時間」の読者が、この本を手に取る最初の動機であるという意味で、絶妙のキャッチコピーと言えるわけです。が、本当にきらいだったことが、お読みになればわかります。​
「ここに座れ」
「まっすぐ俺の目を見ろ」
 晩酌を始めた父の前に正座させられて、「貴様は最低だ」といつものパターンが始まった。その怒りを引きずった食卓で、味のしない夕飯を食べるはめになった。
​ ​​​この半自伝的エッセイで、最もキャラの立った人物は父マサユキさんです。彼をめぐる「恐るべき」エピソードの多さももちろんですが、上にあげた父親の描写は、実は、繰り返し登場します。
 こういうタイプの父親に育てられた経験のある方なら、きっとわかると思うのですが、阿部直美さんにとって「ここに座れ」は、もう、トラウマといっていい言葉であり、それと一緒に思い出される「家族の食事」の風景は、ひいては「家族」そのものが思い出したくない「思い出」の最たるものだったに違いないのです。だから「家族」を思い起こさせる「お弁当」もまた、おなじトラウマの圏域にあったものだったに違いありません。​​​

​​​​​ そんな、直美さん「おべんとう」と、それを食べる人に興味を持って写真を撮り始めた写真家、阿部了さんの仕事を手伝うようになって変わっていきます。
 それが、本書の第Ⅲ部​「夫と娘」​の章段の鍵ではないでしょうか。二人の間に生まれた「ヨウちゃん」の子育ての体験も苦労の連続なのですが、「家族」をつくり始めた直美さんの「おべんとう」を見る眼は変わっていきます。​​​​​

​​​​ 最後の章段「父の弁当」で、父マサユキさんの死にさいして、父親が好きだった「おべんとう」の姿が、語られます。
 その筆致にはトラウマを超えた娘の、アトピーで苦しむ娘を育てた母親の、人様の「おべんとう」の話を聞き続け、「家族」とは何かと考え続けている一人のライターの「愛」を感じるのは僕だけでしょうか。​​​​

​ なんだか、大げさに持ち上げましたが、「おべんとうの時間」の写真家、阿部了さんが人様のお弁当を相手に1時間も2時間もかけて写真を撮っているという、制作裏話には笑ってしまいました。
 面白いう本というのは、そう簡単にできるものではないのですね。イヤ、納得しました。​


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最終更新日  2022.06.02 02:19:24
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2020.09.23
​​​​​阿部了・阿部直美「おべんとうの時間 4」(木楽社)

​ いよいよ4​巻までたどり着きました。「おべんとうの時間」です。本当は第​3のあと、すぐに4を読んだのですが、図書館で借りだしていると、1とか2には予約が重なって、早く返せとうるさいので、先に案内を書いたというわけです​
​​​​ 相変わらず、いろんなところに出かける阿部一族ですが、今回の表紙は秋田県潟上市小玉醸造という会社で、味噌・醤油製造担当のお兄さん、門間裕隆さん「おべんとう」です。

​​​​​​​​​​ 朝5時に起きて、まず米を研いで炊飯器のスイッチを入れます。それくらいは、まあ自分で。弁当は、母につくってもらいます。​

 もう「いい人」間違いなしという方ですね。もしも、この案内を読んでくれる人の中に、朝5時に起きて米を研いで炊飯器にのスイッチを入れたことのある方がいらっしゃるなら、是非コメントをいただきたいものです。​

​ ご飯が好きなんですよ。朝はご飯と味噌汁、納豆、牛乳を1本。牛乳は、背が伸びるようにって子供の時からの習慣です。
 昼は弁当。夜は、大平山を飲みながら、ご飯と味噌汁をつまみにする感じです。味噌汁は、アザミなんかの山菜の汁や、竹の子汁がいいですね。好きなのは肉かな。嫌いなのは、ミョウガです。​​​

​​​ ​子どものままです。純真無垢、間違いありません。そんな門間さんが仕事についてこういっています。​​​​

​ 今日の午前中は味噌の仕込みでした。結構好きなんです。筋トレと思ってやるといいんです。この辺りの筋肉を使っているなと意識すると、楽しめる。逆に、筋トレと思わないとシンドイです。ひたすらスコップで米麹を掬って、コンベヤーに載せる作業なんで、今日は2~3トンですかね。
 普段は醤油の火入れを担当することが多いです。熟成したもろみを搾ったものを、85度くらいまで温度を上げます。発酵を止めて、香ばしい香りをつけるためです。火入れの時はいい香りがして、それだけでご飯が食べられますよ。​​​

​​​​​​​​​​​ こういう方が、作っている醸造所の醤油や味噌はおいしいでしょうね。ホント、心からそう思います。
 下の、食事の写真を見てもわかると思いませんか。正座ですよ、正座!
​ 「おべんとうの時間」というこのシリーズを1から4まで読んできました。で、ぼくが、この本のどいうところを気に入っているのか、人様のお弁当を覗いて何がうれしいのか、つらつら考えてみると、一つ気付いたことがあります。​
 登場人物の方のしゃべりが面白いとか、お仕事が面白いとか、いろいろな地方のローカルな空気を感じるとか、そういうこともあります。
 でも、そいうことについて、確かに、このシリーズは俊逸だと思っているのですが、他のいろんな本の中でも、似たような面白さに出会ってきたように思うのです。
 で、このシリーズを読みながら、ぼくが生まれて初めてしていることがあることに気付いたのです。
​ それは、見ず知らずの人の「立ち姿」しげしげと眺めるということです。ここに写っている人たちはただの生活者ですから、被写体としては素人です。その素人さんたちが、なんとか自然に写ろうと努力している姿が、実に面白いのです。
 で、そこに、映し出されているのは何なのでしょうね。​

​​​ ​​
​​ 4で、一番印象に残った立ち姿がこの方です。​沖縄県「母子未来センター」という助産施設で助産師をなさっている桑江喜代子さんです。​​​

​​ 印象に残った理由ははっきりしています。このポーズは、ぼくにとって母親たちの世代の「はい!ポーズ」だったからです。
​​ もちろん、桑江さんは、母どころかぼくよりもお若い方だと思います。でも、この姿には、「昭和の女たち」が持っていた、ある「かまえ」のようなものがると思いました。多分、それで、「アッ、いいな」って思ったんです。​​​​​​​​

​​ ここには、分娩台はないんです。あれは医療者にとっては楽な高さですけど、台の上でスポットライトを浴びて息むのは、ちょっと抵抗あるわよね。
 うちでは、照明を薄暗くした畳の部屋に布団を敷いて「横向きでも四つん這いでも、好きな格好でいいのよ」って言ううの。「どんな大きな声出したって、全然かまわないのよ」って。​​
​​​ ​私が子どもの頃はまだ自宅出産でね、弟が生まれる時、階段に座ってじっと待ってたの。産声が聞こえてすごくうれしかった。​

​​ ぼくにも、自宅で妹が生まれた時の似た体験があります。こういうお話を聞くと​桑江さん​「お仕事」「世界」に対する「かまえ」がどこから来たのか、ちょっとわかるような気がします。
 さて、次は5巻です。未刊ですが、なんだか待ちどおしいですね。ああ、第1巻、​第2巻​、​第3巻の感想はこちらからどうぞ。
 それではサヨウナラ。第5巻出版までごきげんよう。
追記2022・05・14
 第5巻はまだ出版されていませんが、レイアウトの修繕でお出会いしています。久しぶりにFBに再投稿して、感想をいただいた中に「『生活感たっぷりなリアリィティ―』があるお弁当」という言葉が書かれていて、ハッとしました。
「お弁当」は、子どもだったら学校で、大人たちは仕事先で食べるものだったんですよね。駅弁や行楽用の重箱のお弁当が楽しいのは、それが特別誂えだからです。でも、このシリーズは学校や仕事場で蓋をとったときの楽しさを撮っていて、そこに「生活」という当たり前が写っている安心が、ぼくは好きなのでしょうね。​


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最終更新日  2022.05.14 11:58:03
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2020.09.10
​​​​​​​​​​​​​阿部了・阿部直美「おべんとうの時間(2)」(木楽社)

​​ 「おべんとうの時間(2)」(木楽舎)の表紙の女性は熊本県の山の中の村で働いている村田佐代子さんです。愛林館「村づくりスタッフ」という肩書がついていますが、看護師になってほしかった看護師の母親の希望を振り切って、山の仕事を職業に選んだ方です。​​​​​​

​​​​「愛林館」との出会いは、高校2年生の夏です。ここが主催する自然林の下草を刈るボランティアに参加しました。実は内心ビビってて1泊で帰るつもりが、参加者が面白い人ばっかりで3泊したんです。夜大人たちはお酒を飲んで、民族楽器を叩くんですよ。いろんな生き方があるんだなあって、思いました。​​​​

​​​ わたしは山の仕事の時から弁当作ってますけど、ご飯とおかず1品とかですかね。今日は、頑張っちゃいました。クレソンの胡麻和えは、よくやるんです。この辺は店がないから、一品持ち寄りで宴会するんですけど、「棚田で摘んできたよ」って言うと喜ばれて、私の料理無精もバレないのがいいんです。​​​

​ 若い人が自分で作った「おべんとう」を食べながら、なんというか、なんか、座り込んでこの本を読んでいる、まあ、老人のシマクマ君も元気が出そうな生き方をしておられるのがうれしいですね。
 でも、もっと元気が出そうなのがこの方々の生き方です。​

​​ ​​​​
​​​ 秋田県山本郡三種町「じゅんさい採り」をしていらっしゃる袴田フチエさんと、そのお仲間です。池の上に、小さな箱舟を出して、水の中のじゅんさいをえり分けて摘むのだそうです。​​​​上の写真は、本書の巻頭を飾る写真ですが、お弁当とポートレートはこんな感じです。 ​
​​​​​​  ​田舎育ちのシマクマ君には懐かしい「いでたち」ですね。おべんとうの筍の煮物がうまそうです。
 ところで「じゅんさい」ってご存知ですか?お吸い物でいただいたことのある、これですね。
​           安藤食品
 ちゅるちゅるッとした葉っぱですね。秋田県三種町の名産品のようです。安藤食品​という会社のホームページに収穫の様子とか載っていましたから、貼ってみました。ああ、こんなふうに収穫する作物もあるのだなあと驚きました。​
          ​​安藤食品
​ ところで、この「おべんとうの時間(2)」読んでいて、「アッ、やっぱり、ここにも行ったんだ」と思ったのがこの写真でした。​


 岩手県宮古市田老というところです。この本は​20124月の発行ですから、阿部さんたちが取材したのは東北の震災のあった2011年の秋でしょうか。​​

​​​ 理容タカハシ常雲寺前店のプレハブ店舗の前に立っていらっしゃるのは理容師高橋勝さんです。「おべんとう」は大きめの海苔巻きおにぎりです。​​​​​​​​

​ おにぎりを2個持ってきて、お客さんがいない時に隅っこの定位置に座って食べるんです。職人っていうのは、皆そうだと思うけど早いよ。あっという間。喉つまりしないように、湯を飲みながらね。白湯でいいんです。​
​ 311日の地震の時、お客さんはいたんです。ちょうどやり終わって、椅子を起こそうって時だったんです。すぐ逃げてくださいって帰ってもらって、女房を高台のお寺さんまで連れて行きました。私は消防団員ですから、まず水門を閉めて、その後ポンプ車で小学校へ行きました。​
​​ この一帯1000軒くらい建ってたと思います。何もかもが流された場所に戻って店やるなんて、馬鹿だなあってひとは思ったかもしれません。うちのは、反対だったんです。相談した6月は、まだ余震が凄かったしね。でも、この場所だったらすぐ裏が高台だし、20数年消防団員やってるし、何かあったらとにかくお客さんと自分の命は守るからって説得して、8月にプレハブを建てたんです。いま女房がやってる場所だって同じ田老なんだけど、なんかね、生まれ育ったここの空気を吸いたかったのかな。流されなかった高台の人たちが、宮古市街まで行って髪を切ってるって聞いてね、だったら俺が戻ろうって。​
  被災して、初めて、職人しててよかったなあって感じました。親に感謝ですよ。だって、親がやってなかったら、絶対にやらなかったもの。

​​​​​ ​散髪屋さんだった家に生まれて、親の仕事を仕方なく継いで、結婚して夫婦で働いて、大きな津波に何もかも流されて、津波の最中にも町の消防団でみんなの生活と命の世話をして、仮設住宅で暮らしながら、なにもなくなった町にプレハブのお店を出して、流されなかった近所の人たちが遠くまで行かなくても「頭はおれが刈ってやるよ。」って、また元の場所で仕事を始めた人が、「職人しててよかった。」とつぶやきながら、お店の隅で、大きな握り飯を頬張り白湯で流し込んでいます。​​​
​​​​ そういう「生き方」もあるということを伝えてくれるこの本は、やはり、すごいと思うのですが、いかがでしょう。
 「おべんとうのじかん(2)」でした。​​「おべんとうの時間」​(1)​・​(3)・​​(4)はここをクリックしてみてください。​​​​

​​​​​​​追記2022・05・12
 ふと思いついて「おべんとうの時間(1)~(4)」の投稿記事を修繕していますが、やっぱりお弁当って、なんかありますね。若いお母さんがたが、それぞれの子供さんたちに作っていらっしゃるのを見ても、立ったまま食べられるからといって、大きな海苔巻きの写真があったりするのを見ても、​​​なんか、心が微妙な動き方をするのです。これは、なんなんでしょうね。「お弁当」を食べるって、なんか、人は一人だけで生きているんじゃないってことを、教えてくれるところがあるのかもしれませんね。
 まあ、一人で握り飯を握ってお弁当にしている人も、きっといるわけで、一概にはいえませんが、なんか、そういう意味を感じます。


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最終更新日  2022.05.13 09:39:55
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2020.09.09
​​​​​​阿部了・阿部直美「おべんとうの時間」(木楽社)​​

​​ 「おべんとうの時間」(木楽舎)創刊号です。某所座り込みノンビリ読書のネタは尽きません。
 表紙の写真の女性は千葉県安房郡の海女、里見幸子さんです。千葉県安房郡で里見さんです。なんかちょっとドキドキしませんか?​​​​はい、「里見八犬伝」の里ですね。​
​​ で、これが海女の里見さんのおひるごはんです。

今日、私が持ってきたのは、カボチャの煮物です。それ以外は、他の人が持ってきてくれたの。魚はさっきここの火で焼いたばっかだし、トウモロコシも海水で茹でたばっか。美味しいよ、火があるっていいよね。​​
​ ​海女をやってどれくらいになるんだろ。あの頃、娘たちはまだ幼稚園に行ってたから27年くらいか。子どもがいて、外に働きに出られないわけでしょ。暇だし、海が好きだから潜ってたの。そしたら、はまったんだよね。​
​​ 昔はさ、海の口が開いたって言ったんだけど、年に数回ある大潮の時は、小学校も休みだった。天草(てんぐさ)を採る日ってこと。子どもたちは、みんなして近所の海に入って天草採り。組合に持ってくとお金くれたから、頑張ったよね。次の日、校長先生が、「みんないっぱい採れましたか?」って、聞いてたっけ。​​
​​子どもの頃ね、母が帰ってくると「かあちゃん、かあちゃん、弁当箱ちょうだい」って言ったの。「ほらよ」ってくれた弁当箱の中に、焼いたサザエが入ってた。海女小屋で焼いたんだよね。なんか嬉しかったの覚えてる。でもね、あの頃、私が海女小屋に行くと怒られたの。ここは子どもの来る場所じゃないって。今はそれがわかる。小屋はひとつの社会で、私も先輩たちから、いろいろ教わってここまできたから。​​
​ 磯の鮑は天で採る。昔、おばあちゃんが言ってたの。空が照ってれば、海の中が見えるから鮑がとれるってことなんだけど、もう昔みたいには採れない。海に鮑がいないんだから。​

​​​ ​​申し訳ないのですが適当に抜粋して引用しました。阿部直美さんの、こういう記事をノンビリ座りこんで読みながら、宮本常一という、この国の山中や海辺、ありとあらゆる場所を歩きまわって、そこで普通に暮らしている人の話を記録した民俗学者がいたこと思い出しました。​​
​​​ 子連れの阿部さんご夫婦が、東京の真ん中から北海道や沖縄まで出かけていって、「おべんとう」の姿と食べている人の「ことば」を記録して、こうして本にしているこの仕事は、ちょっと宮本常一の仕事と似ていると思いました。​​​
 そんなことをぼんやり考えていると、こんな写真に出くわしました。


​​ 「鼓童」太鼓プレーヤーの砂畑好江さんです。​​​​

​​ 東京から佐渡に来て、10年がたちました。高校3年生の冬、みんなが受験勉強で必死になっていた時に、大荒れの海を渡って、廃校になったさむーい校舎で12日の試験を受けた日のこと、忘れられないです。合格してから2年間、その木造校舎で鼓童の研修生として過ごしました。​​

​ ​​佐渡の「鬼太鼓座」宮本常一とかかわりの深い芸能集団だったと思いますが、「鼓童」は、その血脈の一つではなかったでしょうか。​​

​​ 夫婦で一緒にお弁当を食べる時間は、ありそうであまりないんですよ。今年は、お互いのスケジュールが合わなくて、こうやって一緒に過ごせるのも、彼が2ケ月間のヨーロッパ・ツアーから帰ってきて以来です。
 11月には、私がイギリス人ダンサー・振付家アクラム・カーンの公演に太鼓や唄で参加する予定なので、また離れ離れになります。今回、初めて鼓童という集団を離れて、ひとりでイギリスに行きます。新たなチャレンジですね。​​

​ 「某所」に座り込みながら、​​​​​​阿部さん夫婦の仕事が、宮本常一の仕事を再発見していて、日本海の孤島「佐渡が島」で生まれた文化が、東京の少女を呼び寄せ、世界と直接つながっていることを伝えていることに唸りながら、砂畑さんご夫婦が一緒に食べている「おべんとう」の「このフライはなんのフライだろう?」とか覗き込んでしまうのでした。
 ホント、場所柄も何もあったものじゃないですね。それでは​「おべんとうの時間2」・​「おべんとうの時間4」「おべんとうの時間3」​​​​​はここをクリックしてくださいね。​​

追記2022・05・12
 FBの投稿とかに、毎日のお弁当を載せていらっしゃるお友達がいます。我が家では、今となっては昔の思い出なのですが、そういう投稿を見ると、毎日お弁当を持って出かける暮らしの様子が浮かんできて、ホッとするというか、懐かしいというか。お弁当の写真は、普通の食事の写真と、どこか違いますね。のぞき込んで見えてくるものの中に凝縮されているものがあるからでしょうかね(笑)。


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最終更新日  2022.05.12 10:27:17
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2020.08.01
​​​​​​​​​阿部了・阿部直美「おべんとうの時間3」(木楽社)​​

​ 近頃気に入って、ボンヤリお座りするときに持ち込んで読んでいます。3なのですが、1から読み始めたわけではありません。
​​​​ この国の、あっちこっちの、働く男の人や女の人、子供の「おべんとう」もあります。文章を書いている阿部直美さんがおっしゃるには「普通の人の普通の弁当」のルポルタージュです。​
 本の最初には日本地図が乗っていて、「​​​
おべんとう​​を見せてもらった人の名前が地図に書き込んであります。文章は阿部直美さん、写真は阿部了さんという分担らしいのですが、お二人の関係はわかりません。多分、御夫婦なんでしょうね。​​
 全日空の機内誌に連載されたのが、始まりだそうですが、4まで出ています
​​​​ 表紙の写真は​小笠原の母島​の小学校、中学校兼任の家庭科の先生です。小笠原諸島は船で二十何時間かかるそうですが、東京都です。彼女は東京都に採用された教員で、初任地が母島で、やってきて​​​​4年目だそうです。

​​​
 これがお弁当です。デザートがパッションフルーツなところが南の島です。当たり前ですが、あとは普通ですね。​​​​​​​​


 こっちの写真は、球磨川の渡し船の船頭さんです。お年は85歳だそうです。船の名前は楮木丸、かじき丸と読むようです。お名前は求广川八郎さん。苗字は「くまがわ」とお読みするそうです。

​​​​ 今年の夏ほど、長ーく渡しばせんことなかったですもんなあ。
 雨が降って降って、そりゃまあ、ひどかじゃった。1か月ちゅうもん、大水が引かんでな、小屋のすぐ下、石段の2段さがったとこまで水が来ておりましたわ。
 わしのいる楮木(かじき)地区から奥に6キロほど山道を行きますとな、川島ちゅう地区がありますたい。川島の子らを、これまで何十人も渡したな。球磨川を挟んだ向こう岸に、JRの瀬戸石駅があっとです。高等学校に通う子どもらは、自宅から渡し場まで自転車で来寄ったり、父さん母さんに車で送ってもろうてな、わしが渡して、電車で人吉や八代に通っとです。
 今年は1年生の男の子ば1人ですたい。なんや2年生になると、単車の免許がとれるちゅうことで、自分で瀬戸石ダムの脇を通って駅に行くとです。あの子も、来年は単車ば乗るでしょうな。わしも85歳になりますけん、いつまでできますかなあ。
 毎朝起きるんは、4時半ですたい。ばあさんの弁当持って歩いて小屋に来ます。男の子は614分の人吉行きに乗りますけん、その前に準備ばしとっとです。来たらすぐ渡してやるように、舟で待っとります。その後、小屋で朝ご飯の弁当を食べますたい。
 845分の電車を送った後、昼の弁当を取りに家に戻ります。うちのは足が悪かもんですけんな、わしがとりに行くとです。​​


​​​ お好きなおかずはラッキョウだそうです。入ってますね。これが朝の​「おべんとう」​か、お昼の「おべんとう」か、そのあたりはわかりませんが、夜は球磨焼酎で晩酌だそうです。
​​ 阿部直美さんの文章化の腕がさえているんでしょうね。たとえば、このおじいさんの語りには「ほろり」とさせられっぱなしです。若い頃の話とか、他にもいろいろ語っていらっしゃるのが面白いのですが、取材されたのは5年以上も前です。​

 そういえば、球磨川では、今年、2020年の6にも大水で大きな被害が出ているとニュースになっています。このおじいさん夫婦、大丈夫でしょうか。お年も、90歳を超えられているでしょうし・・・。
 ボンヤリ座り込んで読みながら、そういうことが気にかかりはじめる本です。危うく、何をしにここに来たのか忘れそうになります。
 次は「おべんとうの時間4を予約しました。​​​​


​追記2020・09・08
「おべんとうの時間 1 」
​はここをクリックしてください。 

追記2022・05・13
​読んでから2年経ちました。新しい巻が出ているのでしょうか?とりあえず読んで案内を描いたのが1巻から4巻までです。まあ、そっちの方ものぞいてやってくださいね。​

「おべんとうの時間2」・​「おべんとうの時間4はここをクリックしてください。

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最終更新日  2022.05.14 10:24:23
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