映画製作者=匿名「ミャンマー・ダイアリーズ」 元町映画館no195
映画製作者=匿名「ミャンマー・ダイアリーズ」 8月の中旬に大きな台風が来て、台風一過の「秋風ぞ吹く!」を期待していたのですが、吹きませんでした(笑)。猛暑は復活して、相変わらずのグダグダなのですが、「何だ、この映画?ひょっとして?!」 と、やる気のない気持ちを叱咤して、やって来たのが「ミャンマー・ダイアリーズ」というドキュメンタリーです。もちろんこの手の作品を上映してくれるのは元町映画館です。 アタリ! というか、 これ、見んかったら、ますます無知の塊やったなあ。まあ、それにしても、ここでもとんでもないことが・・・・・ という作品でした。チラシの真ん中に工事用のヘルメットの女性の影が映っていますが、彼女は銃撃され倒れました。血まみれの帰らぬ人となったのです。 ミャンマーなんて、ノーベル平和賞のスー・チー女史の名前でしか知らない国ですが、今、とんでもない状態だということを初めて知りました。 そのスーチー女史は、自宅ではなく犯罪者として刑務所だそうです。このフィルムに登場する人の名前も、顔も隠されていて、顔出しの人は翌日逮捕されたり、帰らぬ人となってしまった人に限られているドキュメンタリーでした。ジャングルで、民主派の青年たちが武闘訓練している様子は、60年代の新左翼ドキュメンタリーで見たことがある「銃を取れ!」のようで、見ていて気が滅入るばかりでした。 映像のほとんどは、おそらく、スマホとか小型カメラの隠し撮りで、いろいろな人が撮った切れ切れのフィルムがつぎはぎを映画として編集した作品です。そして「弾圧」・「圧政」という現実を描く映画としてのコンテクストを支えているどこかに、編集者たち、映画製作者たちの、芋虫から変身する蝶にたくした夢があって、たとえば、チラシのヘルメットにもとまっていますが、それが、なんだかコミカルに訴えられていることが、かえって救いであるかの作品でした。 70分の短い作品ですが、見終えてため息が出ました。しかし、ミャンマーの現実もさることながら、このフィルムを世界に発信する努力を続ける人がいることには、やはり、勇気づけられる思いもするわけでした。ああ、世界のことなんて何にも知らないで、フラフラ徘徊している場合かよ! できれば、若い人に見てほしいと思いました。とんでもないのはウクライナや香港だけじゃないんですよ。で、なによりもまず、この映画を上映してくれた元町映画館に拍手!でした。2022年・70分・オランダ・ミャンマー・ノルウェー合作原題「Myanmar Diaries」2023・08・19・no105・元町映画館no195