2006/03/27(月)22:25
日韓友好イベント「金色夜叉&チャンハンモン」講演会
日韓文化交流イン熱海「金色夜叉&チャンハンモン」講演会がMOA美術館能楽堂で開催されたので行ってきました。
尾崎紅葉「金色夜叉」と筋書きの似た韓国小説「長恨夢(チャンハンモン)」の両作品を比較しながら日韓交流を図るイベントでした。
「金色夜叉」は、明治時代の後期に新聞小説として連載され、♪熱海の海岸散歩する貫一お宮の二人ずれ♪で熱海が一躍有名になりました。
全国から熱海に観光客が詰めかけて人気を呼んだ未完の小説です。
そして「長恨夢(チャンハンモン)」は作家:趙重恒(チョ・ジュンハン)が大正二年に韓国の新聞小説などで公表されています。
その後に映画化されるなどして人気になり、ハッピーエンドで終っている作品だそうです。
婚約相手を資産家に奪われた主人公が、復讐(ふくしゅう)のために高利貸しになるという筋書きや、主人公が婚約者をけりつける名場面など、共通点が多い。
前高麗大学の鄭光(チョン・グワン)教授と法政大学(日本文学)の川村教授が基調講演で両作品の比較論を解説してくれました。
川村教授は「長恨夢(チャンハンモン)は、金色夜叉をアレンジした作品」ですと説明し、又「金色夜叉」にも種本があったと話されました。
私はこの本「女より弱き者」堀 啓子訳 を‘へ~’と思って以前に読んでいます。
それから、講談師の‘神田すみれ’さんと在日韓国人の語り部の‘金基英’さんが、あらすじの紹介をし、両国の文化の違いや共通点を語ってくれました。
アトラクションとしては、熱海芸妓衆の舞踊「金色夜叉」の踊りや、笛の演奏で日本の伝統文化が披露されました。
EARPET(同時通訳機器)
TVなどの国際会議などで見る、耳にかけるものです。
鄭光(チョン・グワン)教授のお話しもこの「同時通訳」機器のおかげでよく理解できました。
でも、思うのですが・・・、熱海は何時になったら「金色夜叉」から解放されるのでしょうか・・・?
新しい熱海のイメージが欲しいですね。
川村教授も講演の中で尾崎紅葉(オザキ コウヨウ)を‘モミジ’と読むのはまだいいほうだとか。
金色夜叉(コンジキヤシャ)は‘キンイロヨルマタ’と読んだり、これは、困った現実とおっしゃっておられました。
明治文学も遠くなりました・・・。
MOA美術館「能楽堂」は、とても立派で、定期演能会も行われているようです。
次回は「能」の観賞に出向こうと思います。